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短編総まとめ【恋愛】

私は今、幸せだと思う

作者: Rion

友人と共通のテーマで仕上げた作品です。

「煙草」「自傷」「星」作成時間/1:30


制限時間の中で書き上げることを目標とした作品ですので、足りない部分などあるかもですな、なんとか形にはなったかなと思います。


痛くないなぁ。

もっといけるかな?

えい。

やっば、めっちゃ血出てきちゃった。あれ・・・いしき・・・が・・・・・・・・・













んー、なんだろこの香り?ちょっと臭い・・・?あれ、てか私なにして・・・


「おう、起きたか」


私にかけられたであろう声に目が覚める、視線を動かすとベッドにいることから私はどうやら寝ていたようだ。


声のした方を見ると1人の男が窓枠にもたれかかっている。


「調子はどうだ?顔色も大分よくなったしマシにはなったか」


私に話しかけているであろう男は煙草の煙を窓の外にふーっと吐ききるとこちらを見る。


見たことある顔かな?誰だろう?じっとそちらを見る。


「おいおい、無視せんでくれよ。嬢ちゃんは自分の状況分かってるか?」


状況?確か・・・


すっと視線を手首にもっていくと包帯が巻いてある。包帯の上からグッと押すと赤くにじみだした。


あぁ、あれは夢じゃないのか。なら私はリストカットして倒れたのか。


「ちょ、お前なにして!折角綺麗に巻けたのにまた血出すんじゃねえよ。はぁ、また交換するか」


そう言って男は煙草の火を消すと革製?の袋に放り込みこちらに近づいてくる。


距離が近くなったことで男の顔を見上げる。ふわっと香ったのは少し煙たい匂い。

なんか嫌いじゃないな、この匂い。


男は触るぞと声をかけてから私の包帯を巻き直した。少しクチャっとした結び目と全体的にゆるんでいるが。


「くそ、やっぱムズいな。まぁいい今度はそこ、いじるなよ」


そんな声をかけながら男が私の目の前の椅子に座る。


「改めて確認するが嬢ちゃんは自分の状況が分かっているか?」


真っ正面から男を見ると知らない顔だ。

こんな外見の人を見たら忘れるわけがない。


男の瞳の色は黒かと思いきや、近くで見ると深い森のような少し緑がかっている。

それになにより髪の毛が完全に緑、しかもその髪色に違和感を感じない濃い顔立ち。


なんとなく知っているような気がしたんだけど気のせいか。


おっと、つい観察してしまった。いかんいかん、返事をせねば。


「おじさん、誰?」


「お、おじさん…!?俺はまだ50だぞ!」


「え、じゃぁ完全におじさんじゃん。私と二回り以上違うし」


「ふたまわり・・・?嬢ちゃんは30くらいだろ?」


「はぁ!?こんなピッチピチな女子高生にむかって何言ってんの?」


「ジョシコーセーなるものが何か分からんが・・・。まぁいい、とりあえず嬢ちゃんのことを教えてくれ。なぜ負傷して、なぜあそこで倒れていたのか」


自称おじさんじゃない50歳の男はそこから色々と質問をしてきた。


それに私が回答していく形で話が進むと、そこから分かったのはどうやら私は別の世界に転生したらしい。


異世界転生、最近の流行でよく耳にしたものだ。


どっかの誰かに早口で転生と転移の違い、ハイファンタジーとローファンタジーの違いを力説されておとなしく聞いた甲斐があった。


あの時はめんどくて死ぬほど無駄な時間だと思っていたけどやっと役に立った。






とまぁ、それで分かった私の状況を完結に述べると・・・


地下アイドルをしていた私


母親に強制されて知らない男に媚びを売りまくる日々


気持ち悪い男にベタベタ触られてついには犯された


相手は警察官のお偉いさんの息子で事件にはしてもらえない


男という生物に恐怖を感じるようになり活動が停止


母親からの暴力


助けを求め優しくしてくれた叔父にも手を出されそうになった


人生に絶望してリストカット


それで多分死んだ、出血多量かな?思いっきり切ったもんなぁ


ここまでが私の前世




そして今ここが異世界だと思う理由


目覚めて初めて会った男は日本や外国でも見ないような外見をしていること


ここでは寿命が150まであり、成長速度に差があること


男の職業は門番でこの村を魔獣と呼ばれるものから守っていること


日本からは考えられないほど食事がまっずいこと、ちなみにこれが1番しんどい


とまぁこんな感じ




で、自分が転生したと思う理由


同じ場所にケガはしてたけどリスカじゃなかった、見たところ魔獣による傷らしい


私の外見も変わっていたこと


髪も瞳もどちらも血のような赤い色に変化していたこと


それにおじさんに近寄られても平気だったこと、これで全く違う体なんだと気がついた


前は無条件で男が近づいただけで吐いたりと拒否反応が出てた


まぁ、叔父さんだけは平気だったけど・・・




こうして嫌な前世からおさらばし、異世界転生した私はここで違う人生を歩むことにした


















あれから数年、私の傍にはまだあのおじさんがいる。


何も知らない、何もできない私の面倒を根気よく見てくれたおじさんと私は自然と男女の関係になった。


男や大人というものには嫌な感情しかなかったけどおじさんにはなぜか心を許せた。


好きとか、結婚とか、そんな話はしていない。


していなけれど私達は一緒に暮らしている。


今も私がこの世界にきた日と同じようにおじさんは煙草の煙を吐いている、少し煙たい。


私が隣に立つと、くすっと笑って頭をなでてくる。


ベッドで乱れた私の下着の紐を直してくれようとするが不器用だから片手じゃ結べない。


私が笑って自分で直すと、照れくさそうに煙草の火を消す


そしてまた2人でベッドにはいった。


これが私の今。


私は今、幸せだと思う。前世のことを忘れられる位には。


おじさんの鼓動を子守歌に意識が落ちていく。


眠る寸前に何かおじさんが言っていたけど聞こえなかった、また明日聞けばいいか。






「あぁ、愛しているよ。俺だけのアイドル、俺のスター。


今度こそ逃がしはしないからね。1人でなんて死なせない。


今も昔も君に叔父さんと呼ばれるのが俺の幸せなんだ」


お読みいただきありがとうございました。

評価、感想は大変励みになります。


私が思いつく恋愛作品は何故か最後にドロっとしてしまいます笑

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