56 街道をお掃除しましょう
――― チュン・チュン・チュン ―――
昨日は興奮したな。浴衣が乱れ落ちている。
何をしたんだって。
俺たちは今、イメプに嵌っている。
昨日は、悪代官・越後屋シリーズ3だ。
主役は、俺とマリオン、キャストにウンクロを入れている。
ウンクロは、最初のちょい役だ。この頃、会話がないので、コミュニケーションの一環として無理やり参加させている。
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ウンクロ「お代官様、今回の上りは、こちらで」
タケオ「おお、山吹色は、いつ見ても良いのう越後屋」
ウンクロ「へへへ、もっと年貢を増やして、おなごを岡場所に売ればもっと儲かります」
タケオ「そちも悪よのう」
「「は、は、は、は」」
タケオ「そろそろ、夜も深こうなったのー」
ウンクロ「ぱんぱん、娘を」
手を叩き、寝室の扉を開け、無理やりマリオンをタケオの方に押しやる。
「へへへ、今晩は、朝までしっぽりとお楽しみを」
と言ってウンクロは扉を閉じ退場。
マリオンが、「ああー」と言いながら、タケオの太ももにしな垂れかかる。
タケオ「かわいい女子じゃな。名は何と申す」
「おマリと申します」
「うい奴じゃ、近こう寄って酌をせよ」
両手でマリオンが酒をお猪口に注ぐ。
するっと胸元に手が入っていく。“もみもみ”
マリオン「お代官様、お戯れを」
手を押し留めるが、力及ばず振り解こうと立ち上がる。
タケオ「えーい、逆らえばお前の父の命は無きものと思え」
それでも動こうとしないおマリに対して、帯を持ち引っ張り始める。
マリオン「あーれー、ご無体な、あーれー」
と言ってクルクル回りながら帯がほどけ、太ももが現わになりながら尻もちを付く。
腰をくねらせ、「私には、許嫁がございます。どうかご容赦を、ご容赦を」
タケオ「いいではないか、いいではないか、天井の染みを数えておれば・・・・」
と言う子芝居に嵌っているのだ。
今も暇さえあれば、台本を作成している。総キャスト3人なので中々難しい。
今作成しているのは、
“団地妻シリーズ第2弾 夫単身赴任中”と、
ウンクロに頼まれ、“ウンクロとジュリエット 乱れ桜”を作成中だ。
今の所使い道は無いと思うが、将来が楽しみなようで明るくなった。
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金が無い。
近頃、ウンクロは、霊媒師の所には通っていない。
今は、孤児院に通い始めた。
元は、マリオンが月に一度孤児院で炊き出しをしていたのだが、そこにくっ付いて行くようになった。
最初は、マリオンに無理やり手を引かれて裏方の大きな鍋の火の番や食器洗いをしていたのだが、スラムの人や孤児院の子供たちと遊ぶようになった。
人間らしい生りはしていても真っ黒なので、仮面を作ってやった。
黒化病(そんな病気は無い)で体中が炭素化して真っ黒になる奇病で、うつりはしない数十万人に一人の遺伝病と言う触れ込みだ。
その内、人数が増え、炊き出しへのボランティアも増えた。
ボランティアはやる気のあるスラムの人を選んだ。
これは、なるべく一般の人と触れ合い、就業のチャンスを貰えるよう仕組んだ。
オーク肉なども出したり、狩ってきたボアも少し出していく内、一般の人まで食べに来るようになってしまった。
その内炊き出しが毎週になった。
完全に失敗だ、商売人の息子がやってはいけないミスだ。
炊き出しなのに美味しい料理をタダで出したら誰だって来る。
限界に来た。
マリオンとウンクロに相談したら、組合長に助成金の嘆願書を出して領主と相談する事となった。
ただ、直ぐには解決しないのでそれまで頑張れないかと言われたが、無いものは無い。
だいたい、組合長がいるならそいつが出せよ。
後、二人には、いつかここは出ていくし、俺は目立つことが出来ないことを話した。
とにかく、金を稼ごうという事になった。
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そこで、昔、情報収集した時に酒場の冒険者が、とにかく王都へ行き来する街道には多くの山賊が居て相当稼いでいるとの話を思い出した。
山賊が持っているものは、全て退治した者の物になる。
殺しても一切お咎めなしで懸賞金まで掛かっている奴がいる。
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取り敢えずの資金は、指輪を放出して3週間凌いで貰う事にした。
ボアとオークは、3週間分、卸に出して炊き出しの時別のを貰う事で合意させた。
3週間街道のお掃除でも致しましょう。
王都への街道は、大きく分けて、
北東のココファン王国へ抜ける街道が一番賑わっている。
南南西のファーマラ王国
西のコスモンス教国
北西のツルハシ帝国、前回攻めて来た国だが、スギンと帝国の間には、小国サクラン国があった。ここを帝国が攻め落とし、その先のスギンまで攻めて来た経緯がある。帝国も勢いで行ってしまった将軍の暴走もあり、今は、良好な関係にある。
マツキオン王国へ抜ける街道これは小競り合い中なので没。
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この中から選択するのにココファン街道が一番と思われるが、
ツルハシ帝国への街道にする事にした。
ココファン街道を没にした理由は、ココファンはここから遠く地の利が効かないことと、既に賑わっているので、警備隊が編成され、新参者が介入するのは難しいと判断した。
それに比べ、ツルハシ帝国は、シャプリンから近く、サクラン国を攻め落としたことから大きく荒廃し、再建にここ十数年、力を入れていて、ここ数年は、スギンからの物資の行き来が多い。
大森林と山岳地帯でもあり、盗賊が逃げやすくアジトが作り易い地形になっている。
街道をツルハシ帝国サクラン領に入る30km手前まで歩いて3つの村
を経由して来たが、盗賊のとの字も出なかった。
途中に古代遺跡群があるのだが、ここは、冒険者がお宝探しをしていて、盗賊もいるはずだが、見かけなかった。
逆に、食肉用の魔物がわんさか出て来た。
狩った魔物は、
ホーンラビット 500
グリーンウルフ 100
グリーンボア 200
ジャイアントバッファロー 100
もう、うはうはである。
街道近くにこんなにいるなら、ここは狩人だったら楽々一生暮らせる。
まあ、危険種も捕食者として沢山いるだろうからそうは旨く行かないか。
お、街道横に煙が上がっている。燃えた馬車が10台横たわっていた。
大型の商隊が襲われたようだ。
死亡しているのは、冒険者風が15名、商人風が30名、盗賊だろうと思われる者が20名だろうか、ちょっと冒険者と区別がつかない。
服や防具、剣などが持ち去られているので判別が難しい。
この辺に居そうだ。
上空から探索すると、遺跡から10km現場から10kmの位置にある所に洞穴があった。二人の見張りがいるので間違いないだろう。
しかし、そこに行きつく道が無い。大量の荷物を持って歩けば、幾ら道を誤魔化し、途中を消してもその先は道が無ければ運べない。
夜中、ウンクロに中を調べて貰った。
盗賊は378人、鍾乳洞になっていて、入口は、3m四方だが、中は、幅30m、高さ10mの大きさで途中何か所か狭くはなるが、数十kmは続いているようだ。
3か所に分かれ、一か所は、遺跡の1km手前、もう一方は先ほどの街道の3km手前に続いていた。もう一つは大森林の5km奥に繋がっているようで、自然の要塞になっている。
こりゃあ、結構大きな盗賊団だな。
殆ど自給自足できる状況で、見つかりにくく、逃げるも攻めるも思いのままだ。これは、相当期待できるな。
攻略開始だ。
深夜、3方に分かれて侵略を開始した。
ウンクロ街道の入口に侵入し入口を落盤させて塞いだ。
マリオンが遺跡側の入口に侵入し入口を落盤させて塞いだ。
俺は、中腹にある見張りがいる入口を落盤させ塞いだ。
後は、各個撃破だ。
ウンクロは、今回クナイを使っていた。あのお手玉スキルだ。
クナイを投げると、額に刺さり、又、手元に戻ってくる。
刀で弾こうにも避けて当たる。もう反則だ。
マリオンは、大きな薙刀を使っていた。中国の武将みたい。
背中を使ってグルングルン回しながら薙ぎ払っていた。
今訓練中なのだそうだ。
相手の矢を柄の部分でカキンカキンと弾くのは、一歩の武器として利用範囲の広さを感じた。
俺はもクイーンの糸を使っている。
キングになった時、俺の魂魄をクイーンが取り入れた為、俺もクイーンの糸だけは、自由に糸操作や切断が出来るようになってしまった。
恐らくウンクロも出来るはず。
両手の拳に3本ずつ繋がった糸をシャキーンとすると1mくらいの刃になる。これで頭を切り裂く。気分は、アメリカのバツ男達の狼男の気分。
遊びで人殺しをやっている様に見えるかも知れないが、自分が使える武器は、試せる時にしておかないと、いざと言う時に使えない。
塚×卜伝の鍋の蓋と同じで身の回りにあるものであれば、自然に使えていざと言う時に役に立つのではと思っている。
この1mの糸は、いつも手に巻くようにしている。腕当ての防具が攻撃手段になるかのテストなのだ。
この世界での命は軽い。一瞬で命は無くなる。得意な武器が封じられた時に備えるのは大変重要だと思う。
3人が合流した時は、死体の山だった。
みんな、服は切らなかったよね。スラムに配るから。
OKのようだ。
四叉路の中央が広場になっていた。
残りの皆さん50人くらいは、大森林の方に逃げたようだ。
そこには、沢山の食料があった。
穀物倉庫のように積まれた小麦、塩、干し肉、酒など。
400人近くの大所帯だものそりゃあ凄い量だわ。
近くに鉄で出来た頑丈な扉があった。蹴り飛ばしてみると金銀財宝の山だった。はっきり言って遺跡やダンジョンより凄いんじゃない。
金貨5000枚以上あるよ。
宝石類も何だかスコップですくう程は、・・・ちょっと大げさか。
金の延べ板ってどうやって換金するんだろうか。
取り敢えず全て収納した。
前に檻があるが、今は50人の盗賊を追って行こう。
大森林に繋がる隧道には、痙攣して亀甲逆エビ縛りの50人がいた。
ずるずると引き摺りながら、四叉路の中央広場に戻った。
檻が2つあり、片方がブラックタイガーウルフの子供だった。
もう片方は、7~9才位の女の子だった。




