表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOでお酒が飲みたい!性別不定の酒探索〜どうしてここにはお酒がないんですか!?〜  作者: 猫又
増える住人濃くなるメンバー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/133

088. 華やかにガチ

 リーナが土魔法で釜を生成するのを横目にスコーンを作っていく。

 ちゃんと水魔法で手は洗いましょうね。菌知識なんてものがあるのでお腹を下すバッドステータスもありそうである。


「食あたりって起きる?」

「作りながら聞くことじゃないわね。あるらしいわよ。最大体力値の一定時間の低下とMPへの継続ダメージじゃなかったかしら」

「食あたりの際は薬師ギルドをご利用ください」

「これが……マッチポンプ……!」


 じゃれ合いながらも手は止まらず、ベースの粉を作りサイコロに刻んだバターを放りこむ。カードがないのでここは風魔法で代用。マールムを砕くときにも活躍したジューサーもどきでフードプロセッサのようにかき混ぜる。おー、溶ける前にぽろぽろになるから楽でいいな!


「あ、お酢。お酢あるんじゃないか?」

「……ない」

「私あるわよ。ライムベースだけど」

「やっぱアイテムボックス便利だな」


 ステッラから差し出されたライム酢をネネの用意していた牛乳、アイテム名としてはワッカ乳に入れまして。軽く混ぜるとすぐにとろみがついたので、それを粉の中にドーン!

 リアルだと十五分くらい放置しないとこうはならないんだが、ゲームなのを感じるね。

 んでもってここからは素手である。カードがないからね! 代用品作ってもいいけど汚れても時間経過で綺麗になるから素手でいい。


「相変わらず手際良いわねぇ」

「釜の用意終わった?」

「ええ、バッチリ。熱し始めてるから気にしないでいいわ」

「ちなみに使ったことは……」

「いやだ、あるわけないでしょ」


 本番一発勝負で釜に整形できるの、流石。焼き加減は見ながら適当にやるかー。品質を突き詰めるのは自分の箱庭でやればいいや。


 こねないように混ぜて粉とワッカ乳が馴染んだら、まとめて圧縮。さて本来ならここで寝かせが入るんだが……生地の感じ的に大丈夫そうな気もする。調理スキルが上がったらここらへんもわかるようになるんだろうか。29レベで足踏みしてるんだけどそろそろ二次スキル解放されませんかね。


 まあいいや。大丈夫そうだし整形しちゃお。

 麺棒はないのでウィンドをあーしてこーして圧縮した風の塊として押し付ける。うむ。きれいな平面。次いでウィンドカッターを……いや円に切るの難しいな? 小細工せずに四角にしよう。しかく。端切れも出ないし!


 で、ネネが用意してくれてた鉄板的なものに乗せて、残ってたワッカ乳を表面に塗って、釜にイン!!


「結構熱い」

「そうなのよねぇ。奥見てみなさいよ。さっき燃やした木が炭になってるわ」

「炭焼小屋が……作れる……!?」

「炭染め職人がアップ始めたぞおい」

「ちょっとちゃんと壊してよ? この景観に不似合いなんだから」

「場所用意する」


 キリッとした顔で宣言を上げたネネは置いといて、釜に入れたスコーンを観察していく。流石に私も釜で焼いた経験はありません。膨らんでこんがり焼色がついたら取り出すかなー。一個割ってみて大丈夫そうなら完成ってことで。

 見守るうちにも早回しのようにスコーンは膨らんでいくので、ここもゲーム仕様かとちょっと安心。オーブンなら放ったらかしでもお知らせしてくれるけど、釜は目が離せないのでな……。

 ちなみにこの釜、土魔法製なんだけどレンガ造りになるんだろうか。レンガ単体も需要はありそうだけども。


 それほど時間が経たずして、いい感じになったので一つ取り出す。ぱくんと割れば、中は生焼けでもなく頃合いだった。


「できたぞー」

「スタンド出すわ」


 そんなものまで用意しているのかと思いつつ、出された二段のアフタヌーンティーにぴったりなスタンドに熱々のスコーンを並べる。おっと鑑定鑑定。


[ 料理 ] シンプルスコーン(ティースタンド仕様)【レア度:C 品質:C+】

 外はカリッと中ふっくら。どうぞその手で割り切って。


 <アークにて初めて生成されました。ネクソムと照合……該当なし。レシピを世界に定着させますか?>


 うむ、出たね。定着っと。

 調理スキルカンストのお知らせもきたので、忘れないうちに二次スキルの取得もしまして。

 どうやらスコーンの完成判定は並べ終えたらだった模様。普通なら皿ごと出てくるんだけど、スタンドがあるんで忖度されたらしい。自由か。


----

【調理法】Lv.1

基本の調理方法を使いこなせるようになった。今後も精進あるのみ。

さらに経験を積み感覚を身体に馴染ませよう。


<< アーツ >>

目分量:正確な秤がなくともピッタリの量を投入できる。食材・調味料限定。

----


 目分量……常に目分量でやってるからなあ。そんなに使わないかも。

 まあ、アーツのすべてが自分にとって便利とは限らないし、普段から料理しない人にはすこぶる便利だと思うからいいんだろう。

 ……ステッラは、目分量とかそれ以前の問題だが。


「きゃー!素敵!」

「いいね、美味しそう」

「赤茶淹れるわねー」

「ジャム……いっぱい用意した……」

「ねぇホップ、クロテッドクリームって作れないの?」


 出来上がったと見るや群がる女子……女子? 半分は男子なんだけど、見た目は全員女子、ではないやリトは男装の麗人だ。いや麗人は女子枠でよい? まあかくいう自分もここでは未分化だから見た目に拘るのは料理位にしよう。


「生クリームから作れるけど、細かいやり方知らないや。油脂分離させたら良いんだと思うから、リト出来ない?」

「そもそも生クリームもないよ。うーん、ワッカ乳って生乳の扱い? 分離まではいけるけど均質化がまだアーツに出てきてないなー」

「分離だけじゃだめかしら」

「多分すごく口当たりざらつく。バターとワッカ乳で擬似クロテッドにしたほうが美味しいと思うな」

「ホップ!」

「作るけど混ぜるだけならリーナがやっても良くない?」


 作るけど。

 やっぱりスコーンにはクロテッドよぉなんて力説している集団から少し離れて、残っていたバターとワッカ乳をゆるく温めて滑らかに。この釜、距離で温度調整できていいな。突っ込まなくても周りに置くだけで湯煎の代わりになるや。


[ 調味料 ] ラックブティウム【レア度:C 品質:D】

 ワッカ乳とバターの混合物。コクを出したいならこれを使えばワンランク上の味に。


 多分、ゲーム特有の、何かが、出来た。

 アナウンスはなかったからレシピ登録はされてるんだろう。品質が低めなのは二次スキルになったからかな。


「どうぞ、ラックブティウムです」

「ラック……なに?」

「調味料扱いらしいよ。鑑定してみ」

「クロテッドより酸味があるかしらね? でも十分よぉ」

「味見とは言ってないが」


 得体のしれないものよく躊躇なく口に運ぶな!

 まあ、原材料を知ってれば食べられないものにはならないってわかるけども。


 こっちこっちと示された席につけばステッラから赤茶がサーブされる。スコーン片手に交わされる会話はとりとめがないと思いきや、ガッツリ生産談義だ。リトの薬草やポーションの需要変動に始まりリーナの化粧品と見せかけたステータスアップの試作品の数々と、それらを手に取ったステッラから予測される販売価格と出回った際に品薄になるだろう素材の共有……ネネが黙っているのは話し出すと手が付けられないからだろう。普段口数少ないけど、好きなものに対しては立て板に水だからな。


 というか、そもそも私の配信のフック作るために来たんじゃなかったっけ? じゃあ私がネネと話せばいいのか。


「ネネー、コラボせん?」

「?」

「ほら、よくやってたじゃん。着せ替え」

「!!」


 よく考えなくてもネネとコラボするなら衣装替えでしょう!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ