第二章、訪れるは孤独な地底世界 ④
【第四話、鬼怒君 潜入中!】
あの後、パルスィは橋の案内と一緒に地霊殿への行き方を教えてくれた。
パルスィが言うには地霊殿は旧都に入る門から真っ直ぐ行ったところにあり、
見た目は白い西洋の屋敷みたいな感じらしい。
ただ、橋から旧都に向かうとき、さとり妖怪には気を付けてと念を押された。
…やはり闘いは避けられないのだろうか。
「僕はできれば闘いはしたくないんだけどなぁ。
…お、これが旧都の門か」
門をくぐり旧都に入る。
旧都は妖怪でにぎわっていて飲み屋や飲食店などが並んでいる。
「おおー。 意外とにぎわってるんだな。
何か食べていきたいがここで食べたら、
五日後僕が食べられてしまうかもしれないからな。 はは!
…さて地霊殿に向かうかな」
門から真っ直ぐ道に従って進む。
…なんだろう、なにか視線を感じる気がする。
まぁ、気のせいだろう。
「お、あれが地霊殿か」
旧都より少し高いところに白い建物がある。
多分あれが地霊殿なのだろう。
地霊殿についた。
でもインターホンがない、これは困った。
「…さて、あー 誰かいるかー!」
「…おーい! 誰もいないのか?」
「そんなに何回も大声出さなくても聞こえてるよ…」
おおーなんか赤い髪の黒い女の子が出てきた。
「あーそれは悪かった」
「いや、気にしなくていいよ。
私も出るのが遅れたしね、それで何の用だい?」
「ああ、地霊殿にいるさとり妖怪と話がしたいんだ」
「…話ねぇ… 見たところあんた人間だろ?」
「? そうだけど」
「なら、やめた方がいいね、
君がさとり様と話がしたくてもさとり様は人間を憎んでるんだ。
穏やかに済むはずがない、だから帰ってくれ」
「…悪いがそういうわけにもいかないんだ。
僕の友達二人と約束したことがあるからね」
「…じゃあ、さとり様に話してはあげよう。
だけどもしダメだったら大人しく帰ってくれ、いいな?」
「ああ、分かった」
「…少し待っていてくれ」
…そういえば、名前聞き忘れたな。
…おかしい。
さっきの女の子が中に入っていって5分くらいだろうか。
僕は地霊殿の壁にもたれかかって待っているんだが、
少し前から正面にかすかだが器の力を感じる。
でも前には何もいないのだから不思議だ。
…少し吸ってみるか。
「!? な、何!?」
「うわぁ!! びっくりした!
…誰だ?君は」
「え!? お兄さん、私が見えるの!?」
「? 見えるよ?」
「じゃ、じゃあ私の特徴を言ってみて!」
「んー、まず何か変なひもが体に巻き付いてて、
それに胸のあたりにひもと繋がってる目があるな。
あとは帽子をかぶってる、これくらいでいいかな?」
「…うん! 本当に私が見えてるんだね!
…ねぇねぇ! お兄さんの名前はなんていうの?」
「名前は鬼怒だ。 普通の人間だよ」
「私は【古明地こいし」っていうの!
ねぇ、鬼怒 今から私の部屋に来て!」
「え? でも僕、今待ち合わせしてるんだけど」
「誰としてるの?」
「あー、名前は分からないけど、地霊殿の人だよ」
「なら大丈夫! 私がなんとかするから、さぁ、早く!」
「お、おい! 大丈夫なのか?」
…まぁ、地霊殿に入れるなら途中でさっきの子に会えるだろうし、
さとり妖怪にも会えるかもしれないからついていくことにするか。




