42 ゴミやクズは綺麗に拾って捨てましょう
冒険者ギルドを出ると、マリオンに金貨1枚と銀貨5枚を渡した。
「一方的に助けて貰って、お金まで貰うなんて、そんな真似、出来る訳ないだろう」
ホント真面目な奴だ。
俺は彼女を少し気に入り始めた。真面目でいい奴だ。今までこんな素直に適齢期の女性と話せたことはない。恐らく最初が戦闘だったのもあり、戦友の様な感覚で話せるのだと思う。
ただ、このままだとお友達止まりな気がするが、ワンちゃんは必ず訪れる。
これは、絶対キープだな。
「じゃあ、街を案内してくれないか、今、午前中だから今日一日行きたい所を案内して欲しい。マリアンは綺麗だから彼氏がいるかも知れないが、そのくらいいいだろ」
・
「彼氏なんて・・・・・いない。彼氏いない歴年齢の私だ。他の子を紹介する。私など迷惑だろう。こんなデカい男女なんて・・・・それに・・・・・・」
・
何か変だな?さっきもクラッシャーとか呼ばれてたよな?
まあ、ここは聞かぬが花か、自然に話してくれるまで待とう。
ワンチャンあるかも知れないし。
でも、他の子も捨てがたい。
いやいや、ここは、二兎追うものは一発も出来ずだ。
まず、ここで信頼して貰ってからだ。
(やっぱり下半身が基本のぶれないタケオだった)
・
「いや、マリオンがいいんだ。君のナイトだと言っただろ、でも君がどうしても、どうしても俺が嫌だと言うなら紹介してくれ」
・
・
・
「・・・分かった。そこまで言うなら、私が案内する」
何かチョロそうだな。これは、本当にチャンスかも。
まず、服などの織物屋へ連れて行って貰った。
クィーンジャイアントスパイダーの糸を見せた。
これを織って2mX3mの長方形の布20枚を作ってほしい旨を伝えた。
糸は前もって紡いでおいた。糸と言っても大量の魔力を使い伸ばしていかないと紡げない。まず一般の人には無理だ。夜な夜なウンクロと細くして、両手でくりくり巻き取り、魂魄オーラと魔力を混ぜながら3本編みして作ったちょっと太めの糸だ。いっぱい作った。
機織屋のおばさんは、暫く考えていたが、質問してきた。
「これ、ジャイアントスパイダーの蜘蛛の糸だろ。織る時魔力使わなくていいのかい」
ちょっと考えたが、作った後に再度目地締めする時やればいいか。
「ええ、大丈夫です。」
20枚だと一月貰えるかい。それでも急ぎだからね。
金貨20枚でどうだい。
「後、目算だとこの糸玉10個で1枚くらいだ。200個用意しな」
俺は、金貨20枚払い、糸玉100個だけリュック経由で渡した。中間で10枚受け取り、進捗状況を見に来て残りを渡すことにした。
ちょっとリュックの大きさと量が合わなさそうだが、マリオンが外にいる時2個リュックを出してさも3つ背負って来ました風に誤魔化した。
まあ、この世界に収納持ちを見た人はほとんどいないらしいから分らんだろ。
この糸玉、刃物では切れない。一本の糸で布を織らなければならない難易度の高い
熟練のものしかできない機織りなのだ。
どうやって織るかは、知らないので本当は手織りと言った方がいいかもしれない。
最後余る分が布先に残るので横流しができないから安心だ。
金貨100枚と思っていたが、安くて助かった。
マリオンが不思議な顔をしながら聞いてきた
「ジャイアントスパイダーのマントは、一枚金貨500枚でも買えるかどうか判らないぞ。タケオは一体どこからそんな糸を持って来たんだ」
クィーンが付くからきっと世の中にないんだよな。
「内緒だぞ。大森林のサンドラ連合国の近くには、昔の賢者の洞窟があったんだよ。もう今は無いが、そこから全部持って来たのさ」
嘘である。ここは嘘も方便と言う事で。だって本当のこと言えないし。
・
お昼も過ぎちょっと遅めの昼食となった。マリオンが美味しいと評判の定食屋に行くことになった。
未だ、ヘアカラで買った屋台の串焼きとか残ってるんだよな。
まあ、早く消費したい所だが、おいおい食べるか。
定食屋に入ると、お決まりの股間隠しが始まる。ここに来るまででも杖をついたお爺ちゃんまで隠す始末だ。
もう見飽きたわ。
マリオンは、又、下を向いて沈んでいる。
気にせず、「ここは何が美味しいんだ」
「ここは、ボアカツが旨い。脂がのっててもう食べてる先から頬っぺたがテカテカするぞ。黒いソースと辛いマスタードを付けるともう最高だ。金さえあれば3枚はいける」
・
これって日本の料理だよな。絶対、勇者が広めたとしか思えない。
ひょっとして他にもあるかも。ちょっと温いけどプリンもあったし。
「それって誰が考案したの?」
「ああ、それは、200年前の勇者が考案したと伝えられている。
特にソースは、50種類以上のスパイスが使われ、国が管理する門外不出のレシピらしい。それなのに全国に広まっているのは、王都から全国に配達されているからだ。国の利益の一つになっている。
他の料理にも使えるからな。」
すげーな200年前の勇者。こんなものまで再現するなんて料理人じゃないかな。
銅貨5枚もする。日本円にしたら5千円だぞ。
そりゃ毎日食えない訳だ。
パン粉も拘ってるな、サクサクだわ。
これあげてる油なんだろ。後で聞いて仕入れてみよ。ソースは絶対だな。
ご飯が食いたくなっちゃうよう。だって日本人だったらご飯とみそ汁だわ。
みそ汁は赤だしがいいな。
でもパンなんだよな。カツサンドって方法もあるか。ソースが染みて旨いんだよな。
ついつい懐かしんでしまった。
お昼は、当然奢った。
ワンチャン教本があるならきっと基本技として書かれるだろう。
マリオンは最初遠慮していたが、「君と食べるだけで、3倍払ってもいいくらいだ」と突っぱねた。
マリオンはちょっと赤くなりながら遠慮してくれた。
もう5押しくらいでワンチャン来る。
34+15童貞のシュミレーションを舐めるなよ。
次は鍛冶屋だ。
エアーサーフィン用の板を作って貰う予定だ。
鍛冶屋に樫で作った見本を置いて説明した。
鍛冶屋のおやじが渋い顔をしながら、一枚物は無理なので、上板と下板、後、補強用の内部金具でなら出来ると言ってきた。金貨40枚と言ってきたので、内容を聞くと25枚はミスリル代と言っていた。
使用するミスリル量を聞いたので、その倍を持ってきたら只でいいという事になった。
マリオンを隣店の魔道具屋さんで魔法の指輪を売ってきてくれと30個ほど頼んだ。
その隙にミスリルのインゴットをリュックから出した。
3倍近くになったが、それでいいと言って渡した。20日で出来るとの事。おやじは大喜びだ。
総ミスリルの家を何十件建つかもな程持っている。誤差範囲だ。
本当にミスリルゴーレムさんお体使わせて貰ってます。
魔法の指輪代は金貨12枚にりマリオンから受け取った。
まあ場所によって違うしな。
夕方になり、宿屋を紹介して貰うことになった。200m程真っ直ぐ行った所に3本の矢をモチーフにした宿屋スリーアローがあるそうだ。
マリオンは、先に確認する事があるからゆっくり来いと言って走って言った。
何だろう?宿屋の娘なのだろうか?
まあ俺にもやる事があるので、丁度いい。
俺は、直ぐ前の路地を右に曲がり歩いて行った。
・
「リーダー あいつクラッシャーと別れて路地に入りましたぜ。」
「ここは行き止まりだ。皆、剣を抜け追うぞ!」
「へへへ、あいつ結構持ってますぜ分け前は多めにお願いしますよ」
「ウソック、本当だろうな。女を抱けるくらい持ってなかったら、ただじゃおかねーからな」
そう、ウソックは、C級冒険者パーティーのメンバーを引き連れ、昼間の仕返しに来たのだ。
鍛冶屋を出る時から5人が後をつけ始めた。
一人目は、リーダーと呼んでいた。腹の出た中年男だ。
二人目は、2m200㎏はありそうな巨漢で、常に股間をボリボリ掻いている変な病気を持ってそうな男だ。
三人目は、ひょろ長く、薬でイっちゃったような青白い顔をした奴だ。
四人目は、中肉中背だが、背中が丸まり、鷲鼻に大きいイボが出来た上に太い毛がひょろんと出ているのが特徴の男だ。
最後は、ウソック 150㎝は無いくらいの浅黒い顔となんか腰ぎんちゃくみたいなへこへこした奴だ。
後で聞いた話だが、このパーティーに良い噂は無く、新人をしつこく勧誘し荷物持ちに連れていくが、今まで、数人が行方不明になった。何度か調査したが、冒険中では無くいつの間にか失踪しているため、ギルドが全面的に入り込めない。彼らの服らしいものをスラムのものが着ていたとか、防具らしき物が闇市に出ていたのは発見したが、当人が売ったのかスラムで盗まれたのかそれとも似ているだけなのか、服に大きな血糊も無く決定的証拠にはならなかった。
当人がいないので関与した証拠が掴めず、街から出たのだろうという事で落ち着いていた。
冒険者ギルドでも新人には近づかないよう指導していた。
しかし、あの受付嬢は、なんでそんな奴の言う事信じたのだろう。
巨漢の男
「僕ちんの好みだよ。やっちゃっていいよね。上から乗って身動き出来ない所に一気にズドンが気持ちいいのん僕ちん。壊れちゃうけどどうせ捨てるんだしいいでしょ。」
青白い顔をした男
「お前の趣味は分かっているが、少しは粋のいいうちに渡してくれよ。暴れまわるのをむりやり腕や足を素手で捥ぎ取るのは、快感だぞう、ぶちぶち音がして逝ってしまいそうだ。うふふふ」
リーダー
「おい、この前の新人に大声出されて危なかったんだ。猿ぐつわ忘れるなよ。大森林に捨てれば、魔物が綺麗にしてくれる。それまでは気を抜くな」
鷲鼻の男
「捥ぎるのはいいんだが、ちゃんと脱がせて血が付かないようにしてからやれよ、運ぶ時スラムの奴に配らねえと寄ってくるからな。スラムと街の境目にある穴まで行くのに一苦労したろ。後、防具凹ますなよ。スラムにある闇の防具屋で買い叩かれちまう。娼館でいい女抱けなくなるぞ」
いい事聞いた。へー、スラムと下水の間に穴があるんだ。
門番に見つからずに外に出れるんだね。防具も通りすがりに売れる訳だ。
聞き耳スキルは便利だ。
100m位路地に入ると行き止まりになった
カカトにスパイクの付いたミスリルのガードを装着した。
今日はカカト体術の鍛錬だ。
おおーいと手を振ってみた。
「何か御用ですか。行き止まりなんで戻らないといけないんですが」
リーダーが「戻らなくていいんだよ」と言っている横から。
いきなり、大男がジャイアントプレスとか言って突進してきた。
右横に躱しながら、相手から見て左足の側面を足のカカトで打ち抜いた。
“ペキ”と音がして靭帯が切れ転がっていった。
「足がー足がー」と言いながら膝を押えていた。
そこ、足がーじゃなくて膝がーと言った方がいいよね。
お揃いで、もう片方の足の膝をカカトで粉砕した。
青白い顔の男が音もなく後ろから“スー”と肩をつかみにきた。
真後ろなので、横目で見ながら相手の弁慶の泣き所(向う脛)をカカトで“ペギョ”という音ととも左足を後ろにへし折った。前に倒れかかろうとするのを腰を少し折ってくるっと右に回りながら躱す力を利用して右足の向う脛をカカトでへし折った。
剣を抜き、右片手で上段から切りかかってきた鷲鼻には、左足を前に踏み込み足根骨
を砕きながら右肩を開き軌道を躱し、そのまま倒れ、四つん這いになった左足も脛骨を上からカカトで砕いた。
リーダーは、剣を横に置き、「助けてくれ、助けてくれ」と膝をついて両手を合わせお祈りのポーズをし出した。
その前を通り、逃げだそうとするウソックの足を下段回し蹴りで転がし、前と同じように足首辺りの足根骨を斜め上からカカトで両足を砕いた。
不意に膝をついたまま後ろから剣で刺しに来たリーダーの剣を足の裏で地面に踏みつけ動けなくなった右拳をカカトで踏みつけ粉砕した。四つん這いになって足の裏が見えたカカトの上、ようはアキレス腱の上の方(脛骨下部)あたりをカカトで踏み、両足をへし折った。
誰も来ない行き止まりの端っこに2m正四角形の盾を四方に出し囲いを作った。
そこに手首も全員カカトで砕き中に放り込んだ。
逃げられると嫌だし、鑑定で治癒魔法を使えるものがいないのを確認し、上に蓋をした。
オリハルコンなので動かすことも壊すことも出来ない。
ゴミ箱は蓋しないとカラスに食べられちゃうから。
そして路地を出てスリーアローの宿屋へ向かった。




