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純愛過激派君はサキュバスなんかに負けない!  作者: 心我 湧立


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15 少年は即決する

 サキュバスの名前は、『親の名前に一部を含んだ名前』・『特殊名』・『祖となったサキュバスの名前』で全名となるらしい。


 ププは、『ヴェラカプの娘』で『プレーカプ・ルクロトル』。


『ルクロトル』というサキュバスを源とする、『ヴェラカプ』の名の一部を含んだ、『プレーカプ』と言うわけだ。


 アルは、『メルセリアの娘』で『アルセリア・メル・メードレル』。


『メードレル』というサキュバスを源とする、『メル(女王)』の名を持つ、『メルセリア』の名の一部を含んだ、『アルセリア』というわけだ。





「…………で、ボクはなんだって?」


「アンタは、アタシのママの双子の姉である『マルセリア』の()、メードレルを源とするから、『マナセリア・メル・メードレル』よ」


「…………勝手に名前伸ばさないでくれるかな、ボクはマナなんだけど」


「ああ、マナ、なんて素晴らしいことだ…………姉さまが生きてたんだ」


 ええと、情報を整理しよう。メイドはアルと同じ血筋のサキュバス、ボクはその子ども。おやおや、もう訳分からないぞ…………


 クラークを全力なでなでしながら、どうにか気を落ち着かせていると、アルはププとキスしていた。どくん、どくんと、髪が燃えるように色づき、見るからにその姿が圧力を増していく。


「…………アル、なんで精気吸ってるの?」


「ぷはっ、姉さんを迎えにいくからよ!」


「迎えにって──」


「王宮ってところにいるんでしょ、アタシが迎えに行く」


「ちょっと待て!」


 窓から出ていこうとする彼女を、ふらふらしたププが止める。


「待つんだ姫!王都がどこにあるか分かってるのか」


「……………………マナ、アンタのママを迎えに行くわ、着いてきなさい」


「ボク分からないよ」


「オレは分かるぞ」


「なら、ええと、クラークス! アンタが来なさい!」


 アルは明らかに気が急いている、が…………好都合かもしれない。


「クラークは、どのみち王都に帰るよね」


「え、ああ、兄上を見つけられなかったと、言いに行かないといけないからな」


「…………なら、ボクとアルを連れていってくれないかな?」


「王都にか? 兄上、それは…………」


「頼む、クラーク…………メイ、……母さんと、しっかり話したいんだ」


「無茶だ、兄上であるだけで捕まるのに、今の兄上は魔族の姿なんだぞ」


「それなら心配ないわ」


 そういったのは、茶色の髪の女だった。


「…………アルセリア?」


「サキュバスなら、肉体変化くらい簡単よ、角さえ隠せばまずバレない、髪と目の色を変えれば絶対にね」


「それ、ボクにも出来る?」


「道中に教えるわ、ほら、吸って」


 突き出されたププを掴み、ボクも精気をがぶがぶと吸う。ゆっくりと自分の身体が成長するような感覚、いや、実際に身長はぐんぐんと伸びている。


「ごちそうさまっ」


 ププを離す、彼女が目を回して座り込んだのを横目に背伸びをする。


「…………なんかまた大きくなってるな」


「精気を吸うとその姿になれるみたいね、じゃあ行くわよ!」


「クラーク、頼む」


 クラークは黒い鎧を着て、隅に置いていた六本の剣を腰に差した。その内の4本を聖剣化し、窓の外へと飛ばし待機させた。


「ププ、言い訳よろしくね!」


 クラークスが聖剣に掴まり、その身体にボクがしがみつき、その上からアルが重なる。


「ああ、姉さまを連れてかえってくれ!」







 精気をほとんど吸われ、アルとマナの唾液による二重の効果で若干トリップ気味な白衣の彼女、プレーカプは開いたままの窓を見ながら、白濁とした自作の精力剤をゆっくり飲んでいた。


「アル!アル!」


 大きな声がして、部屋に近づいてくる誰かの気配に、ププは慌てて窓を閉めた。


「アル────────あれ、ププちゃん?」


女王(クイーン)、姫は今、街に出ています」


 ププがそう言うと、彼女…………アルセリアの母、メルセリアは肩を落とした。


「急用でしたか、ならば代わりにワタシが」

「いえ、そうじゃないの…………」


 メルセリアの顔は珍しく紅潮していた、普段は落ち着いて、吐息混じりの話し方をしている彼女が、ここまで嬉しそうなのを、ププは見たことがなかった。


「ププちゃん、前に話した、私の双子の姉のこと覚えてる?」


「は、はい…………マルセリア姉さまですね」


「そう!お姉ちゃんが生きてたの!もうすぐこの家に帰ってくるの!!」


「……………………え?」


 ププの顔がみるみるうちに真っ白になっていくが、メルセリアはそれに気づいていない。


「十七年…………十七年ぶりに、魔王軍経由で連絡が来たの…………ああ、生きてた、()()()()で死んじゃったって諦めてた…………早くアルにも、貴女にも、みんなにも会わせてあげたい、私の自慢の大好きなお姉ちゃん……………………!!」


 キラキラと輝く目のメルセリアは、ププの反応の薄さに、年甲斐もなくはしゃぎ過ぎたと少し冷静になり、ププの顔が気絶寸前の様子になっていることにやっと気づいた。


「ププちゃん、大丈夫? 精気足りてない?」


女王(クイーン)、姫は先ほど、マルセリア姉さまを迎えに、角無しの大陸へ向かいました」


「…………………………………………ん?」


「姫と一緒に、マルセリア姉さまと勇者との間に産まれたマナというサキュバス、勇者の子である角無しのクラークスロットも同行しています」


「……………………………………………………………………………………んん?」



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