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僕だけの幻想郷  作者: 鬼怒
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第一章、何もかもが違う幻想郷 ④

ついに鬼怒君と紫の修行?が始まります。

…いや、始まっちゃったの方が正しいかもしれませんね。

では、お楽しみください。

【第四話、器が広い鬼怒君】








あの後、【何故妖怪の山に家を作ったのか】で言い争ったり、紫が料理を知らないポンコツスキマ妖怪だったので僕が晩御飯を作ったり、寝ぼけた紫が僕の布団に入ってきたりしたのだが

取り合えず、無事に朝は迎えられた。 



「さぁ! 修行よ! 修行! ワクワクするわね!」


…なぜ紫がはしゃいでいると休日の公園で子供が遊ぶのを

優しく見守るお父さんみたいな目になってしまうのか。

さて、紫曰く【一週間で鬼にも勝てる!? ドキドキ!強くなるための修行!」が幕を開けた。

今日はその一日目。 といっても七日目にはクレイジーデーモンズにアタックアンドデストロイ(自分)

をしているので正確にはあと六日しかない、…。



「さてまずは鬼怒が元から持つ力が何なのか調べるわね?」


…そうだ。 今はとにかく僕が強くなるしかないんだ。

現状に絶望してる場合じゃない。



「あぁ、分かった。 どうすればいい?」



「まず海を想像して。 それからその海の底を目指すようにどんどん潜っていくの。

潜っていくときに徐々に何かを感じると思うわ。 そうしたら教えてちょうだい。 

後は私がその力がどんな力なのかを探し出すわ」



「よし。 分かった。 やってみるよ」



海か~。 そういえば元の世界じゃ行けなくて残念だったな。

おっと、いかん。 集中。 集中。


…………お? 今何か感じたな。



「あー紫。 何か感じたぞ」



「ん、分かったわ。 後は任せて。」



おおー、紫が難しい顔をしている。 やっぱりそれなりに難しいことなんだろうか? 

…そういえば紫が昨日言っていたがこの家が建っているのは鬼の里がある山の反対側らしい。

ただ、鬼だけがこの山に住んでいるわけではなく、他にも天狗や河童を始めとする多くの妖怪達が

暮らしているらしい。 


この世界では三途の川を渡らなくても地獄に行けるんだな、と冗談で紫に言ってみたんだが。 

ええ、そうね、と言われたときは寒気が止まらなかった。

おかげで昨日は夢で本当に三途の川を渡りかけた。

閻魔様への言い訳もなしに裁かれるのは勘弁してほしい。

だって閻魔様、すっごい美人だったもん。 できるだけ一緒にいたい。

……あと、どことはいわないが比べ物にならないくらい大きかった。

どことは言わないし、誰とも言わないが。



「……よし! 分かったわよ鬼怒!」


おっと夢をどうにか思い出してる内に終わったらしい。

…夢といえば僕の夢を覚えているだろうか。

それは高望みをしないことだ。 よしこい! どんな結果でも大丈夫だぞ、紫!



「…鬼怒、貴方の力は……えっと、何の力もないわね」



「…」



「あ! ち、違うの! 何の力がないというのはそういう意味じゃないの!

だから、説明するから鬼の里の方に向かうのを止めて!?」


…は! どうやら僕は無意識の内に鬼の里の方に向かっていたらしい。

でも紫も紫だ。 まさか何もないと言われるとは思わなかった。

僕じゃなかったら死んでいたぞ。 一体どう責任を取るつもりだったのだろうか。



「…それで、一体どういうことなんだ?

何の力もな……早く説明してくれ」


あぁ、危ない。 今口に出していたらきっと僕は紫に看取られて死んでいただろう。

……口に出した方がよかったかもしれない。

いや、あの閻魔様に会えるとも限らないんだ。 高望みはしないぞ。



「ええ、まず言い方が悪かったのは謝るわ。 

それで貴方の力だけど確かに今の貴方に力と呼べるものは探し出すことができなかったわ。 

でもよく聞いて鬼怒。 私はこの幻想郷ではかなり強い部類に入る妖怪なの。

その私がまだ鍛えてすらいない貴方の力を探ることなんて本当は簡単なの。」



「? つまりどういうことだ? そんな強い紫でさえ見つけられないほど僕の力がないってことか?」



「違うわよ。 鬼怒、力を持つにはその力を入れられる器が必要なの。

これは例えば、私のような妖怪や、亡霊、神でさえも一緒なの、

器が大きければ大きいほど強くなれるわ。


それで、貴方の器だけど……正直規格外としか言いようがないわ。

あれだけ探したのにまだ貴方の底が見えなかった。

要するに鬼怒、貴方は器の大きさだけなら神も凌ぐ程のでかさなのよ!」



…それからしばらく、僕の持つ器の性質を調べていた。

分かったことは、【僕の器は底が見つからなかったこと】これに紫は本当に驚いていた。

一時間程、紫は調べていたが結論は変わらなかった。


次に僕の能力についてだが、これは僕の想像通りだった。

無限にも思える器に光を吸収する能力。

これは器に溜める力を集めるのに使うのだろう。

まだ詳しい仕組みは分かっていないが初日にこれだけ分かったんだ。 上出来だろう。



そして、夜。 ちなみに晩御飯は俺がずっと作ることになった。

理由は【師匠のために弟子がご飯を作るのは当然】だそうだ。

…傍から見たら師匠と弟子じゃなくて親子だな。

紫はオムライスに旗を立てると喜ぶし。



まぁ、なんだかんだで楽しくなりそうだ。



「…ええ、そうよ。 幻想郷には人間ももちろんいるし、不老不死なんかもいるわ。

…あ、あと亡霊とかもいるわね」


ん?



「なるほど……。 え? 亡霊? 幻想郷って幽霊いるの?」



「いるわよ? さっき私の妖力をあげたから多分見えるんじゃないかしら。」


ん?、ん?…。んーーー、ん?


「ほら、ちょうど貴方の後ろに」



「…」



あぁ、ダメなやつ。 

首がないのは笑えないよ。







*一応書いておきますが本作はチート系ではありません。

なので鬼怒君が四つの勢力を無双することはありませんし

鬼怒君の悪運が尽きることもありません。

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