9 変わらぬ意志
「私達も婚約破棄されました。」
「えっ?!私のせい……」
「いいえ!ルイナス様のせいではありません!」
「そうです!」
「私達、元婚約者達に殿下とドロネーヤ嬢のことを相談していたのです。」
「最初は諫言していたのですが……」
高位貴族である彼女達、婚約者達も高位貴族で殿下の側近候補。諫言できる者達だ。まぁ学園においては貴族平民と身分や階級が関係ないと言われていますが……
「あれくらいいいんじゃないか?束縛しすぎじゃないか?自由にしてあげろよ。彼女みたく広い心を持てよ。なんて、徐々にドロネーヤ嬢を擁護するようになりました。」
「そして殿下の婚約破棄後、アシャルーナ様以外私達も婚約破棄されました。」
「彼らがああいう人だとは思いませんでした!見損ないました!」
ドロネーヤって男爵令嬢だっけ?私が悪役令嬢で彼女達が取り巻きか?ドロネーヤと王子、王子の周りの男子がくっつくねぇ。なんか乙女ゲームみたいだな。逆ハーレムルートじゃん。と私が呟く。
「私達、ルイナス様が頑張る姿を見て私も頑張ろうと思い、この国の為に頑張ろうとこれまでやってきました。」
「ルイナス様が王都追放、魔の森の開拓を命じられたと聞きました。」
嫌な予感がした。咄嗟に分厚い結界をこの部屋に張る。
「そんな決定をした王ぞ」
結界を張って正解だった。
「駄目よ!それ以上言ってはいけません!!」
はぁはぁと息切れする私。
「「「「「……」」」」」
「……」
「……だから私達、ルイナス様の下で頑張りたいのです。」
「ルイナス様は目標で癒し。」
「ルイナス様と一緒にいたいのです!」
「ルイナス様の専属騎士になるのがが夢です!同行の許可をお願いします!」
「お父様にはルイナス様が許可をしたら、と許可をもらっています。」
「「「「私もです。」」」」
癒しってなんですか?あなたの夢は知らなかったわ。それに当主様に許可をもらっているって……娘をお願いしますって言われているようなものじゃないですか。はぁ……
「開拓は、過酷、ですよ?」
「「「「「ルイナス様がいれば大丈夫です。」」」」」
なに、この物凄く高い信頼度は?!
「贅沢な、暮らしは、できませんよ?」
「「「「「ルイナス様がいればいいです。」」」」」
贅沢な暮らしより私?!どうしちゃったのこの子達!
「……命を、落とすかも、しれないわよ?」
「「「「「ルイナス様がいれば大丈夫です!」」」」」
駄目だぁこの子達……
「……一旦、自宅に、帰って、家族と、話し合い、考えて、それでも、来たい、というなら、明日、また来て、ちょうだい。一度、頭を、冷やして、ください。」
「「「「「わかりました!」」」」」
意見が変わりそうにありませんね……
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