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「ほんとアイテムボックスでもあればな。」
そうつぶやいた瞬間、右手に持っていたごみが消え、左手に持っていたごみ袋が消えた。急に軽くなった手と、今そこにあったものが消えたという事実が受け止められずにしばらくぼうっとしていると、目の前に黒い物体が浮かんでいることに気づいた。
「なんだろ、これ。」
本来であればもっと驚いて警戒してしかるべき場面だ。ただ手に持っていたものが消えたということと、そこに現れた黒い物体はつながっている。なんとなくそう思って指一本で触れてみる。まるでマウスを動かしフォルダを開くように。
そしてまさにフォルダを開くときのように黒い物体が少し動いたと思うと、ぶわっと黒い画面が広がった。それが普段使っているPCの動きにあまりに似ているため、これまた驚くタイミングを逃す勝也。
画面には先ほど消えたごみやごみ袋がピクチャのように画像で並んで表示され、ご丁寧に名前までついていた。燃えるごみの袋、割りばし(済)、カップ麺(空)、ペットボトル(空)、、、。ここにきて勝也はやっと驚くことができた。
「あ?え?マジで。」
何が何だかわからない。この画面のこともわからないし、なんで手に持っていたものが消えたという現象もわからないが、さっきのあれらがここに入って表示されているという概念についてはスムーズに理解してしまっていた。
画面の何も表示されていない余白の部分を触ってみる。すると指は画面をすり抜け向こう側にいった。見てみようと体を傾けると画面自体に厚さはない、あっても見えるような厚さではないようだ。すり抜けた指はなんともなくそこにあった。次に表示されている割りばしを触ってみる。するとまさに右クリックしたときのように、「取り出す」と「名称変更」「分類」などの項目が表示された。
使える。俺、これ使える。勝也はこんな超常現象が起きていることと、それが自分が慣れ親しんだPCのように使えそうという不思議な状況に改めて困惑していた。
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