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59 俺たちも被害者の会?


朝、ウンクロがクロ犬と“ロリのじゃ”と散歩を終えて帰って来た。

ブラックタイガーウルフの子供は、ウンクロの犬として認識されたらしい。玄関で何か騒いでいる。


「お主、少々レディーの扱いが雑ではないか、足が水たまりで真っ黒になってしまったぞ。あの場面は、“姫どうぞお通り下さい”と言って身を挺して我がその上を踏みながら、“ありがとう”と言う名シーンではないか

本当に女心が分かっておらぬな」


・・・・・・ウンクロは徐に雑巾とバケツに水を汲んで戻って来た。


ヨシコの片足を鷲掴みして、上に持ち上げ、パンツ丸見え状態で両の足の裏をフキフキして手を離した。


“ゴチ”と音がしてヨシコが頭を抱えていた。


「雑巾とバケツ片付けておけ」

と言って自分の部屋に帰ってしまった。


お気づきだろうか、ウンクロの仮面には擬似魂魄がついていて、念話を音声に変える機能が付いているのだ。


涙目のヨシコが立ち上がって、居間のソファーに腰かけた。


「お前大賢者だろ。レベ1だがどうして魔法を覚えないんだ?

そうすれば運命も大分変っただろうに」


「それなんだが、魔法やいろいろな魔法陣など研究した。

この捕まるまでの10年以上研鑽は怠ったことは無い。

しかし、どういう訳か使おうとすると、その、なんだ、そのな、魔力を練るだけでお腹がキュルキュルして下痢ピーになり、前も後もお漏らしもしてしまうのだ。

ちょっとでも魔力を出すとそうなる。急に緊張するだけで出てしまう事もある。要は使えんのだ。」

良く解らないので、サイに分析して貰う事にした。


*マスター体全体をアナライズしてください。

・・・・・>全体を見ると魔力循環の回路が腎臓、消化器、大腸、膀胱などに浸潤してますね。

これは、生まれた時から、多量の魔力があり過ぎて器官が出来上がる前から存在したためくっ付いてしまったのでしょう。

本来、生まれた時は、魔攻・魔耐、MPタンクなどは、1でないといろいろと支障が出てしまいます。

転移などの、ある程度成長した体なら馴染んでいくと思いますが、出来たばかりの幼体へ強制的に付与されれば毒と同じです。

成長が阻害されているのは、これらの浸潤による癒着が成長してしまうと死に至るための体の防衛本能です。

>治せるか?

*簡単に出来ます。一本ずつ魔力官とくっ付いている組織を剥がして定着させるだけです。特に彼女の場合、強大な魔力を使えるがため、はっきりとした組成になっているので簡単です。

“ぷす”とガード丸に刺させ、ヨシコをソファーの上に乗せ、治療を始めた。


一本ずつ丁寧に移動のスキルで剥がしながら、エクストラヒールを掛けていく。

2時間ほどで治療は終わった。


成長阻害も徐々に解除されるだろう。


こいつ最初からこんな能力値を上げなければ、大賢者の力使えたのに誰がやったんだろう。まあ見当はつくが。


「うーん、体の動きが軽くなったのじゃ」

ヨシコは起きて体を調べているようだ。さすがに下ネタは入れてこないな。


「これで、魔法も徐々に使えるようになるはずだ。成長を阻害していた原因もなくなったので、徐々に成長するだろう」


「ありがとう、ありがとう、何とお礼を言っていいのか分からぬ。この礼は必ずお返し致す。」

そう言って泣きながら頭を垂れていた。

気丈に振舞っていたけど、本当は気にしていたんだな。


「主殿、ここに来て、一度も主殿の名前を聞いたことが無い。今となっては恥ずかしい限りだ。早く教えてたもれ、私の主殿」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

タケオは顔を横に向け、

「タケオだ。名前からして日本からの転生者だろ、理由があるんだろうが、

無理には聞かん、今の俺は話す気はないし」

「やはり、お主もそうか」

そう言って、ヨシコは、話し始めた。


「この世界に来るものは必ず使命があると転生神が言っておったがやはりな。

私は、乙女ゲームのわき役として転生する事になったのだ。

元々異世界にはラノベが好きだったので興味があったから半信半疑ながらOKしたのだが。

既に死んでいるしな。


実際には、乙女ゲームのようであっても現実なのでそういう要素があると言うだけで、攻略対象を自分で勝手に落とす訳ではない。


転生特典として大賢者と生まれながらの高魔力を貰ったのがこの有様だ。


重要な役目は、サクラン国とツルハシ帝国がこのままだと戦争になってしまうので、それを食い止めて欲しいと言うのが使命だった。

我が十歳になる時、皇太子と結婚せよとの神託が降るはずじゃったんじゃが、わしが5才になり、過去の記憶を取り戻した時、既にサクランは、滅ぼされていたんじゃ。


それで、親戚を頼り、落延びたのだが、

それが、コスモンス教国の、父方の実家だったのじゃが、我はそこで、父方の祖母に育てられた。その祖母の影響でこのような喋り方になったのじゃ。


叔父夫婦がおってな、貧乏男爵でもあり、帝国からはお尋ね者となった母と娘は、それは、針の筵じゃった。

離れの小さな納谷で母は、貧しい生活を送っていた。

我は、祖母に教育を受けた。母屋を行ったり来たりしながら育っていった。

いままでは、サクランから沢山の援助を貰いながら、手の平返しとは、正にこの事よのう。

それでも、10才に成れば神託が降り、結婚するなら復興の話も出てくるかもしれんが、10才に成っても信託など降りなかった。

いったいこの話はなんじゃったのか全く訳が分からん。


結局甘い計画でうまくいかなかったから見捨てられたとしか思えんわな。


 その後、父に女が出来たが、女の家に入りびたり、家に帰らぬようになった。まあ、元々我らの所には殆ど寄り付かぬから気にもしなかったが。

いつの間にか帝国の軍人が来て、犯罪者のくだりを読み始め、領国間で決めた引き渡し条約がうんたらかんたら言いながら最後に父のサインがあった。

金で母と私を帝国に売ったようだ。


恐らく、サクランの王族の血筋で残るは、母と私だけとなったので、十年以上も掛かっているから強引な幕引き作戦に出たのであろう。


 サクランが帝国に狙われたのは、高品質の金鉱山があった為だ。

小国でありながら栄華を誇ったのは、財力にある。しかし、時のサクランの王は小国でありながら帝国を馬鹿にするような言動が後を絶たない。

それに怒った一部の将軍が攻め滅ぼしたと聞いている。


 誰を恨めば良いかも判らぬが、父も憎いが転生神だけは許せぬ。だが、今となっては手も足も出ぬ。せめて死んだ後、転生神に体当たりでもしようかと言った所じゃのう。

本当は、あの野郎は、地獄まで追ってでも叩き潰してやりたい」


やっぱり、あいつ本当いい加減な奴だな。


「転生神って足が透けてなかったか」


「ああ、あれは、良く解らんが別世界の竜がブレスを吐き、この世界まで届いたそうだ。たまたまその射線上におって命からがら逃げたんじゃが、足を掠ったそうだ。その黒いブレスは、神でも二度と再生が出来ないと言っておったな」

・・

ほおー、これは、ひょっとしたら、あいつに一泡吹かせることが出来るかもな。

これで、あいつに害を被った者達の仕返しが出来るかも知れん。


まあ、今の俺の力では到底不可能だが、可能性はゼロじゃない。なあウンクロ期待してるぞ。


待ってろよ転生神。いつか必ず喧嘩しに行ってやるからな。


「まず、ヨシコに命ずる。これからの話は一切口外してはならない。


誤解しているようだが、俺に使命はない。終わったと言うかいるだけが使命みたいなものだったからな。


 それから、俺は神の刺客から狙われている。地上最強の部類の勇者にな。


俺にとって神は敵だ。

恐らく、全ての神ではないがお前が恨む神は全て俺にも敵だ。


だから、神との話で思い出したことが有ったら何でも話せ。


 ウンクロだが、神と戦う事になったら、最大の助けになってくれるはずだ。


もしお前が本気で恨みを晴らしたいなら、仲良くなっておく事をお勧めする。


 ただ、その道のりは険しい、絶対そこまでたどり着ける保障はどこにもない。


それでも恨みを晴らしたいなら、一緒には居てやろう」


「本気で言っているのか、相手は神だぞ、輪廻に入れば何されるか分かったものじゃあ無いぞ」


「だったらその時はこの世界から逃げればいいのさ」



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