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VRMMOでお酒が飲みたい!性別不定の酒探索〜どうしてここにはお酒がないんですか!?〜  作者: 猫又
増える住人濃くなるメンバー

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094. 餌付けの成果

 ツェチィーリアからアマヌスの住み込み相談を受けました。

 いや、アマヌス本人からじゃないのかよとか、システムアナウンスでも住み込み解禁ってお知らせ受けたなとか、ツェチィーリアとアマヌスいつのまにそんなに仲良くなったの? とか、そらもう色々と言いたいことも聞きたいこともある。


 あるがしかし。


「住む家自分で作るならまあ、いいよ」


 今はツェチィーリアの後ろの木陰にひっそりと佇み、顔を横向けに出しつつ半分以上が髪で隠れているのに目だけはっきりと見える、まるでホラーゲームのようなアマヌスを人類に戻すほうが先である。

 普通に怖い。


「ほんとに……?」

「ヒッ」


 気づいてなかったステッラの短い悲鳴をSEにして、ゆったりと顔から体半分まで表出させたアマヌス。振り返ったツェチィーリアがあらあらまあまあと片手を頬に当てるのに、ホラー耐性あるんだなと感想を抱く。


「ここで嘘言ってどうするんだ。いいよ。自分の家くらい作れるでしょ? 材料もそこら辺から切っていいから」

「私はあくまで神級構築士なのでぇ! ありがたく材料は使わせてもらいたいですが、我が契約者、いつものように伐採まではお願いしたく……っ」

「あー、そうだった」


 嘘ではないとわかった途端、ホラー風味を霧散させた彼女からお願いが飛んでくる。まあ、背筋が寒くなるような空気はなくなったので目的は達成できたとしよう。


「それでしたら、我が愚兄がお手伝いできますわ」

「ぴえっ」


 更に別の場所からかけられた声にアマヌスが鳴いた。慌てるようにツェチィーリアの背中に姿を隠そうとするが、全然隠れられていない。


 私達が歩いてきた草原からの道とは逆側、森の奥の道から姿を表したのはシェルテット。バインダーのような平たい木片を片手に抱え、羽根ペンでなにかを書きつけている様は一端の管理官だ。ちょっと鞭とか似合いそう、と、思ったのが察知されたのかこちらを向いた彼女の瞳が細められた。


「丁度良かった。作業一段落したら、こっちのステッラと一緒に学院まで行ってくれない? ステッラが管理系契約パートナー探してて」

「……まあ、いいでしょう。ネネ様お久しぶりです。そちらの方は初めてですね? シェルテットと申します。どうぞよしなに」

「ステッラよ。こちらこそよろしく。面倒をかけるわね」


 見逃された! ヨシ!

 小さくガッツポーズを取ったらツェチィーリアの後ろから顔を出しているアマヌスと目があった。なにか訴えられているが流石に何でもかんでも解りません。


「貴女」

「ぴっ」


 ……アマヌス、シェルテット苦手なんだ? だがツェチィーリアには懐いている。やっぱあれか? 圧と包容力の違い?


「こちらに住むのでしょう? 基本的には問題ないと思いますが、食事などどうなさるおつもり?」

「え……」


 いやこっち見られても。

 でもまあ、シェルテットの言わんとすることは何となく分かる。箱庭、それなりに整ってきたとはいえ、鑑賞の側面が強い。イコール、生活するには圧倒的に食物が足りない!

 まあ、外に買いに出ればいいんだけども、住み込みってことは帰るのと来るのが同じ場所になるわけで。そうなるとクラヴィンってどうなるんだ? あれは確か、本人と場所が登録されてるはず。どこからでも出入り自由な扉とはまた違うもんな。


「えっと……外に……」

「居住地登録がここになるでしょう? 扉もないのにどうやっていくおつもり?」

「す、ステラさんのぉ……!」

「まあ、確かにオストゥムなら可能ですわね。登録に空きがあればですけど。ちなみに確認したところ空きは無いそうよ」

「契約者ぁ……」


 泣きそうな、っていうかちょっと泣いてるアマヌスからの呼びかけとともに、システムウィンドウが開く。これ一回体験したことがある。パートナークエストだ!


---

< 箱庭特殊クエスト >

【 食を求めて三千里 】

住人を迎え入れる準備のため、食物を用意しよう


 食物ポイント 13/100

 ・メインの穀物 0

 ・食肉獣 0

 ・食用魚 0

 ・野菜 1

 ・果物 1

 ・その他 3

---


 パートナークエストやないんかい!!

 ちょっと裏切られた気持ちになりつつ、アマヌスになんとかしてみるからと返答する。


 軽く確認した感じ、この食物ポイントを上げていけばいいようだ。多少あるのはログハウスの庭で育ててる香草類と、森に植樹したいくつかの木々に、実のなるものがあったためだろう。

 動物も魚も迎え入れては居ないので、そこらがゼロなのは頷ける。

 ……そうだね。ほんとに食せるものが少ないね。


「では、わたくしは学院までご案内してきますわ。お姉様、お兄様に事情を説明するのはお任せしてよろしい?」

「いいわよ。気をつけてね」

「もう、子どもじゃないんですから」


 気を付けてという言葉だけでなく、頭を撫でられたシェルテットが軽く頬を膨らませている。こうしてみるとただの妹なんだよなあとは思うが、通常はこんな素直ではないので対兄妹モードなんだろう。……いや? 結構ダルに関しては扱い雑だったな? ツェチィーリアだからこそかもしれない。対人に難があるアマヌスも手なづけてるし。


 ステッラはシェルテットとともに学院へ。ネネも新しい素材っていうことで、ツェチィーリアからベスティスレリントゥを保有している別の契約パートナー候補を紹介してもらっていた。

 うちから素材提供するよ、とは言ったものの、育て方で色々と手触りが変わるなら自分のところでも試したいらしい。それとは別に貰えるものは貰うと言われたが。まあ、装備を作ってもらいっぱなしだからね。素材くらいはご提供したい。半分以上ネネの趣味だから、通常の取引状態とは違うのは解ってるけども。


「ホップはこのあと食材探し?」

「そうだなあ。とりあえずモルトにあたるかな」

「ああ、動物王国」

「……いや、食肉にするのはちょっと、どうなんだろう」

「雉も鳴かずば撃たれまい」

「それは用法が違うかなー?」


 学院まで送り届けたあとネネと雑談しながらフレンドのログイン確認。

 いつものメンバーでは二人以外でモルトしかインしていなかったので、とりあえず情報聞こうと思った次第。掲示板をさらってもいいが、欲しい情報までに雑多なものが目に入ってそっち気になる確率が高いんだよな。


 ネネは食べ物より裁縫や染色素材だし、ステッラは自分の箱庭を倉庫扱いにしていて植生はまだ手を入れていない。レラがいればよかったんだけど、学生さんは学業の時間です。

 消去法でモルトになった……のと、そろそろ灰雪さんが恋しく。いや、もふもふのために行くんじゃないからね? リモをもふもふしてれば一応もふもふ成分摂取はできてるからね?


 そんなリモは本日は右肩の上でお休み中です。たまに毛が首にあたってくすぐったい。最近起きてるほうが珍しくなってるんだけど、体調とか大丈夫なんだろうか……。パーティメンバーにして確認する限りではデバフも体力が減ってるとかもないんだが。


 このゲーム、医者自体はあるようだが、今は渡り人の治癒能力のほうがところによっては高かったりする。住人はスキルと民間療法を足したような医療で、スキルのない場合は薬師、スキルが有れば医者、みたいな感じ。


 基本、大神の保護によって、怪我も病気もしにくいようだし、もしも生命を損なうようなことがあっても、渡り人のように復活は出来るらしい。時間はかかるそうだが。

 なので、医療が発達する必要がないんだな。崩落以前がどうなっていたのかは不明だけども、一通りの器具はあるそうなので、それなりにちゃんとしてたんだろうな。今はそもそも扱える住人が居ないっぽいけど。


 そんな思索にふけりつつ、チャットでモルトに連絡を入れれば、しばらくして本人が来た。

 いやまって? 場所は告げなかったのにどうして?

 びっくりしている横でネネがサムズアップしている。お前か!!



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