表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

-翼妖異の疵釁の翼-

作者: -Sare-

 どうも今日は。うーん、年末年始って本当忙しいですよね。御蔭で余りと言うか全く小説が進んでいません。

 むむ・・・。世界の神話や、幻獣図鑑、目を通したいんですけどね。此は時間掛かりそうです。

 さて、其は置いといて、今回はハルピュイアさんです。

 上半身が人間で翼を含む下半身が鳥。醜く、貪欲で、汚物を撒き散らすと言う正に迷惑しか掛けない悪魔的な鳥です。ゲームとかでも良く下級のモンスターとして出て来ますよね。

 でも何か筆者、此の子には愛着があって、可愛いんですよね。名前もハルピュイアやハーピーって、春とかハッピーを連想しちゃって可愛らしいです。だから先の悪事も、一寸質の悪い徒の様な気がして、態と芥をばら撒いて、怒らせつつも、片付けている様を少し離れてじっと見ていてくれるみたいな。何となーくな可愛さを感じます。

 そんなハルピュイアさんですが、だからなのか何なのか、今回は割とHappy End。

 醜いと語られるハルピュイアですが、其の翼がどんな彩なのか御存知ですか。


 とある渓谷(ケイコク)()翼妖異(ハルピュイア)には(ツネ)()()大鷲(オオワシ)()

 大鷲(オオワシ)翼妖異(ハルピュイア)(ツヤ)やかな(ツバサ)を、翼妖異(ハルピュイア)大鷲(オオワシ)勇敢(ユウカン)さに(コイ)をした

 二羽(ニワ)(ツネ)(トナリ)()()って()んでいた

 ()渓谷(ケイコク)()くには(チイ)さな(ムラ)があった

 凱風(カゼ)(ツヨ)()()()(モノ)(ミンナ)弓矢(ユミヤ)(タズサ)え、(トリ)()らえて()きていた


 ()()二羽(ニワ)渓谷(ケイコク)隙間(スキマ)()っていると其処(ソコ)(トオ)()かった(オトコ)翼妖異(ハルピュイア)(ミニク)さに(オソ)れをなし、()(サマ)()(ハナ)った

 翼妖異(ハルピュイア)()(サマ)大鷲(オオワシ)(マモ)ろうと(ツバサ)(ヒロ)げた

 だが大鷲(オオワシ)(ソレ)(クグ)()けてしまい、()(ムネ)()けて絶命(ゼツメイ)した

 (ナゲ)きの(サエズ)りを()げて翼妖異(ハルピュイア)(オトコ)()()かり、()心臓(シンゾウ)(ツイバ)んだ

 もっと(ツバサ)(オオ)きければ屹度(キット)(トド)いたのに

 (タオ)れ、(ウゴ)かなくなった(オトコ)()()め、翼妖異(ハルピュイア)(オトコ)衣服(イフク)()()り、()らえていた(トリ)羽根(ハネ)(ムシ)った

 そして(ソレ)()(オノレ)(ツバサ)()()けた

 一回(ヒトマワ)りは(オオ)きくなった翼妖異(ハルピュイア)(ツバサ)

 でも(コレ)では()()()りない

 もう大鷲(オオワシ)(モド)らないと()うのに、(ウシナ)った(ココロ)隙間(スキマ)()(ヨウ)翼妖異(ハルピュイア)(ツバサ)(オオ)きくする(コト)次第(シダイ)執着(シュウチャク)して()った


 (ソレ)から翼妖異(ハルピュイア)屡々(シバシバ)(ムラ)(オトズ)れ、(ヒト)(オソ)っては()衣服(イフク)羽根(ハネ)(カザ)りを(イノチ)(トモ)(ウバ)って()った

 村人(ムラビト)翼妖異(ハルピュイア)警戒(ケイカイ)する(ヨウ)になり、翼妖異(ハルピュイア)()らえようと何度(ナンド)(ユミ)()いた

 だが翼妖異(ハルピュイア)(タク)みな(ツバサ)使(ツカ)いと(スルド)動体(ドウタイ)視力(シリョク)により中々(ナカナカ)()らえる(コト)出来(デキ)なかった

 次第(シダイ)翼妖異(ハルピュイア)(ツバサ)()()ぎだらけのちぐはぐな大翼(タイヨク)となって()った

 (アマ)りの(オモ)さに蹌踉(ヨロ)めく(コト)もあったが、(ソレ)でも翼妖異(ハルピュイア)(モト)(ツヅ)けた

 (カレ)を、大鷲(オオワシ)(マモ)れる(ツバサ)


 ()()翼妖異(ハルピュイア)がとある母子(ハハコ)(オビ)(ネラ)って(オソ)うと、(ハハ)()(カバ)った

 だが()()隙間(スキマ)()って(ハハ)(マエ)()ちはだかった

 ()(タメ)翼妖異(ハルピュイア)(スルド)(クチバシ)深々(フカブカ)()()さり、()(イノチ)()とした

 (オビ)(ウバ)った翼妖異(ハルピュイア)()(マエ)(ハハ)()亡骸(ナキガラ)()いて()(クズ)れた

 翼妖異(ハルピュイア)()光景(コウケイ)()れず()大鷲(オオワシ)(カサ)ねた


 (アア)、やっと()かった

 ()(トキ)(ワタシ)(ツバサ)()りなかったのではなく、大鷲(オオワシ)(ワタシ)(カバ)ったのだ

 そして(カレ)(アマ)りにも勇敢(ユウカン)だった、()(オソ)れぬ(ホド)

 そんな(カレ)()めてくれたのは(ワタシ)()(ツバサ)だったのだ

 翼妖異(ハルピュイア)(マト)っていた(イツワ)りの(ツバサ)()いて()てた

 姿(スガタ)(アラワ)したのは此迄(コレマデ)日々(ヒビ)傷付(キズツ)き、羽根(ハネ)()()ちてみすぼらしくなった(オノレ)(ツバサ)

 そんな翼妖異(ハルピュイア)一本(イッポン)()(ハナ)たれた

 身軽(ミガル)になった翼妖異(ハルピュイア)には(ソレ)(カワ)(コト)(ナド)造作(ゾウサ)もない

 だが翼妖異(ハルピュイア)()えて(ソレ)(ミズカ)らの(ムネ)()けた

 翼妖異(ハルピュイア)(カラダ)()(スベ)もなく渓谷(ケイコク)()()んだ


 もう(ツバサ)(シビ)れて(ウゴ)かない

 でも()かっている

 もう()()(カラダ)凱風(カゼ)(ヨウ)(カル)くなって()(ソラ)()い、羽搏(ハバタ)くだろう

 大鷲(オオワシ)(アイ)した()(ツバサ)

 ()うすれば屹度(キット)(カレ)()(ソラ)彼方(カナタ)から(ワタシ)見付(ミツ)けてくれる(ハズ)

 (ウス)()みを(タタ)えた(ママ)翼妖異(ハルピュイア)(ヒトミ)()じるのだった


  -Fin-


 ね、Happy Endでしょ?え、人間からしたら堪った物じゃないって?もっと早く気付いたらあの子は死ななかったんじゃないかって?あ、いや、子供嫌いなんで別に・・・冗談です。ま、あの子は命を張ってハルピュイアに気付かせてくれたんだから十分ですよ、うん。

後つい発動しますね。恋人(人じゃないけれど)は死んじゃう法則。取り敢えず誰か身近な人が死ねば悲しい物語の出来上がりです。今回のシリーズは割と然う言ったパートナー系に集中してみました。

 ・・・割と今回の話は筆者的に気に入っています。実は村で死んだ者は渓谷に捨てられると言う背景も考えていたんですが、だからハルピュイアは谷底で今も死肉を食らっていると。でも然う考えるとラストの落下シーン、絶対凱風に乗って腐乱臭が漂い、臭かっただろうな、と。其はムードとして如何よ、と言う事で却下にしました。只此の設定は何処かで使うかも知れませんね。

 死は「過程」であって「結論」じゃない。そんな話が好きなので今後も其の方面で行きたい物です。今はユグドラシルでの場面場面にでも焦点を当ててみると良いかも、と思ってたり。又間が空きますけれど、忘れた頃に書けたらなと思います。

 では良い物語を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ