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僕だけの幻想郷  作者: 鬼怒
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第二章、訪れるは孤独な地底世界 ⑤

【第五話、鬼怒君 二度目の覚悟】







僕は今、地霊殿の中にいる。

地霊殿の中は豪華で装飾がされてる窓なんて初めてみた、

それで、この子だ。 見た目は萃香ぐらいの歳にみえるが、

体に巻き付くひもや目玉が気になる、

僕は目玉にいい思い出がないんだよなぁ。



「…鬼怒! ここが私の部屋だよ、さぁはいって!」



「あー、分かった。 お邪魔します」


まぁ、慣れない地底に来たんだ、 

そろそろ休みたい。


部屋は少し広いが左にベッドがあって、

右に机と椅子がある。

…でも、個人的に女の子の部屋ってもっと可愛らしいものかと思ってたが

必要以上のものは置いてない感じだ。



「今お茶入れるね!そこの椅子に座ってて」



「ああ、ありがとう」


いやーまだまだ若い年齢だけど流石に今日は疲れた。

考えてみれば、幻想郷に来てからの方が危険は多いけど

充実してるんだよなぁ。

人生を生きるのは難しいもんだ。



「はい、鬼怒 おまたせ!」


「ん、おいしいよ。

ところで君の名前はなんていうのかな?」



「えー さっき言ったじゃん! 古明地こいしだよ!」



「…あーそうだったな。ごめん、こいし」


…いやいや今日は疲れてるだけだ。

流石に19歳で忘れっぽいのはいたただけない。



「もう! …ねぇ鬼怒、なんで鬼怒は私に気づけたの?」



「え? んー」



「…実はね、私は【無意識を操る能力】なの。

だからほんとは誰にも気づいてもらえないはずなの。

でも、鬼怒は私と話せるし、私を認識できる。

…どうして?」



「…あー多分それはこいしの器の力を僕が吸ったからじゃないかな?」



「器の力を吸う? そんなことできるの?」



「僕も最初はこいしが見えなかった。

でも僕の【光を吸収する能力】で器の力を吸ったらこいしが現れたから

多分合ってると思う…理屈は僕もよく分からないけどね」



「…。 あ、そういえばなんで鬼怒はあそこで待ってたの?」



「地霊殿にいるさとり妖怪に話があってそれできたんだ。

でも最初に、会えないって言われてね。

そこをなんとかって言ったら少し待っててって言われて待ってたんだよ」



「ふーん、ということは多分お姉ちゃんに話があるんだよね?」



「まぁ、多分こいしのお姉ちゃんが地底を管理しているなら合ってるよ」



「それは追い返されるだろうね。

お姉ちゃんはね、人間を憎んでるんだよ。

…昔のことでね」


こいしは悲しいような、怒ってるような、無気力のような、

詳しく言い表せない顔をしてる。

…僕は多分失礼な奴なんだろう、

でも、今は少しでも情報が欲しい。



「……こいし。 もし話せるなら、

昔何があったのか教えてくれないか?」


こいしの表情が一瞬にして無表情に変わる。

でも、僕も後戻りはできない。



「…それを聞いて鬼怒はどうするの?

…分からないの? 私が思い出したくないことも、

私だって人間を憎んでいないわけじゃないことも」



「なら何故、最初僕に攻撃をしなかったんだ?」


「…」



「僕は見えなくてもこいしの気配には気づいてたよ。

それにこいしだって僕が人間だと最初から分かってたはずだ。

でもこいしは攻撃してこなかった。

もし僕が最後まで気づかなくてもこいしは攻撃しなかったと思うよ、

それぐらい殺意や敵意は感じなかった」



「…そんなの気まぐれだよ」



「気まぐれで人間と話したり、部屋に招いたりするのか?

なら、こいしの人間を憎む気持ちはその程度ってことだよ」




「…鬼怒!!」


こいしが殴りかかってくる、

でも、ごめんこいし。 

僕は君が一体どれだけの思いをしてきたのか分からない。

…だからこいしが話してくれるまでは殴られるわけにいかないんだ。



「な! 鬼怒…人間なのにどうして躱せるの」


僕は鬼と二回戦って一つは勝って、一つは引き分けてる。

鬼に比べればこいしのパンチは遅すぎる。


…まぁ、もちろん。 身体強化をかけてはいるけどね。



「…」



「こいし、頼む。 決して僕はこいしに辛い思いをさせたいわけじゃない。

でも、ここで話してくれたら僕は…

あー、その……嬉しいよ?」



「……ふふ、なにそれ。 いうに事欠いて嬉しいって…ふふふふ」


「…」


あーやばい。 めっっっちゃ恥ずかしい。

あそこは嬉しいよ、じゃなくて【こいしに恋しちゃいそう】って

ウケを狙うべきだったか?



「…そうだね。 鬼怒の言う通り、私には昔のことはその程度なのかもしれない。

……鬼怒、聞いてくれる?」



「ああ、聞かせてくれ」


こいしはそういっているが顔はまだ辛そうな顔をしている。

だから僕は必ずまだ会ったことのないさとり妖怪のことを、

救ってみせるとこの時改めて覚悟した。





…たとえ僕の命と引き換えても。





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