表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

斎木icラボ

妹忘年会 ─妹(偽物)との饗宴─

作者: 斎木伯彦

 妹忘年会。


 このパワーワードに心沸き立つ諸兄には申し訳ないが、妹に理想の女性像を重ねるのはムダなことだ。

 優しくていつも兄を立ててくれるのが妹だって?

 お前の中では、そうなんだろうな、お前の中ではな。

 いいぜ、だったらその幻想をぶち壊す。


「流石、お兄様です」


 なんて言ってくれる妹は物語の中だけだ。


「バカ兄貴、死ね」


 これが現実だ。人生相談に乗っている間に恋愛関係に入るなんてキモイ妄想は、妄想に留めておけ。

 血の繋がらない妹という話も古典的だし、ましてや恋愛感情を持つなんてのも使い古された筋書きだ。


 そもそも数百年も生きている地獄の悪魔から『神にーさま』と呼ばれる僕の立場が分かるか?

 本当にいい加減にしておけよ。


 外では優等生ぶる美人の妹も、玄関を潜ればぐうたらな「喰う寝る遊ぶ」の三連コンボを炸裂させる。

 実妹なんて、理想を壊す存在でしかない。


 だったら、他人の妹だって?

 よせ、妹キャラのメイドが接客する喫茶店に行ったら、大学の先輩が妹キャラのメイドだった時の絶望感が理解できるか?


 可愛い妹だと思ったら、男の娘だった時の絶望感が理解できるか?


 三姉妹の末妹だし、姉さん女房でも構わないからって結婚したら、気の強い嫉妬の塊で、ずっと恐妻家だった男も実在した。

 妹に理想を求めるなんて不毛だ。


 さんざん可愛がって来た妹が反抗期に入って口も聞いてくれない時の悲しみが理解できるか?

「お兄、お兄」と懐いていた妹が竹筒を咥えていた時の気持ち、分かるか?


 妹なんて……


 妹なんて……


 取り敢えず忘年会の参加申し込みをしておこう。

 まだ早いかな?

 いや待てよ、もしかしたら芋煮会の変換ミスかもしれないじゃないか。

 ひとまず確認の電話だ。


「もうお兄ちゃんったら、レナに意地悪しないで」


 胸を撃ち抜かれた。

 全ての予定を変更して絶対に参加する。

 今から中止なんて、もう遅いからな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元ネタは黒猫虎さんの
忘年会ギルド
です。

以下、拙作の妹系異世界恋愛物語
ルーディリートの物語 月の華は蒼く咲く
エリスの物語 氷の蔦は愛に狂う
― 新着の感想 ―
[良い点] はじめまして(^^) 黒猫虎様の妹忘年会から、流れるようにこちらに辿り着き、めちゃ笑わせて貰いました!! 妹って、罪作りな存在v
[一言] 黒猫虎さんの割烹から来ました。 胸が…… 私も射抜かれましたわ(笑) 面白かったです!! とりあえず予約入れておこうかな……
[良い点] 黒猫虎さまの活動報告から参りました。 >「もうお兄ちゃんったら、レナに意地悪しないで」 これは撃ち抜かれますね。 忘年会のことで頭がいっぱいになりそうです(笑)。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ