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今日から学校と仕事、始まります。②莞

予防接種

作者: 孤独

インフルエンザの予防注射をしても、インフルエンザにかかる事はある。

予防接種は流行るインフルエンザを予防するのが目的であり、珍しいインフルエンザに掛かるとあんまり意味がない。また流行るインフルエンザの症状を少し抑えるだけ。

そう言って、苦しむは手当てもロクに出なかったとかで、予防接種を受診しない人もいる。


「じゃあ、火曜日。みんなで予防接種を受けましょうね。お注射ですよ~」


とはいえ、8割方は予防接種を受けるかな。どーあれ、保険になる。どーあれ、苦しむ度合いは減る。感染したくもない。

今泉ゲーム会社も、超ブラック企業ではあるけれど、社畜共の健康管理を意識して他の会社との合同で予防接種をうけることに。


「俺は風邪をひいた事がない。だから、しない」

「正直、気休めですよね。私はしっかりご飯を食べて、しっかり寝て、しっかり働いて、しっかり遊ぶのが健康の秘訣と思っております」

「世界を震撼させるような感染症でも起きない限り、注射なんかしたくねぇ」


男共は注射そのものが好きじゃない感じ。一方で女性達はこーいうのに敏感。手洗いなどもちゃんとする程度には綺麗な考え。


「別にあんた等が風邪ひく分にはいいの、移すんじゃないわよ」

「馬鹿はなんとやらです」

「体調悪いとあなた達のボケに対応できないんです」


というわけでもないか。

どれほどの効果なのかも、結局分からないまま冬を越えてしまうのがほとんど。



◇        ◇


そして、火曜日。

みんなで予防接種。他の会社との合同であり、男女に別れての予防接種だ。

男性達の列に並びながら、


「あー、注射とか嫌だなー」

「三矢さん。そんな強面な人が注射嫌いとか、どーするんですか?」

「うるせぇな、弓長!嫌なもんは嫌なんだよ!宮野さんは拒否OKとかずりーなって、酉さんに優遇され過ぎ」

「あの人は逆にそーいうのやらない方が良いでしょ。健康診断をロクに受けないのも、事情分かるでしょ。っていうか、優遇じゃないかと……」


注射嫌だーってゴネたい顔の三矢と、周りと違っていつもの表情でいる弓長。


「あ~、注射怖いなぁ~」

「まったくだぜっ。受けたくねぇーな」


子供みたいな言葉を吐いている、瀬戸と松代ではあったが。その言葉の本気度合いは、三矢よりも劣っている。弓長は表情から読み取って


「看護師さんに会うのが楽しみなんですか?松代さん、瀬戸くん」

「そ、そ、そんなわけないだろ。好きだったら、入院するっつーの!!」

「そうだよ!別に注射が好きってわけじゃないんだから!!看護師って良いなーって思ってるだけなんだから!」

「他社と合同なんですから、騒ぎ起こさないでくださいよ。セクハラとか、大変なんですから」

「っていうか、お前等はすぐに入院できるだろ。頭馬鹿なんだから、すぐに入院していい」

「なんだとーー!三矢!注射にビビッてやがって!!俺はな、看護師さんに自分の注射器見せて、驚かせてやるんだから!」

「間違ってもするんじゃないぞ……」


わいわいとしている。注射嫌だーって考えず、可愛い看護師に会いに行くと頭決めておけば、ちょっとやそっと不安が消えるだろう。


「接種後は多少の副作用。微熱が出るので注意してください」

「注射を打つ前に力を抜いてくださいって言われるんだよね」

「そりゃあ、腕まくる時から全身に力入るから、あなたにヌイて欲しいって言ってもらおうかな」

「松代さん。俺が頭と尻に注射してやるから、余計な事を言うんじゃないぞ」

「つまんねーな、三矢。少しはのれよ」


出番が近くなり、受付さんに署名をした申請用紙とお金を支払う。

実際に出番が近くなるとやっぱり嫌だなーって気分になる。良い感じしないしな。

だが、


「女性を見てると落ち着くね。挙動不審になれるようで、なれないなぁ」

「医療現場に女性が多いのも、そーいう心理的なモノがあるそうですよ。白い服なのも清潔を意識し、不安を和らげると言われてますね」

「こんなに並んでる男達にこれから汚されるのにか?ぶっかけられるのに、白なのか!?ぶっかけるのも白だからか!」

「注射されるのは俺達の方だぞ」


まったくといった、ため息をついてしまう三矢と弓長。

真面目な方々に謝りたいような連中だ。


「よーし、俺が一番!松代宗司です」


元気な声でカーテンで閉ざされた中に入る松代


「よろしく、松代さん」


挨拶をする担当医さんを見て、松代はカーテンを閉めて首を180度回して、三矢に確認する。


「中にいるの、男だぞ。どーいうことかな?」

「いや、さっきからそうだったろ?」

「さっさと予防注射をされてください。後ろつまってますから」

「ちょっと待って、聞いてないんだけど。ねぇねぇ、男の方は隣の女性部屋で、女性を襲って自分から放つ予防注射をするという、ご都合展開があると思うのですが」

「ないないない。ホラ、注射怖くねぇーんならさっさとしろ。待ち時間が長いの嫌なんだから」

「ちょっ、チェーーーーンジで!!失礼でも、俺!女性に注射打たれたかったーーーー!!」


直前で駄々こねる松代のせいで、5分ほど遅延。奇声も迷惑。


◇         ◇


そして、隣の部屋では女性達が予防接種。


「……ああ、恥ずかしい。松代さんの声だ」


とんでもなく、しょうもない事を叫んでいるのが分かる安西、林崎、友ちゃん、酉の女性4人。


「はい、オーケーですよー」

「ありがとうございます」


こちらは女性担当。

スムーズに進んでいく。そんな中、酉は予防接種を受ける前に


「この予防接種って、向こうで叫んでいる馬鹿共にちゃんと効きますか?」

「馬鹿にはインフルエンザも効かないので、実質セーフですね」

「じゃあ、私もきっと同じね」

「?」

「お願いします」



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