11 私達は知っている。
他視点です。
私達は彼女、ルイナス様が殿下のために沢山のことに時間を費やしていたのを知っている。
俺は彼女、ルイナスお嬢様が男でも辛い訓練を殿下のためにと騎士達と一緒に訓練していたのを知っている。
私達は後悔している。あの日から変わっていく彼女。少しずつ変わっていく彼女を支えられなかったことを。
ルイナス様から手紙が届いた。読んだ私達は婚約破棄直前のルイナス様と違うと思った。ルイナス様が、あの頃のルイナス様が戻ってきたんじゃないかと思った。
そしてルイナス様に魔の森の開拓せよと王命が出されたと聞いた。私達は今度こそ支えるのだ!ルイナス様について行くのだ!守るのだ!と決意した。
私達はまずお母様を味方につけ、お父様を説得した。渋々許可を出してくれた。お父様大好き!と抱き付いておく。最後かもしれないから。
次に学園に休学届けを出した。心に傷がとか言ったらすんなりと通った。傷ついていない。心は燃えている。憤怒とルイナス様を支え守るという心で燃え上がっている。あとルイナス様が悲しんでいないか泣いていないか心配している。
一ヶ月ぶりに会ったルイナス様は少し痩せていた。落ち込んで痩せてしまったのかと心配したが、そうではなさそうだった。その日は同行の許可をもらえなかった。落ち着いて考えてと言われた。一日でも一週間でもこの先ずっと考えてもルイナス様に同行するという意志は変わらない。
次の日ルイナス様に驚愕の情報を教えられた。一族の秘伝ともえいる貴重な情報をルイナス様から伝えられて、歓喜しました。出発まで残りわずか。夜だけではなく訓練した後の休憩代わりに行い、毎日二回行うようにした。それを出発日まで続けた。
俺は王命を聞いた夜に親父にルイナス様についていく!と言った。怒鳴られ殴られ反対されると思っていた。あっさりと賛成してもらった。嬉しかった……が、翌日に特別訓練が待っていた。普段の数倍の量、負荷のある訓練をいつもと同じ時間で終わらせろ!と団長直々に俺達に言った。できるわけねーだろ!と内心で叫んだ。
でも次の言葉で叫ぶ暇がなくなった。できなかったら俺達がお嬢様についていく!と団長、古参の騎士達が俺達と同じ訓練をし始めた。俺がついていくんだ!と追いかけようとしたが、騎士は冷静ではなくてはいけないという教えを思い出す。惑わされては駄目だと深呼吸し自分のペースで、しかし必死に訓練をこなした。時間ぎりぎりで終わった後立っていれなくて倒れた。団長達は余裕そうだった。負けられねぇと強く思ったが、限界が来て意識を落とした。朝起きたら自室で寝ていた。五日でどうにか自分で家に帰り寝れるようになった。
数日後、他言無用だと言われ魔力量増加の訓練を教えられた。出発まで続けた。親父に頭をがしがし撫でられルイナス様をしっかり守れよと、母親にはぎゅっと抱き締められ自分も大切にねと言われた。ルイナス様も領民も自分自身も守り通すと誓った。
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