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僕だけの幻想郷  作者: 鬼怒
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第一章、何もかもが違う幻想郷 ⑦

【第七話、殺し合い】







「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」



僕は屋敷の中を走っていた。

威様ちゃんが僕に襲い掛かる前に器の力を根こそぎ吸い取った。

…案の定、威様ちゃんは倒れたがもう復活しているだろう。


出口はあるが外に逃げたら帰って危険だ。

威様ちゃんが鬼だから多分ここは鬼の里なのだろう。

もし外に出て他の鬼にでも出会ったら終わりだ。



「! くそ…そんなんありかよ」


…正直、一瞬自分の命が狙われていることを忘れてしまった。

さっきまでの少女はどこにもいなく、そこには【鬼】がいた。 

恐怖で足が震えるが関係ない。

その立ち姿は山のように誇り高く、

夜空の下で燃える炎は嵐のように激しく、

自分から空に浮かび隠れようともしない姿は、

まさに【威風堂々】。 



「…どうすればいい? 勝てるのか? 戦って。」



器の力は多分紫のを全て吸い取った力の三回分ぐらいある。

でも、ということは純粋な器の力が三倍あったということだ。

なら能力は? 素の力はどれだけあるんだ?

これは殺し合いなんだ、もちろん威様ちゃんは殺す気で来るだろう。



「…いや、弱気になるな。 考えろ。

器の力はかなりある…なら一撃。

一撃に全ての力をかけて威様ちゃんを気絶させるか戦えないようにしないといけない。」



威様ちゃんは鬼だ。 

今持つ全ての力を一回でぶつけないと倒れないだろう。

…それでもかなり勝率は低いが。



「自分の全ての力を込める一撃。 もしそれで倒れなかったら…僕は殺されるだろう。

まさに【全力必須の一撃】だな。」



もう燃えてない所を探す方が難しい。

早くやらないと。



「…よし! いくぞ! 身体強化!」


器の力が血液に混ざり体の隅々まで行き渡るのを感じる。



「さて、次だ、おい! 冗談だろ!?」


まずい! 威様ちゃんが炎をこちらに向けて放ってきた。

多分僕の力に反応したのだろう。

先ほどまでの炎じゃない! 感じる熱もより強くなってる。

…やるしかない。 多分威様ちゃんは油断している、

どのみちここで逃げても真正面から僕の攻撃が当たるわけがない。

なら今! この炎を潜り抜けるしかない!


「……」


イメージする。

一瞬で灰になると思うほど熱い炎の海の中。

ただ鬼を、殺すことが出来るものを。

…右の手のひらに力を感じる。 

力が手のひらで形を変え、信じられないほどの熱を持つ。

それはかつて鬼に家族を食われ、故郷をも無くした鍛冶師が

いつか鬼に復讐を成すためだけに残りの人生をかけて作った刀。

名を【花堂威様】

あとはこれを威様に当てるだけだ。






…分かる、分かるぞ! 鬼怒!

そこにいるんだな!? この私を殺すために!

ああ、早く、 早く来い鬼怒!

私を…



「くらえ! 威様ああああああああああああ!!!!」










































…私を殺してくれ






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