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1 国外追放されたので、自由に生きようと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。


 木々が鬱蒼と茂る、薄暗い森の中。

 魔物(モンスター)の巣窟となっているその場所では、今、狂騒が繰り広げられていた。

 「ギィギィッ、ギギャギャッ! ギャァッ!」

 ゴブリンの耳障りな鳴き声を聞きながら、少女は銀色に輝く細剣を優雅に一閃した。

 刹那、三体のゴブリンの首が、同時に宙に飛ぶ。

 仲間を瞬殺されたゴブリンたちは、殺意を膨らませ少女に襲いかかった。しかし、怒りも蛮勇も、少女の前では呆気なく砕け散る。

 「うふふ……っ」

 少女は甘く微笑みながら、次々と向かい来るゴブリンを前に、優雅に上品にまるで管弦楽団の指揮者の如く細剣を振り続けた。

 否、彼女はまさに指揮者だった。

 楽器は戦意旺盛な醜いゴブリン。

 奏でるのは、彼らの断末魔という不協和音。

 観客はその屍の山。

 不協和音が途切れた頃、その屍共の王様――キングゴブリンが現れた。

 キングゴブリンは、無残にも堆く積み上げられた手下の屍を見るなり激憤した。

 その苛烈なまでの圧を、少女はさらりと受け流すと、己より一回りも二回りも大きな体躯を持つキングゴブリンを相手に、可憐に微笑んだ。

 「――貴方のお命、狩らせて頂きます……!」

 少女は歌うように宣言すると、美しい微笑みを獰猛に歪ませて、地を蹴った。


     ***


 「――ステラ・ルナローズ! 貴様との婚約を破棄する!」


 貴族の子息や令嬢たちが通う名門学園で開かれた舞踏会にて、ステラは婚約者であるオリヴィニス王国の第一王子であるフリーム・オリヴィニスから、婚約破棄を突きつけられていた。

 背後に取り巻いている学生たちのざわめきを聞きながら、ステラは儚く可憐な顔で、暫く王子を見詰めていたが、こてん、と首を傾げた。

 「ええと、何故でしょう?」

 彼女には理解が出来なかった。

 現王の腹心の側近で公爵である父から、そんな話はまったく聞いていない。それどころか、いつものように、今朝も溺愛するステラがいずれ嫁に行くことを嘆いて、母に窘められていた。

 フリームはそれなりに整った顔を嫌悪に歪めた。

 「貴様が私の可愛いシャンテに行った数々の悪行! それを私が知らないとでも思ったか?」

 ステラは目を丸くした。まったくもって初耳だった。そもそも――

 「その、シャンテ様とは、どなたですか?」

 フリームの腕に抱かれて涙を流していた、可愛らしい少女がぎょっとした。しかし、すぐに気を取り直すと、再び顔を涙に濡らしてフリームに甘えるように縋った。

 「あんなに酷いことをしていながら、私のことを知らないなんて嘘を吐いて……!」

 フリームはさめざめと泣くシャンテの頭を愛おしそうに撫でた。そして、ステラを睨みつける。ステラはフリームの鋭い視線を受けて目を瞬かせた。ステラは彼女のことを本当に知らなかったのだ。

 (もしかしたら、学園の中ですれ違ったこともあったのかもしれませんが……)

しかし、無自覚だったが、ステラは興味のあることだけしか、覚えられないという極端なところがあった。

 無論、学園での成績は常に主席である。

 しかし、交友関係にはまったくの無頓着で、大抵はひとりで行動していた。……ステラは知らないことだが、シャンテ――男爵令嬢とステラはクラスメイトだった。彼女が如何に他人に興味がないのか、これだけでよくわかる。

 興味がないということは、存在しないということと同義。

 「わたくし、シャンテ様に悪行を働いた覚えはないのですが……」

 「フン。罪の意識もないということか」

 フリームは軽蔑した目でステラを見た。

 「この場でシャンテに謝れば許してやろうかとも考えていたが……。更生の余地もないな」

 頭を振り、心底呆れ果てたとばかりに深く溜息を吐く。そして、ステラを正面から見据えると、胸を張り威厳たっぷりに宣言した。

 「貴様は、国外追放とする! 永久にこの国に入ることは許されないと知れ!」

 取り巻きたちが衝撃を受けたようにどよめいた。

 一方、当事者であるステラは、またまた首を傾げていた。

 (謝れば許して貰えて、それが出来なければ国外追放とは、少々極端ではないでしょうか?)

 フリームは手を叩いた。それを合図に衛兵がやって来る。二人はステラの両脇に立つと、フロアから彼女を退場させようと動き出す。

 未だに何が起こっているのかまったく理解出来ていないステラが、退場の瞬間にフリームを振り返ると、その隣のシャンテが口の端を上げて醜く嗤っていた。

 ステラは目を見開く。

 「あの……」

 「黙れ!」

 ステラは口を開きかけたが、衛兵の叱責に目を丸くして口を噤んだ。こんなふうに他人から接されたことがなくて驚いたのだ。

 その後、控室へ押し込まれたステラは待ち構えていた使用人にされるがまま、ドレスや装飾品類を奪われ、麻の簡素な衣服に着替えさせられる。

 麻の服は肌触りがガサガサしていて、こんなに質の悪い衣服を着たのは初めてだった。

 家族に連絡を取る間もなく、これまた乗ったことのない粗末な馬車に乗せられ、王都を出発した。

 何日も乗り心地の悪い馬車で移動し、その間、与えられたのは、固くもそもそとした黒パンと少々の水のみだった。馬車は宿に泊まることもなく昼夜問わず走り続ける。

 (……わたくしは、一体どうなるのでしょう……?)

 窓もなく暗い馬車の中で、ステラは困ったように頬に手を当てた。

 国外追放というのだから、このまま一人、国の外に放り出されるのだろう。しかし、金目のものはすべて取り上げられている。

 不意に、ガタゴトと動いていた馬車が止まった。扉が外から開けられると、不愛想な老人――馭者が立っていた。顎で降りろと指示される。

 立ち降りた場所は、予想通り、国境の門の前だった。見上げる程、高い塀が左右にどこまでも伸びている。

 無反応だとはこの数日でわかっていたが、それでもステラはこの馭者に声を掛けた。

 「あの……」

 「………………」

 不愛想なの老人は、やはり、何の反応も見せなかった。目すら合わない。

 国境の衛兵と短くやりとりをした馭者は、ステラを置いて馬車を出発させた。

 「おい」

 立ち尽くして馬車を見送っていたステラは、兵士に荒々しく声を掛けられた。

 「さっさと行け」

 親指で国境の門の向こう側を指した兵士は、何かが入っている布袋を持っていた。それを懐の中に入れる。そして、早くしろとばかりに舌打ちをした。

 急かされるまま、ステラは門を潜る。背後から、ギィ、ガシャン、と分厚い鉄の門が閉じられる重々しい音が聞こえた。

 ステラは黙ったまま足元を見た。服と同じく質素な靴が踏みしめているこの大地は、もう生まれ育ったオリヴィニス王国ではない。

 振り返り、門を見ると、国名が書かれていた。

 スリュダー王国。

 東西南北を隣国に囲まれた、オリヴィニス王国に属する小国だ。

 辺りは辺境の地らしく、民家どころか人っ子ひとりも見当たらない。見渡す限り森だった。

 「……わたくしは、ひとりなのですね……」

 ステラは、ぽつりと呟いた。この声を聞く者は誰も居ない。

 ステラは、永久に祖国に戻ることは出来ないのだ。それはつまり、ルナローズ公爵家の令嬢として、今まで暮らしてきたような華やかな生活は出来ないということだ。

 父にも、母にも、兄にも、会えない。

 ステラは俯いた。そして、小動物のように小さく震える。

 この最悪の状況を噛みしめるように、はぁ、と息を吐いた。

 愛する家族に会えないのは、なんとも辛いものだった。

 しかし、この最悪な状況の中、一つだけ希望はある。

 「つまりは、わたくしは、何をしても良いということですね……!」

 ぱっ、と顔を上げたステラは、甘い菓子を前にした乙女の如く頬を上気させて、蕩ける笑みを浮かべた。

 粗相の一つで、己どころか、家や皇太子の名に傷が付く。

 ステラは名門公爵家の令嬢として、また、皇太子の婚約者として、常にその立場に相応しい行動を取って来た。

 ステラは精一杯、己の役目を果たして来たのだ。

 ――本当の望みを押し殺して。

 国外追放されたからには、家の名に傷が付いてしまった。しかし、それは今のステラにはどうしようもないことだ。

 ならば、現状を受け入れるしかない。というより、願ってもみない好機だった。

 何をしようとも、これ以上、家には迷惑は掛からない。

 「さっ、ここで時間を無駄にする訳にはいきません」

 ステラはいそいそと歩き出した。


     *


 歩けども、歩けども、周囲は森ばかりで民家の一つも現れない。

 辺境の地とは、本来そういうものだ。

 ステラは、とにかく歩き続けば何かあるだろうと当てもなく進み続けた。結果、薄暗い森の中で迷っていた。

 森の中とは、大抵、魔物の巣窟となっている。

 そんなことは、追放されたばかりの貴族令嬢が知る筈もなかった。

 そもそも、お嬢様育ちのステラは、国外どころか国内の殆どの場所に行ったことがない。行動範囲は、せいぜい、学園と屋敷と王宮くらいしかなかったのだ。

 過保護な両親と兄から、庇護という名の籠に入れられ、蝶よ花よと大切に育てられたのだ。

 そんな彼女が何の準備もなく、国外の辺境の地に放り出されて生きていくなど至難の業だと、誰にも簡単に想像出来る。

 つまり、これは事実上、死刑のようなものだった。

 ステラは迷いに迷って、鬱蒼と茂った草木の隙間から、すぽん、と飛び出た。地面に、とん、と着地した。そして――、濁った黄色い眼と目が合った。

 厚そうな肌は緑色。二足歩行で、まるで、小さな人間のような風貌。しかし、その耳は尖っており、爪も爬虫類のように鋭い。局部は枯れ葉のようなもので隠していた。

 ゴブリンと呼ばれる魔物だった。

 「これは……ごきげんよう?」

 ステラは取り敢えず、挨拶をしてみた。

 しかし、ゴブリンは「ギギッ、ギャ!」と、敵意を露わに襲い掛かった。その鋭い爪で、ステラの柔い喉を掻き切ろうと腕を振り上げる。

 その瞬間、ザンッ! と音が響き、何かが宙を舞った。

 弧を描きながらくるくると回転する()()は、地面に落ちてころころと転がった。

 ゴブリンの首だった。

 次いで、ステラの目の前に居たゴブリンが仰向けに倒れる。そのゴブリンは、いつの間にか、頭部を失っていた。

 ステラの手には、いつの間にか銀色に輝く細剣(レイピア)が握られている。簡素な麻の服も、白を基調とした戦闘服に変っていた。

 細剣の刃から、ぽたり、と鮮血が滴り落ちた。

 ステラは目を細めた。

 ここはゴブリンの集落だったらしい。

 一連の出来事を見ていたゴブリンたちが、敵意を膨らませ、人間から奪った武器を構えてステラへ走ってくる。

 「うふふ……」

 ステラはそれを甘い微笑みで歓迎した。

 次から次へと襲い掛かるゴブリンを切断し、貫き、時には蹴り上げた。

 あっという間に、屍の山が出来上がる。

 戦闘の間、ステラは一歩もその場から動くことはなかった。

 ステラの脳裏に、軍人貴族である父と兄と共に、鍛錬した日々が蘇った。

 (ああ……、あの充実した日々が活かされる日が来るとは……!)

 ステラは感動に打ち震えた。

 ステラの本当の望み。

 ――それは、冒険者として魔物を狩り、ダンジョンを攻略することだったのだ。


 この世界に生まれた者には、スキルが与えられる。

 スキルとは、才能。

 それは、日々の努力の積み重ねであったり、また、生まれ持ったりするものだ。ステラにも、生まれながら神に授けられたスキルがあった。

 【戦神の寵愛】。

 そのスキルは、《身体能力超人化》《状態異常無効》《戦闘力倍増》《治癒再生》等々……

 戦闘行為において、これ以上ない効果を発揮する。

 このスキルを持つ者は、その名の通り、まさに戦神に愛された者だろう。

 特殊スキルと呼ばれるこれは、世界でステラ一人しか持っていない。

 公爵令嬢であった時には、特別なスキルであっても、必要もなく無意味なものだと陰で嗤われていたものだが、ステラにとっては、この上ない素晴らしいスキルだった。

 そして、ステラは、この特殊スキル【戦神の寵愛】のスキルのひとつ《経験値二乗》の恩恵によって、彼女のレベルは常軌を逸した高みに上り詰めさせていた。

 レベル99。

 ステラはこの世のすべてが可能なレベルの最高値に達していたのだ。

 それは、理論上可能でありながら、到底、人類には到達不可能な頂点。


 圧倒的なレベルの差に、戦意を喪失した残りの数匹がステラに背を向けて走り出す。それを、ステラは楽しそうにクスリと笑った。

 「あらあら、いけませんよ? 敵に背を向けては……是非、狩ってくださいと言っているようなものです」

 ステラはたった一歩で距離を詰めると、剣の一振りでゴブリンの首を纏めて刎ねた。

 先程までの喧騒とは打って変わり、辺りに静寂が訪れた。しかし、その静寂もすぐに掻き消える。

 「ギギャ、ギャギャギャッ!」

 「うふふ。やっと、お出ましですか?」

 ステラより一回りも二回りも大きなゴブリンが集落の奥から、のそりのそりと現れた。

 キングゴブリンだ。

 ゴブリンの集落の中で勝ち抜き、その屍を喰らうことでより凶暴なモンスターとなった、ゴブリンの王様である。

 すべての手下を惨殺され、激憤したキングゴブリンは巨大な斧を片手に咆哮した。

 その圧をそよ風のように受け流したステラは、公爵令嬢のように上品に美しく可憐に微笑む。

 「さて、いきなりで申し訳ありませんが……、――貴方のお命、狩らせて頂きます……!」

 宣言と同時に地を蹴ったステラは、微笑みを獰猛な哄笑に変えキングゴブリンに迫る。

 振り下ろされた大斧を、身を翻して軽々躱すと細剣を一閃した。

 「ギギャァッ!」

 キングゴブリンは一瞬、何が起こったのかと首を傾げた。その首が、ズズズ、とズレていく。そして、ついに、ポトリと地面に落ちた。キングゴブリンは不思議そうな表情を浮かべたままだった。

 一拍遅れて、体がうつ伏せに倒れる。

 ステラはそれをひょいと避けた。

 彼女はいつも通りの、儚げな少女に戻っていた。

 純白の戦闘服も、真っ赤に染まる程に返り血を浴びていたにも拘らず、元の白さに戻っていた。

 これは彼女のもう一つの特殊スキル【戦神の宝物】で召喚したものだ。

 絶対に折れない細剣と、絶対に汚れない戦闘服。

 伝説級の武器と防具だ。

 ステラはドレスを彷彿させる意匠の戦闘服を解く。頭から被っていた返り血も次第に薄くなり、完璧に消え失せた。これは、【戦神の寵愛】の効果《自浄作用》により、自動的に洗浄されたのだ。

 彼女はきょろきょろと魔物の惨状と化した辺りを見渡す。そして、手を頬に当てて照れたようにはにかんだ。

 「少し、はしゃぎ過ぎたでしょうか……?」

 直ぐに、まぁ、良いでしょうか、と気を取り直した。

 ステラは徐にキングゴブリンに近づいた。解体用のナイフがないので細剣で心臓部分を斬り裂く。心臓の代わりにキラリと光る紅い石が埋まっていた。

 これは、魔石だ。

 魔物の体内に必ず存在するもので、魔物の生命維持に欠かせないものだ。

 魔物は、腹の中で喰らった物のエネルギーを魔力に変換すると、この魔石に蓄積させ、全身へ魔力を行き渡らせる。高ランクの魔物になればなるほど、高純度の魔石を秘めており、それは高値で取引される。

 これらの魔石は、人々の生活に役立てられている。例えば、魔石の魔力で点灯するランプや、同じく魔力で発火するコンロなどの燃料として。

 人々の生活に欠かせないエネルギー源だ。

 他には、高純度のものになると、魔術師用の魔法具に使われ、これもまた、更に高値で取引されるらしい。

 一文無しのステラには、これは貴重な収入源だ。

 ステラは魔石を傷つけないように取り出した。親指の第一関節程の大きさの魔石は色褪せており、少し濁っている。キングゴブリンであっても、所詮、低ランクの魔物だ。純度は高くない。ゴブリンはその他の素材も大して使えないので、ステラはキングゴブリンに見切りをつけて、他のゴブリンの魔石取りに移った。

 結果的に、小サイズの魔石が一個と極小サイズの魔石が一五〇個手に入った。それをゴブリンの住居から拝借した袋に入れる。

 ステラはその袋を《時空収納(アイテムボックス)》にしまった。手に持った袋が、シュン、と軽い音と共に消えた。

 《時空収納》とは、異時空間に物品を収納出来るスキルで、手ぶらであっても物を持ち運べることが出来、また自由に出し入れ可能だ。魔力が豊富な者はこのスキルを持っていることが多い。

その規模は人それぞれだ。

 ステラも《時空収納》を持っていたが、お嬢様のステラには、これもあまり必要なスキルではなかった。よって、ステラはほぼ無限に物を持ち運ぶことが出来ながら、その中身は空っぽだった。

 「さて、後はこのご遺体をどうしましょうか……」

 ステラはゴブリンの山を見上げた。このまま置いて行っても良かったが、何となく、見た目が悪い。こんなところ、誰も見に来ないだろうが、ステラは気になってしまった。顎に手を当てて思案する。そして、ポン、と手を叩いた。

 「火葬しましょう……!」

 ゴブリンの亡骸を集落の広場へ集めると、ステラは手をかざす。軽く念じると、ボッ、と炎が灯る。その炎はステラが操るままに、数多のゴブリンを飲み込んで大きくなった。

 ステラは、轟々と燃え上がるゴブリンの焚火から、ふと、視線を空へ向けた。

 いつの間にか夜となっていた。夜空には、光り輝く満月と、その周りを埋め尽くす数えきれない星々が煌めいていた。

 「まぁ……!」

 ステラは碧い大きな瞳に星の輝きを移しながら感動した。

 これ程美しいものをステラは見たことがなかった。どんなドレスよりも、どんな宝石よりも、ずっと美しい。

 ステラは、その夜空をまるで宝物を眺めるように、いつまでも見詰めていた。



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