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僕だけの幻想郷  作者: 鬼怒
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第三章、ゆらりと佇む亡霊屋敷 ⑨

【第九話、感動の再会】






【20歳を過ぎれば時間の進みが早くなり、あっという間に年を取っている】

なんてことを聞いたことはあるだろうか。

僕は今、まさにその言葉通りになっている。


僕が目を覚ました今日は、妖夢と師弟の関係になってなんと【三年目の日】。

妖夢は16歳になり僕は22歳になっていた。

…………この三年間。 妖夢は本当によく着いてきてくれた。

その努力は確かに妖夢を強くさせ、成長させた。

そんな妖夢にはもう僕は必要ないだろう。

………………要するに今日は妖夢の最終試験の日なのだ。


「妖夢、今日は最終試験の日だ。

合格は僕に勝つこと。

もし僕に勝てなくても僕と妖夢の師弟関係は終わりだ。

そして反則負けなんてものはない。

使えるものは何でも使っていい。

そして幽々子から聞いていると思うが妖夢、

楼観剣ともう一つ………【白桜剣】は持ってるな?」


「はい」


「よし………なら、大丈夫だな。

分かってると思うけど、その刀も使っていいからな」


「はい。 私の全てを出すにはこの刀が必要です」


今、妖夢が持っている刀は二つある。

一つは楼観剣だが、もう一つが【白桜剣】だ。

この刀は妖夢が一年ちょっと前、僕に初めて勝負で勝った後に渡した刀で、どうやらこの刀は魂魄家の家宝らしく、幽々子から妖夢がある程度強くなったら渡してほしいと前から言われていた。

そして妖夢はあの時見事に僕を負かして見せた。

あの時に渡しておいて正解だったと思う。


………………まぁ、というのは嘘で。

やっぱり宮本武蔵とかかっこいいじゃん?

あの人、刀二つもって戦うじゃん?

……つまりはそういうこと……。



「よし、じゃあ始めよう…………妖夢」


「はい?」


「妖夢は強いよ」


「………………」



「では、この戦い! 鬼の四天王の一人! 花堂威様が開始の合図を切らせてもらう!!

……鬼怒! それに妖夢! 用意はいいか?」


「あぁ」


「はい」


「それじゃあ最終試験………始め!!!!」






「!? 妖夢!! 避けろ!!!!」


「!? い、いったい………何が……」


「なんだ! 二人ともどうしたんだ!?」



【【【俺を覚えているか? 魂魄妖夢】】】


「え?………その声…………まさか!?」


「俺は…………灯雷だよ。

お前に数年前、穴に落とされたときから、

俺はお前に復讐をすることだけを考えてきたんだ」


「そんな…………灯雷…………生きてたの?」


「今まで地獄のような場所で生きてたさ。

お前を殺すためにな!!!!!!!!」


灯雷は今の妖夢すら反応できない速度で殴りかかる。 

この場で灯雷の奇襲に反応できたのは………………



【どこの誰だか知らないが僕の弟子を殺そうとするのは見過ごせないな】


【鬼の目の前で奇襲とは度胸があるね】



………………鬼怒と威様だった。


              灯雷は受け止められた拳を引き、鬼怒達から距離を取る。

              

「てめぇら………………邪魔する気か?」


「鬼が仕切る神聖な戦いに奇襲をしたのはお前だよ。

鬼はお前みたいな奴が一番嫌いなんだ」


              威様は鬼が持つ圧倒的な力を拳に集中させていく。

              山をも崩す一撃を、今にも放ちそうな威様を鬼怒は止める。


「威様、落ち着け。 

………………灯雷って言ってたよな。

あんたの目的は何なんだ?」


「俺の目的?…………ははは………はははは!!

忘れねぇさ、それだけはよぉ!!!!

俺の目的は復讐さ………てめぇが誰かは知らんが、俺は昔魂魄妖夢に穴に落とされた。

俺だってそこで死んだと思ったさ……だが、俺は不運にも生き残っちまった。

それに穴の中には神様がいてな。

今じゃ、こんなことも出来るんだ!!!」


               灯雷から黒い炎が放たれる。

               妖夢を的確に狙ったその炎は鬼怒が器の力を使って

               起こした風によって軌道をそらされ、妖夢の後方にある

               白玉楼の壁を焼き尽くした。


「ちっ………邪魔しやがって」


「威様、妖夢を守ってくれ」


「…………分かったよ、鬼怒」


「!? 先生!!」


「妖夢!!!…………よく聞け。

こいつの目的は妖夢を殺すことだ。

なら、僕が残って妖夢を威様が守った方が安全だ。

威様、僕があいつと戦ってる内に妖夢と一緒に逃げてくれ。

………………やってくれるよな?」


「他でもない鬼怒の頼みだ………断らないよ」


「ちょ、ちょっと待ってくだ !?」


              妖夢に再び黒い炎が飛んでくる。

              その炎は逃げようとした妖夢より早く

              助けようとした鬼怒達より早く妖夢に飛んでいき、

              妖夢をドーム状の炎の檻に閉じ込めてしまった。


「「「妖夢!!!」」」


「さぁ、どうするんだ?

俺としては今すぐにでも妖夢を殺したいが、

お前達みたいな邪魔者がいるのは気に食わない。

大人しくここから去るのなら、妖夢の遺言を書く時間ぐらいはやってもいい」


「…………灯雷、あんたは恐ろしいよ」


「あ?」


「僕にはとても、同じことはできない。

君が敵に回したのは………………鬼の四天王の一人だぜ?

いいか? 灯雷…………」


【【【威様をなめるな】】】


            鬼怒はもはや神が持つ器の量と変わりないで器の力を使い、

            身体強化をかけ灯雷に殴りかかった。

            灯雷が受け止めねばならない鬼怒の拳の威力は、

            怪力乱神をも超えた一撃だった。


「!!!!!!……………て…てめぇ、何者だよ。

…………う!?…………はぁ、はぁ……くそが」


「灯雷、僕に夢中になって大事なことに気付けてないぞ?」


「!? 妖夢………」


「…………大丈夫か? 妖夢」


「はい。 心配いりません」


「どうやって抜け出しやがった!?」


「威様をなめるなって言っただろ? 

威様の炎であんたの炎を外からこじ開けたんだ。

これで三対一だな」


「き、鬼怒………」


「ははは! どうやら二対一のようだな!?」


「鬼怒………あの炎は異常だよ。

まるで自分の内側からあの黒い炎が入り込んでくるみたいだ。

絶対に………………当たっちゃだめだ」


「あぁ、分かった。

…………威様は自分の手当てをしてきてくれ。

こいつは僕たちで何とかする」


「………………うん、託したよ」


「あぁ、託された」














「妖夢、刀は錆びてないか?」


「ふふ………………はい、いつでも戦えます!」


「………………面白くなってきたなぁ」





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