16 二番目の転生者。
他視点です。
貴族に引き取られた時に前世のことを思い出した。自分の名前がヒロインの名前であるということに大歓喜した。それが五歳の時。物語の始まりは学園入学十二歳からであと七年あった。物語は覚えているけど、始まる前のことは知らない。いらない行動して物語に影響したらどうしようと冷静になって不安を感じた。
あ、回想で幼少時の私との場面があったなぁと思い出した。それっぽい場面になるよう、発生するように注意しながら生活をした。覚えてる場面はすべて発生させた。時が進み、私は十四歳になった。
任命式という知らないイベントの後からアル様の様子がおかしい。返事が疎かになっている。他の皆は私を見て話してくれるのに、最近のアル様はあまり目を合わさない、遠くを見ている。心ここにあらずだ。
アル様は(なぜかめっちゃ太っていた)婚約者を原作通り婚約破棄した。ここまで微妙に違った場面がよくあったけど、いやほんと元婚約者の外見が原作と一番違った。源作の元婚約者は外見と能力は女性の理想像、スタイルが良く胸が大きく、勉強も運動も魔法もできる。まぁ現実にこんな完璧な女性がいるわけないよね。性格悪いし。でも外見以外は原作通りだった。そんな元婚約者はアル様と仲良くする私に嫉妬して陰湿ないじめをしていた。ほんと性格は悪いのよね。結果原作通り婚約破棄された。学園追放は原作通りではなかったけど。まだ彼女と関わる場面はいっぱいあったんだけど……
あ、あと侯爵家次期当主のヴァルディスことヴァーデ様が学園に来なくなった。ちゃんと好感度が上がる行動をしてたはずなのに……
他の皆とは良い感じ。皆も婚約破棄をした。だけど、心ここにあらずのアル様といなかったヴァーデ様のせいで、ちゃんと逆ハーレムルートに進んでいるか不安。どうしちゃったのよアル様。私を見てよアル様。どこ行っちゃったのよヴァーデ様。私のところに戻ってきてよヴァーデ様。
元婚約者取り巻き達もいつからか学園に来なくなった。悪役令嬢達がいないとアル様達に助けてもらう場面が発生しないんだけど!私のハッピー逆ハーレムルートに貢献しなさいよ!使えない奴等ね!
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