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そんなことをしていたら、ガス業者が来る時間になったようだ。玄関の方から挨拶をする声が聞こえる。勝也はとりあえず返事をしておいて、さっと周りを見渡す。とりあえずにはなったが台所までの道と裏の道への動線は確保できた。玄関先まで行って、ガス業者を迎え入れる。氏名や住所などの情報の確認を終え、あとは業者さんに任せる。そこでガスレンジが汚いままだということに気づくが、今更どうしようもない。汚くてすいませんなどと言いながら、作業を見守っていると案外短い時間で作業は終わったようだ。台所のガスレンジが点火できること、お湯が出ること、最後にお風呂場でお湯が出ることを確認した。お風呂場も汚かった。自分のせいではないのに、業者さんに汚いと思われているだろうことを考えると、恥ずかしくなっていた。
恥ずかしさに耐える時間は終わった。完了のサインをもらったガス業者が車に乗り込みさっさと出発していった。能力を使ってから初めて中途半端とはいえその成果を他人に見せたわけだが、思っていたよりもあっさりと終わったことに勝也は拍子抜けしていた。まぁ、そんな能力者がいるなんて微塵も考えていないだろうし、他の部屋を見れば全部端に寄せただけと判断したんだろう。
とにかくこれで電気、ガス、水道が使えるようになったわけだ。現在は金曜の夕方。今日と明日からの土日を使える。植木業者は週明けの平日に勝手にやってくれる。ここからやっと全力で力を使える。とはいえ、午後からここまで動きっぱなしだったので、いったん休憩を入れようと勝也は近くの喫茶店へ向かった。
喫茶店でしばらくぼうっとした後、帰りがけにドラッグストアを見つけ、そこであらゆる洗剤、掃除用具を大量買いした。基本業務用ボトル買いだ。二階トイレの惨状がトラウマになってしまっていたようだ。買った後に両指が引きちぎれるぐらい重くなってしまったことに気づき、大変後悔したが、会計後に店のトイレで収納しておいたタオルを取り出し、それをかませることでなんとか家まで持ち帰った。何度か荷物をチェケラしてみたが、パンパンで買った奴が手ぶらで帰るというのは怪しすぎる。業務用ボトル二本ほどチェケラするに留めた。
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