45 冒険者活動 本格開始
俺たちは、常時依頼の薬草採取に来ている。
マリオンも殆ど薬剤採取で稼いでいた。
需要があるので、成り立っているが、E級以上の冒険者はまず来ることはない。
一日当たりの収入が低いからだ。
採れる場所は、誰も教えてくれない。
新人は、1月程は、ほとんど採れない。E級冒険者になったものからお金を払って聞いたり、タダで荷物持ちをしながら聞いたりする。
薬草採取は、新人の死亡要因の一位だ。
不思議に思う方も多いだろうが、この地域は、ゴブリンが大量にいるのが特徴だ。
昔は、脂取りのために安値だが需要がり、外に売っていたようだが、植物から抽出するのが主流となった今では需要が無くゴブリンは売ることも出来ない害獣となった。
半年に一度、ゴブリン大型討伐クエストがあり、大量に間引いているが、すぐ増える。
ゴブリンが増えるとそれを餌にオークが増えると言う構図が生まれる。
要は、薬草採取中襲われるケースが多いのだ。
また、この2年討伐は行われていない。隣の国といざこざが増えたため冒険者が割のいい傭兵になり、国境付近に行っているので人数が足りないようだ。
ギルドも練習場を作り死亡率を下げようと頑張っているが、成果は全く出ていない。
ギルド長は、この問題で頭を悩ませている。
この街に来てからウンクロが暇なので、街の外のマップを作らせていた。
特に隣接する大森林の細部の地図だ。
ウンクロは、同魂異体だ。当然俺のスキルも使える。鑑定を使って薬草の分布、ゴブリン村、オーク村など細かく調べてある。
二人で適当に薬草を採取して本題に入る。
マリオンのゴブリン討伐によるレベル上げだ。
今日は、1対1にして戦っている。
実際のゴブリンたちは、自分が弱い事を知っている。3匹以上組むのが普通で単独で歩くのは、レッドキャップ、ハイゴブリンナイト以上のレベル20近い上位種だ。
鑑定し、レベ5以上のゴブリンを一匹だけ通す。レベルの低いゴブリンはほとんど先兵で前にいるので、気配遮断で近寄り蹴り殺す。
すると共食いなので皆で食べる。そこの一匹だけ放り投げ、マリオンと戦わせる訳だ。
最初は戸惑って時間が掛かったが、段々一撃で倒せるようになった。
1か月ほどで、レベル7になり、ゴブリンナイトレベ12程度なら瞬殺出来るようになった。
今度は、多対一での戦闘だ。
1か月くらいは、マリオンは傷だらけだった。
「マリオン駄目だ。次を見るんじゃなく、確実に1匹を切るんだ。次が躱せないと思ったら切らないで、隙が出来るのを待て、盾で防いで切るのは致命傷にならないケースが出てくる。剣を合わせれば胴ががら空きになる。片手で合わせれば押し負けなくとも体力を急激に消耗し、剣閃が鈍る。
戦いは確率じゃない。一撃貰えばそこでお終いだ」
段々確実に仕留められるようになった。
今では、ジグザグに走りながら相手に隙を作らせ、止まらずに仕留めることが出来るようになった。
マリオンのスタイルが定着しつつある。
スピードに緩急をつけ、右、左、両手でも握って最適ルートを一閃する変幻自在の剣客と言った感じだ。必要なら刃渡り40cmの短剣で二刀流もこなす。
舞を舞うような剣閃が円の様に周り、段々足技も出来るようになった。
(マリオンに頼まれて、小刀を与えた。ダンジョン産のミスリル制だ)
剣聖はレベル10から経験値アップスキルが生えてくる。
現在レベ10になったマリオンは、前より早くレベルアップするだろう。
あれから半年、既にマリオンはレベル30になった。
ステータスは、
名前:マリオン
種族:人類
ジョブ:剣聖(剣舞聖)
LV 30
HP 600/600
MP 200/200
筋力:250
耐久:150
俊敏:500
魔攻:150
魔耐:200
知力:400
幸運:3
スキル:経験値2倍UP
生活魔法クリーン、聞き耳、危機感知Ⅴ、気配察知Ⅴ、気配遮断Ⅴ、忍び足
俊動Ⅲ
技能:舞姫(中級)、見切り(中級)、二刀流(中級)
※技能はMPのいらないスキルのことで、魂の力と肉体の力の融合
高位クラス、勇者と同じ、上限は平均1000
最早、剣士レベ70でも勝てる。
・
今度は、オーク狩りをしている。
未だ、単独でのゴブリン村は無理だからだ。ジェネラルにも劣る。
キングがいた場合、瞬殺されるだろう。
この街でも村を狩る場合は、オークキングがいる場合は撤退である。
高レベルの勇者でも限界突破で底上げして聖剣持っていい勝負だ。
勇者パーティーなら勝算はあるが単独ではこんなところである。
タケオは、一度聞いても分かっていない。タケオの基準は、お掃除した時の冒険者の会話が全てなのだ。
ドラゴン討伐しないとC級には成れないが基準だ。
サイから聞いた話で覚えているのは、「ステータスは目安で、信じるな。」だけだ。
マリオンは、未だ剣閃のスピードが足りない。ステータスの俊敏が高くても足は速くなるが、剣を持つと筋力との兼ね合いが出てくる。
剣を軽くすれば早くなるが、威力が減る。減れば耐久力で阻まれる。
急所を狙うには、早さや、相手の技量次第では躱される。
悪循環になってしまう。
そこでハイオーク、オークナイトまでなどの耐久力の高い魔物との戦闘をすることにした。実際のステータス上は剣の性能も含めれば上回っているのだが、実践では、一対一など殆どないし、足場、傾斜、地面の柔らかさ、視界、等からクリティカルにヒットしても最高の一撃は困難だ。オークは特に脂の厚みがあり、間合いが近くなる。
その為一般的には、切るではなく、パーティーの力で叩き潰す。
複数のオークはD級冒険者でもちょっとシンドイのだ。
しかし、さすが舞姫だ。数十回で間合いの短いオークでも舞うように倒していった。
オークは、常時依頼なのでポイントになるし、肉も高く売れる。
ここまでで、200体はギルドに卸している。実際は後500体収納に入っている。
あまり卸すと目立ち過ぎるので、毎回3,4体ずつ卸していた。
剣聖はレベル50になったが、頭打ちになって来た。
マリオンの課題は、メイジやアーチャーが入ると途端に殲滅スピードが落ちる点とオークの上位種には、躱されたり、一撃では不十分になることが多いことだ。
まず、マリオンの剣は、円形軌道をとることで剣閃のスピードを上げ威力を増す。
逆に言ってしまえば、相手の動体視力が優れていれば、読み易くなる。
楕円にしたり体の回転軸を変えたり、回し蹴りをして読みにくくしているが、間合いが短くなればなるほど窮屈な軌道になることは余計読みやすくする。
そこで、魔剣の特性を利用した。この魔剣は、魔力の刃を先頭から飛ばせる。
前からHPオーラを強化する訓練と魔力纏いの訓練をさせて来た。やっと全身から剣先まで届くようになったので、一瞬だけHPオーラと魔力を混ぜて魔剣の刃が先に出る特性を利用してHPオーラで包んだ刃先が15cm程伸ばせるようになった。
延ばした刃先の攻撃力(切れ味)は、魔剣の性能にはまだ及ばないが、魔攻のステータスが上がればそれ以上になる。
予測としては、レベ70辺りで魔攻500を超えればそれ以上の能力になり、刃先の方が切れるようになる。
マリオンの場合、HP、MPは、無限ではないので、なるべく切る瞬間だけ刃先を伸ばす訓練が必要だ(1秒でMP3/HP3)。ただ、レベ50から覚えたMP/HP自動回復(強)で1秒1回復するので少し休めば元に戻る。
次にメイジの魔法とアーチャーの対応だがこの魔剣を利用する。
短剣の方もダンジョン産の魔剣に変えた。
ショートソード50㎝で、こちらも魔刃が出せる。
同じように刃先も延ばせるが、縦に魔刃の刃を飛ばせば、けん制しながら戦える。
こちらも刃の部分を細く短くする訓練をする。
通常の魔刃は、剣の長さ分そのまま飛んでいく、スピードを上げるには振ることでその分力が上乗せされる。最大能力は魔攻力に依存する。
しかし、HP纏いをすると、魔剣の先端から出るようになるそこに魔力循環で剣先まで纏うと魔力を先端に集中することが出来る。
つまり、魔刃を圧縮した小さな刃を剣の長さ分加速した魔刃が出る。
スピードは相当速いし、見えない刃なので避けようがない。
威力は、魔攻の3倍くらいあると思われる。
魔攻の数値が上がればもっと早くなり、威力が上がる。
ただ、この辺は、限界値がありそうなので、試していくしかない。
鍛練する事3か月、マリオンは、レベル65になった。
もうオークでは、ジェネラル、キングクラスでないとレベルが上がりそうもない。
マリオンの流れる剣閃は、芸術のようだ。
その舞が始まるとオークの首が刃も当たっていないのに宙を舞う。
舞終わるとそこは屍の山となる。
月夜の晩に死体の山の上で振り返って“ニコ”とされると怖くて寝れなくなりそうだ。
ステータスは、
名前:マリオン
種族:人類
ジョブ:剣聖(剣舞聖)
LV 65
HP 800/800
MP 600/600
筋力:600
耐久:550
俊敏:800
魔攻:600
魔耐:500
知力:750
幸運:5
スキル:経験値2倍UP,HP自動回復(強),MP自動回復(強)
生活魔法クリーン、聞き耳、危機感知Ⅵ、気配察知Ⅵ、気配遮断Ⅵ、忍び足
俊動Ⅴ、魔力纏い、
技能:舞姫(上級)、見切り(上級)、二刀流(上級)
※技能はMPのいらないスキルのことで、魂の力と肉体の力の融合
高位クラス、勇者と同じ、上限は平均1000
HP纏いはステータスには反映されない。HPオーラは、この世界の全員が持っている基本なのでHP纏いは基準から外れている。




