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6 お掃除始めました


時間もないのにお掃除してどうすんだって?


ふふ、これだから素人は

などと独り芝居をしても始まらないので、考察を述べよう。

 先ず王都(馬車で7日)へ行って大図書館で調べようと思っても、伝手がない。

出来たとしても、5才の子が幸運値について調べたら目立つし、厄災の忌子だとバレル可能性が高い。

 ザッカーの街の図書館だって危険だ。神を全面的に信じるわけではないが、本で調べられる領域は僅かと捉えるのが正しいのではないかと思われる。

では、どこから情報を仕入れるのかとすれば、図書館(されど図書館)、皆が集まる冒険者ギルド、商業ギルド、お酒を飲んで口が軽くなる食堂と睨んだ。と言う訳である。

 父さんに頼んでもらい、紅貨2枚(日本円で200円くらい)で掃除をすることとなった。


貨幣は、

鉄貨  10枚 → 紅貨1枚

紅貨  10枚 → 銅貨1枚

銅貨  10枚 → 銀貨1枚

銀貨  10枚 → 金貨1枚

金貨  10枚 →大金貨1枚

他国まで通用する共通貨幣は、銅貨以上である。


 朝8時から1時間づつ 図書館、冒険者ギルド、商業ギルド、食堂2か所で移動も入れると8時間労働になる。5才児にはちょっと堪えるが仕方がない。

 図書館では、返還本を戻す作業だが、ほとんど5分で終わる。インデックスがついているので楽勝だ。後の55分は、幸運値が載っていそうな本を片っ端から読んでいる。

 どうして異世界の文字が読めるのかって、???不思議だな何で読めるんだろ。それも分厚い本読むのにいつの間にか5分かからないし、内容を完璧に覚えている。今は考えるのは止そう。

自分は天才と言うことで流すことにした。

 冒険者ギルドでは、ホールを中心に掃除をした。気配を周りに溶け込ませながら聞き耳を立て、けん騒の中から情報を抜き出していった。

・・・

・・・

・・・

半年が過ぎた。


 お掃除スキルをゲットしてしまった。最早1時間の仕事が5分で完璧仕上げまでできるようになった。生活魔法のクリーンも憶えたが、MPが1しかないので頑固な汚れにピンポイントでマジッククリーン3か所くらいが限度だ。


 酒場では、冒険者のお姉さんにモテモテとなった。

「キャーこの子かわいいー」とか言われ抱き着かれるが、胸当ての防具をしたまま押し当ててくるので、頬に穴が開くんじゃないかと思うほど毎回痛い思いをしている。HPが微妙に0.2くらい減っている。きっと5回連続で死亡である。

 ふふ、プロ(お掃除?)を舐めてはいけない。命の危機に達人の技、すり身を会得した。これは、紙一重ですり抜ける高等テクニックだ。わが身は揺れる柳の如し。自分の才能が怖い。


お掃除しながらすり身を使い、聞き耳で複数の声を聴き同時分析していたら、

マルチタスク、並行思考、マルチスレッドスキル?がゲットできてしまった。

同時に沢山聞いていたので高速分析、高速処理スキルまで覚えてしまった。

今では60人同時の会話をすべて理解できるようになった。昔の1万円札も真っ青である

・・

 幸運、幸運値に関連するお話は、ほとんどが、ザッカーで一番人気の「競兎(ホーンラビット)」で勝ったやつの運話だ。ダントツで「幸運のウイカーサマー」という人物が出てくる。彼は負けたことがない伝説のギャンブラーである。


彼の名言がある-勝負とは、始まる前に決まっている-


 彼は、美男子である。エルフのような透き通った肌に大きなブルーサファイアの瞳、キリっとした顔立ちに甘いボイスで囁かれたら若い女性はメロメロである。女性20人の親衛隊がいつも周りを固めている。

 彼は別名”スポイト王子”と呼ばれていた。彼はレースが始まる5分前に必ずパドックに向かい、自分の賭けた兎以外にスポイトで水を飲ませる。

これは慣例行事となり、女性の間では、「敵に塩を贈る」美談として語り継がれた。

スタートでパドックが開くと賭けた兎以外は、白目をむき、お食事時は絶対見てはいけない固形物を含んだ液体らしきものが散らばっている。

これに異を唱える男性が偶にいるらしいが、必ず数日中に街を去っている。

ただ、これはその人たちが人間的に問題があったためと言われている。(女性陣談)

詳しくはわからないが、親衛隊含む100人を超える女性に囲まれるオイシイ場面にも関わらず泣き叫んでしまうと言うのだ。

最初は、「パンツに茶色い染みも黄色い染みもカベカベもありません」とか、「僕の小象さんは、足の小指より大きいです。」「向かいのお婆ちゃんの干したパンツをガン見していません」「涎をたらして男の尻の穴なんて覗いていません」・・・と反論するのだが1時間ぐらい経つと

、「生まれてきてすみません。生まれてきてすみません。生まれてきてすみません。うんこになりたい・・・」と言って街を出ていくそうだ。

?何でうんこなんだ?

彼は、地上最強の親衛隊を持つ伝説のギャンブラーだった。・・・・

なぜ過去形かと言うと2年前から熱烈な親衛隊の家の地下(牢?)で生活し、一日中皆さんから手厚―い、手厚―いご奉仕を受けているらしい。ほんと羨ましいかぎりである。


もう一つ多かった話が、「コウウンチ」の後ろの3文字関係である。お昼休み読んでいる読者ファンのため、詳細は控えようと思うが、「んちゃ」とか言う少女がツンツンするようなほのぼのとした話ではない。

ただコウウンチそのままのキーワードに引っかかる競争があるようだ。

これは高度なテクニックだけでなく、前日からの準備が必要となる競技である。

硬からず柔らかからず 何か、とんち問答みたいだがここに臭わからずが入るとこれは、うんち問答と呼ばれる2次元から3次元に進化した最高難易度の問いとなる。

太さも最初は太く上に行くほど細くならないと重力の偉大さを知ることになるのだ。

そう、「きみの名は」高ウンチ競技 今日の一番搾りの高さを競う競技だ。

最高不倒距離は、21センチで、これは踏破(踏んじゃだめだよ)不能とされた伝説の記録である。このレジェンドも過去の話である。彼は、競兎で異を唱えた若者の一人であった。

彼はうんちになるためこの街を去った。これ完全に親衛隊の精神攻撃で魂にひび入ったよね。そのせいだよね。


幸運な話では、1件だけヒットした。

ザッカーを統治する領主様の家では、幸運の白い(ミイちゃん)を飼っている。

実際に見てみると大型犬で、大型?巨大?な犬?

調教師が朝の散歩に付いているが、それよりでかい、体高3M全長6Mはある。

リードらしき頑丈な鎖が付いているが、調教師が引きずられているように見えるのは俺だけだろうか。毎月調教師が変わると言うかなんというか、なぞの失踪を遂げる。

高給取り(通常の5倍)なのに不思議だ。失踪した後は口の周りが赤くなるので飼い主の領主婦人は、「ミイちゃん変なもの食べちゃだめ!とペシペシ犬?を叩くそうだ」

ここまでは、ラノベあるあるなので、特筆しないのだが、散歩の途中の出来事に変わったことが起こる。

朝、冒険者や街の奥さん、街の門番の衛兵達数十人が、この犬?を後ろから静かに追いかけるのだ。

暫く見ていると・

そしてその時はやってきた。白い尻尾が上にツンと立ったその時、5才児の小指程の茶色い物体がポソっと落ちた。犬?が路地を曲がると一斉に冒険者や今日の門番、奥さんたちが殺到し、足で踏んでいるではないか、一瞬にしてそこは染みひとつ無い綺麗な石畳となっていた。

一体何が起こったのか判らなかったが、門番は、街の門に立ち、冒険者と奥さんたちは籠を持って街の外に歩いて行った。

皆口々に、「ミイ様ありがたやありがたや」とブツブツ言っていた。

街の近くに出没する魔物はほぼランクE以下で、年に1,2度Cランクが出ることがある。

しかし、このミイちゃんは、ホワイトタイガーウルフと呼ばれるBランクモンスターに瓜二つである。ホワイトタイガーウルフは、ご飯さえ与えていれば普段はおとなしい猫のようだが、敵対したり、腹が減ると10M先の獲物でも一瞬で丸呑みにしてしまう。匂いがしたら丸呑みされるのだったらそりゃー逃げるわな。門番なんて必須だよね。なので幸運犬ではなく高圧縮の魔物除けグッヅだった。

ちなみにミイちゃんは犬である。この街で犬ではないと言ったら抹殺される危険がある。

くわばらくわばら・・


結局、肝心の幸運値に関する情報は皆無だった。


丘の上でタケオは両膝両手を付き、

「あああーーー、俺の半年間、お掃除以外何も進まなかったじゃねーか」

神にざまぁとか厄災を防ぐようなこと言っちゃたし!

恥ずかしくて、穴があったら入りたい。・・・・・・入ったら気持ちよくなりたい。


こうしてお掃除大作戦は失敗に終わるのだった。



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