2 王命
22/03/04 数日経ったを二週間経っていたに修正。
野郎から婚約破棄された日から二週間経っていた。動かない身体をメイドさんに介護される日々。なぜ自分の身体が太い手足だったかは夢?睡眠学習?眠り続けた一週間にルイナス・オリジールの人生を見て、経験して理解した。ルイナス・オリジールも俺の人生を経験した。私達は一つになった。そして……
「ルイナスお嬢様?」
天才と言われた私がオーク令嬢と言われる身体になったかを理解した。今話しかけてきた私の専属侍女が原因であると。
「どうなさいましたか?」
「何でも、ないわ。」
「そうですか。御当主様から起きたら執務室に来るようにと言付かっております。」
「準備、して。」
こんな身体だからか話すだけでも疲れる。話すだけで疲れないまで痩せることを当面の目標にしよう。
数人のメイドさん達に見支度をしてもらい、専属侍女と共にお父様の執務室に向かう。
「ルイナスお嬢様をお連れしました。」
「入れ。」
「失礼します。」
またイケメンだよ!と私の中の私が内心で叫ぶ。センター分けセミロングの金髪、灰色の瞳のイケおじ。お父様格好良い!
「……ルイナス、なのか?」
お父様が驚いた顔をしている。
「はい、ルイナスです。」
「なぜ、こんな身体になってしまったんだ……」
お父様が小さな声で呟く。たぶん独り言。久し振りに会った娘がオークのような身体になっていたら、ついそんな言葉を吐いてしまうよね。
「色々、ありまして、一番の原因は、運動を、しなくなった、ことかと。」
「……そうか。」
そう言い、目を手で覆うお父様。ショックですよね、わかります。
「……ルイナスを避けていた私も悪いな。」
「それは、仕方が、なかった、と思います。」
「……」
「……」
「……ルイナス、お前はあと一ヶ月以内に王都を出なければいけない。」
「アルスタ殿下、達ですね。」
一枚の紙を広げ読み上げる。
「そうだ。開拓村、ラザート村に赴任、ラザート周辺をラザート領としラザート領主に任じる。開拓せよ。との王命だ。」
「わかりました。」
「必要なものをできるだけ用意する。」
「ありがとう、ございます。丈夫で、動きやすい服を、数着、欲しいです。ラザート村や、村周辺の情報を、教えて、ください。」
「服は今すぐ用意させよう。情報も集まり次第、教えよう。」
オーク令嬢、領主になってしまいました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。ブックマーク、評価をしてもらえると嬉しいです。