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5 誕生そして記憶覚醒


ここは、ウエルシア王国の首都から西に馬車で7日ほどの距離にあるザッカーの町だ。

西の大森林に近いが、塀は5mもあり、魔物の侵入を防いでいる。

塀の外は平原で、数キロ先に小さな村が点在している。

平原には、滅多に魔物は現れないので被害は少ない。

数年前にはスタンピートが起こったことがあるが、街の冒険者の御蔭で今もこの街は健在だ。

 塀の中には、街の領主邸を中心として住宅街が並ぶ。

タケオは、その一画にある少々裕福な商家の3男テルとして誕生した。


父30才(テル5才時)は、ティムと言い、王都からの服や各村から果物を仕入れ、街で売ったり

 王都へ果物を売るなどの行商キャラバンをしている。

 家にいることは1年の半分と言ったところだ。

成人は15才だ。皆、子を産むのは十代後半が多い。


母28才(テル5才時)、マチルダと言い、小柄だが働き者の可愛い女性だった。


長男のアム10才(テル5才時)金髪でスラっとした優しい兄だった。商人の才能があり、父と既に行商に行っている。


次男のナム8才(テル5才時)茶髪で活発ないたずら小僧といった感じだ。剣士の才能があり将来は街の自警団に入ろうと訓練に参加している。


街の人の服装は、中世ヨーロッパに近いと思う。髪の色は金髪が主流のようだ。

目は、碧眼 彫が深く美男美女が多い。

水汲みが大変だ。毎朝つるべ井戸から汲みだすのだが、街に5か所しかない。

順番待ちもあり、結構時間がかかる。

あと、パンツが硬い。現代人にはちょっと辛いかもしれない。

股の間がゴアゴアするのだ。木綿の荒い布地か麻の感じだ。慣れてこないと股に血が滲む。

遊んでいる子供は殆どいない。

生活は決して裕福とはいかない。誰もが働いている感じだ。3才の子まで何かしらの手伝いをしているのだ。

・・・

5才の誕生日、テルは突然倒れた。

 頭が割れそうな痛みが走った。「があーーー」叫び声しか出ない。

「あれ、俺?何か周りがぼやけて・・」

だんだんクリアになってきた。

分かってきた、テル、俺のもう一つの幼い人格。5年間体を守ってくれてありがとう。

父親が世界一強いと信じてるし、母親は大きくなったらプロポーズする予定らしい。

お兄ちゃんたちが大好きで尊敬していることがヒシヒシと感じてくる。

最初乗っ取りした感じがしたが、馴染むにつれ両方が自分だなと感じるようになった。

もう一つの目標が出来た。この家族が幸せになるようしなければならないと心に深く刻み込んだのだった。

・・

まず「ステータス」と念じた。

すると

名前:テル

種族:人類

ジョブ:廃人

HP 1/1

MP 0.99/1

筋力:1

耐久:1

俊敏:1

魔攻:1

魔耐:1

知力:1

幸運:0

スキル:ステータス表示

称号:(神の呪い 10才の誕生日に幸運値マイナス1万)

見事に最低である。

「ステータスクローズ」と念じ、閉じた。

さて、これからが本番だ。


・本当に幸運値を稼ぐことはできないのかの調査をしなければならない。

神が本当は、回避する方法を知っていても、絶対嘘をつくに決まっている。

 

・来年には神託が下る。5年後に厄災が発生し、それを祓うため翌年勇者召喚が行われる。

 そして厄災の忌子の存在が王国内に知られてしまう。

勇者が召喚する前には、家を出なければならない。しかし、家を調査され、いなくなったことが不自然とかになるとたどり着くかもしれない。

テルのためにも微塵も痕跡を残してはいけない。これは、打ち明けるべきか悩むところだ。

相手に寝返ったとしても構わないが、テルが悲しむし、今秘密裡に行動する場合、どうしても行動範囲が狭くなってしまう。

時間もない。

「ううん」唸ってしまう。

俺は、賭けに出ることにした。

夕食後俺は家族を呼び止めた。

「父さん、母さん、兄ちゃんたち大変重要な話があります。」

「なんだいテル、父さんはいつだって味方だぞ」

「はい知ってます。ただこれから話すことは、生死がかかる一歩も間違いが出来ないことです。荒唐無稽に感じるかも知れませんが最後まで真剣に聞いてください。」

 そう言って俺は、今までの事、厄災の忌子の事、神託の事を話した。

最後に神様から10才までここに居れば全員が火炙りにされることも話した。

理路整然と話したこともあり、皆も信じたかどうかはわからないが、真剣に聞いてくれた。

34才と話した時、母さんが嫌な顔で胸を押さえ隠した。いやおっぱい飲んだのテル君だからね。そこは別人格だからと心の中で釈明した。

俺は皆に厄災を未然に防ぐ方法を10才までに見つけ、いつか必ず帰ってくるといった。

本当はそんな方法はまず見つからないことは知っている。

皆もそう思っているはずだ。

でも努力したい。守りたい気持ちが沸々と湧いてくる。きっとこれはテル君の気持ちが入っている。「大賢者(タクヤ)お前以外にも好きなやつがいっぱい出来たぞーー」と心の中で叫んでいた。

・・

ナムからは、「お前は、いつだって俺の弟だからな」と言われた。何か涙が出てきて

家族で抱き合って泣いてしまった。


「神よお前ら全員ざまぁしてやるからなーーー」と空に向かって意気込んでみた。


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