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28 厄災(王国、神界SIDE)


厄災の日はやって来た。

王城には、王パインブック、宰相、聖騎士団

そして、勇者パーティー5人が揃っていた。


宰相「今日、審判の日となった。どこで何が起こるか分かりませぬ。

 各々、各観測隊の報告を待ちましょうぞ」


観測隊とは、今回の厄災が起こっている場所を特定及び起こる事象を正確に把握し、その内容を可及的速やかに王城へ報告する部隊である。

そこには、遠目Ⅴ魔眼Ⅴを持った魔導士数名、念話Ⅴを持った伝達者が、王国の東西南北の4か所に配置された。王城には、念話を受ける通信使がおり、これを報告する運びだ。

1時間ごとの定期連絡、緊急時の連絡がある。

各国も同じように配備して備えていた。

魔眼持ちは、王国でも数人しかいない貴重な人材だ。クラスⅤまで上げるのは今回の事態に当たるために前もって訓練していた。


定期連絡 第一報が朝届いた。

 「東西南北異常無し」

 全員がフーと息を吐いた。

暫くすると、

「緊急報告、西、西の大森林500km奥から不穏な黒い霧発生 直径一km程度、外周に集まる薄い灰色の大気は、100kmを超えます」

「位置的には、マツキオン王国と我が国の中間に当たります」

 全員の気が引き締まった。

横にいた厄災の研究者が文献をばらばらと捲りながら、

「これは、過去にあった厄災の現象に一致します。

規模は、・・・100年前の数倍であります。」

宰相「それは、どれ程の被害になるのだ」

全員が、冷や汗を搔きながら研究者の言葉を待った。

研究者は、紙に文献の要所を書き留めながら、

「今までは、これを吸収した厄災の忌子が、黒い閃光を数千キロに渡って放ち、魔物を中心に有象無象の闇のものにまで指令と力を渡すと記されています。

F級モンスターはE級に1階級アップさせると記されています。

影響を受ける階級は、B級モンスターまでですが、黒い霧近く10km以内にA級モンスターがいれば、影響を受けると記されています。

これにより、その時々で影響は異なりますが、世界の1割から2割の人類が死滅するそうです。

今回の規模を単純に当てはめて、小さく見積もっても人類は壊滅する規模です。」

城内は、混乱の坩堝となった。

逃げ出すものが続出した。その噂は、あっという間に全土に広がるだろう。


王「逃げ場は無いのか?」

「ありません。有象無象の闇のものから逃れる術はございません」


「緊急報告、西の森 発生地の黒い霧の下に光り輝く盾が出現、霧を吸収している模様」


研究者は、ばらばらと文献を捲り始めた。

「今までそのような事象発生はございません」

・・

・・

1時間くらい経つと

「緊急報告、西の森 発生地の黒い霧が7割以上吸収された模様、収束に向かうと思われます。」

・・

王城内は安どの息で包まれた。

王「人類滅亡から救世されるとは、これは原因究明をしなければ、枕を高くして眠れぬわ」

・・・・・・そのころ 西の森近くの調査隊・・・・

魔導士が魔眼で監視していると。

「何だ、あの黒い玉は、先ほどの霧の濃さとは比べ物にならない。」

5個の玉は各々が高速回転し始め、5個全体が回転し始めた。

すると先ほどとは比べ物にならない濃度の黒いものが出てきた。

それを分析しようとしたら、頭から自分がそこに吸い込まれているのが分かった。

「眼が、眼が、あの黒い霧の中を覗くな、絶対・・」

と言葉の途中で彼は、息絶えた。目が真っ黒になっていた。

別の遠目Ⅴの魔道師が全体を見ていた。

抑えていた白く光る板が何枚か吹き飛んだ。

直ぐ新たな盾が現れた、また吹き飛んだ。また現れ、吸収し始めた。

「緊急報告、西の森 5個の黒い球出現、回転しながら黒い霧吐き出す。

黒い霧濃度増す、先ほどの数倍以上、魔眼魔導士1名死亡濃度が高く内部分析できず」

また、城内は混乱となった。

「緊急報告、西の森 白い光る板が回転しながら数度の試みで吸収に転じる」

・・

・・

最早 何も言えず皆“ポカン”と口を開けていた。

・・・・・

・・・・・

午後になり、全ての霧は晴れた。

厄災の忌子は、降臨せず事は終わった。


・・・・・・・・その頃神界では・・・・・・・・・・・

下級神が監視していた。下級神は、中級神に報告した。

「神様、今までにない黒い霧が現れましたが、消えました。

 黒い霧は、高濃度であったのと、中心に暗黒のシバト神王クラスのエネルギーを感知しましたが、それも消滅しました。」

・・

・・

「お前は、誰だ?何言ってるかさっぱり分からない。

 高濃度ってどれ位?お前目が悪くて眼鏡変えたよな。

 シバト神王って会ったことあるの?

 一瞬強く真っ黒に光っただけだろ。

 ミジンコになる覚悟があって言ってるよな。」

下級神は思った。こいつ揉み消すつもりだなと。

ここは、脳筋縦社会、イエス・サー以外に答えはないのだ。

「はい、そう思います。」

中級神は、考えた。これを上級神に話せば、俺は明日、ミジンコになる。

どうせ調べもせず、お前が正しくやらなかったと必ず俺のせいにされる。

どう乗り切るか、今絶対に間違えられない。

厄災の忌子は助かったみたいだな。これでは、厄災の忌子の魂も回収できない。

「後、厄災の忌子の称号は無くなり、救世主:厄災を祓うものが付与されました。」

「何でそんな称号を付けた。俺は付けてないぞ。直ぐ取り消せ!」

「出来ません。我々より上の存在と思われます。」

「ある訳ないだろ。今回の事を知っているのは、俺たちだけだぞ。

バグだな。だから消せないんだよ」

中級神は考えた。血管が切れるまで考えた。

・・・・・・ポク、ポク、ポク、“ぷりっ”・出た・・・

「厄災の忌子の称号を秘匿にせよ。

 勇者に称号を付与せよ。それは、“厄災を未然に防ぐもの明日の戦士Ⅱ”

 神託を出せ」


称号:厄災を未然に防ぐもの明日の戦士Ⅱ

(半径10km以内に入ると“人差し指の矢印”が頭に浮かび、“救世主:厄災を祓うもの”を指し示す。顔が傷だらけ、出っ歯、隻眼のおじさんの声で“殺れ、殺れ、殺るんだジョー、殺るんだジョー”と寝ていようがずっと聞こえるらしい。さらに強化し、月の初めに夜寝ると同時に“殺れなきゃミジンコ。殺れなきゃミジンコ。・・”と起きるまで続く。)

すでに勇者は、キリングマシーンとなった。タケオ専任絶対的刺客として。


神託:未然に勇者が厄災を祓った。

   勇者は、未曽有の負のエネルギーを感知し、自然に体が動きこれを消す処置をした。

   内容は、理の禁忌に触れるため、記憶を封印した。

   勇者よ 未だ、残証がある。今後も厄災の祓いを怠るべからず。


「神様、称号の秘匿ですが、我々は、忌子に干渉することが出来ません。神の誓約をしましたよね」

「分かっている。お前の下僕に馬と鹿の混血獣人居るだろ。ほら、お前専用の便器だけ掃除してるトロそうな変な奴、そうだこの前便座スリスリしてたな。

まあいい、午後8時までに、お前の部屋に連れ込んで、あいつを酔わせろ。前後不覚でも意識は留める程度にな。人間の称号を秘匿するスキルを付与して厄災の忌子の称号を秘匿するよう誘導しろ。終わったらスキルを強奪して終わりだ。酒はこれを持っていけ(度数95%の安酒)、誘導するのは、8時から20分間だけだからな。」

「なぜ、8時から20分何ですか、だいたい観察神に見つかりますよ」

「大丈夫だ。今から観察神に俺の秘蔵の“ネクタル100未開封6000年もの”を渡すから

 8時から20分だけお前の部屋の神眼監視カメラを切ってもらう。

 あいつは、酒に目がない。アイツにとってもこのチャンスは、逃すことはできない」


下級神は、7時30分に馬鹿獣人を部屋に招き、酒を飲ました。

お前はいい奴だ、真面目で目を掛けてる、お前がいないと困る。とか賛辞を言い飲ませた。

8時には、スキルを付与し、“俺の言うとりにしろ。良いぞ、旨いぞ”と言いながら

体を未着させ、手取り足取り動かさせ、厄災の忌子の称号を秘匿させた。


スキル奪還は、神でも結構神力を使う。右手を馬鹿獣人の腹に乗せ強奪した。

ちょっと頭が“くら”として、馬鹿獣人の上にに倒れてしまった。


「おらは、おらは、前から下級神様のこと好きだったんですだ。おらは、おらはもう我慢できねーです。」

「おい、止めろ。後ろに回るな」

しかし、下級伸は、神力の使い過ぎで力が入らない。


「お前、何だそれは、それは駄目だ。絶対だめだーー」


彼は、馬だった。それはそれは立派な馬だった。


その夜、「あぎゃーさけぎゃーーー」「ひひーん、ひひーん」と言う声が響いた。

夜は長い。さけは程々に。

中級神は夜中、転生神に厄災について報告した。

「概ね、ご指示通りになりましたが、今回は厄災の規模が小さくて、厄災の忌子が少々元気に生き残ってしまいました。

まあ、魂の器は、ボロボロなのですが、少々長生きするかもしれません」

「仕方ない。そうそういい具合に壊れるとは限らん。我々悠久を生きる者にとって

 数年など瞬時の話だ。 良くやった。下がって寝ろ」


こうして、厄災の日は旨く乗り越えるのだった。

“チンキン、チンキン”

アダマンタイトー10は、効きにくくなってきた。

ふと見ると、バサっと音を立て、頭の中心の毛が無くなっていた。

本当にどうしようもないクズな中間管理職だった。彼に未来はあるのだろうか

髪の毛の未来も含めて。


厄災は終わった。


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