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11 幸運値の糸口


サイから事情を聴いた俺は、思わず念話で聞き返した。

>今 しませんって言ったよね。って事はやれば復元できるって事?

*・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい でも刺し違えてもしませんよ


コイツ自我があるよな。武士の娘か?いやいや神超えちゃうぐらいだから違うか。


>いや、そういう事じゃなくて、残りの49.999%は復元できるって事なの?

*全てではないですが、私のデータベースにバックアップされています。そのままでは、最上級神しか使えないので、マスターに合わせて再構築すれば神の代理機能や最上級神の権限承認が必要な機能以外は使えるはずです。ただ、亜空間ストレージの機能が削除されてしまったので、亜空間へのアクセス機能を再構築する必要があります。その手段は、アカシックレコードの中に存在するはずです。*

>ちょっと待って、アカシックレコードを覗けるっていうこと?

*はい、自分以外のステータスを表示する場合、能力、スキルなどはそのまま詳細分析して表示しますが、モンスターや他種族の名称など新種の場合もあり、基本データは、最新のアカシックレコードを参照して表示していますので検索が可能になっています。*


これは、凄いことを聞いてしまった。アカシックレコードは、神しか覗けない伝説の世界の記憶だ。本に書かれる歴史書は、戦争などが起こると当然勝った側に一番都合の良い事しか書かれない。真実など全く分からないのだ。歴史学者はそれ以外の情報と合わせて信憑性を判定している本当に脱帽してしまう。神が何を言われてもぶれないのは、アカシックレコードの存在が大きいのではないかと思う。それを覗けるってどんだけ凄いか、歴史学者だったら心臓止まっちゃうレベルだし、為政者・政治家から暗殺必死レベルだわな。


*あ、マスターの場合、レベルが1、HPMP 1だと使える攻撃防御機能は在りません

そういえば詰んでたんだっけ、忘れるところだった。一瞬チート来たよと思ったのに最弱じゃ無理だわな。とほほ


>でも、サイはどうやって動いてるの。俺MP1だし

*本来マスターのMPもしくはMP予備タンクから供給を受けるのですが、無いのでアカシックレコードの通信接続パイプから供給を受けているというかパクってます。アカシックレコード空間は超高濃度の魔素空間なので私が現在使用する魔力量など誤差の範囲です。*

ほんと へたれですみません。

さて、これからが本題だ。

俺は、ごくりと喉を鳴らしながらサイに質問した。

>あのさ、ステータスの幸運値ってどんなものなのかは中級神から聞いたんだけど、増減可能なの?>


サイは考えた。タケオの真剣さが伝わってきたからだ。

*1時間ほどお待ちください。アカシックサーチを掛けますので*

サイは検索モードで検索を行った。光速検索は無いがタケオの持つ高速分析を代行執行し、幸運値、ステータス幸運、コウウンチ、LUKなどいろいろな呼び名で検索した。


アカシックレコードは、万能ではない。画像(64Kのデジタル画素数)より詳細は分からないし、大地表面、海底表面から10M以降は、別レコード方式になる。音声、空気中の散布状態など一定の範囲だけである。その隙をついて古の理の外にいるものは、潜んでいるのだ。しかしこれを原始から蓄える能力は、人知を超える仕組みであることは間違いない。


*解析完了しました。主なものを脳内に送ります*

***

・レベルアップ時の上昇があります。遊び人、旅人、狂戦士ジョブによるレベル上昇時の高アップ。それでも最大値は、200である。


・幸運値が上がる魔物は、ドラゴン、フェンリルなどの幻影種で、30から50上がる。ランクS以上が殆どなのでマスターが討伐するのは不可能。


・未踏破の野良ダンジョンに幸運のスクロールがドロップする場所がある。

レベル1のものが魔物を一度も倒さず辿り着くとドロップする。

使用すると幸運値が10アップする。ただし、一生のうち1度しかドロップ出来ない。


・ケットシーが満月の時、大量の魔素を浴びた10万匹に1匹が10分間黄金色に輝くことがある。この時討伐すると300の幸運値がゲットできる。その遭遇率は、100年探し続けても遭遇出来る可能性はゼロに近い。


・魔導士が、厄災を人工的に起こせないかと実験を行ったことがある。

処刑される囚人や奴隷などから、10年間幸運値マイナス10以上のものを集めた結果200人となった。合計値はマイナス3500あった。

これをネクロマンサー禁忌の秘術 魂魄融合を行い、無理やり融合すると一瞬、黒い靄がかかり、周りの負の力が凝縮したが、一瞬にして吹き飛んでしまい魔導士は死亡した。

その死亡前の一瞬、原因は不明だが、アカシックレコードには、幸運値が350上がったと記されている。

大気の状態、魔導士の魂魄への衝撃などから理を外れた力が働いたと推測される。


・神の加護による幸運値をプラスされたもの。過去最大が500

除外されたもの

・呪いで幸運値がマイナス300にされていたものが、解除され元の50に戻った。


・幸運の金猫さま、王国中の家庭に1個はあったという。

幸運値が1万になったとか、世界のお金の9割を稼いだとか、友達100万人出来たとか、100才のお婆ちゃんが墓から這い出て若い男の子がむりやりされちゃったとか、小象さんがエイリアンになったとか、とにかくたくさんの幸運が起こると話題になった。

さくら付の詐欺だった。


・コウウンチ競技での到達点の高さと幸運値は比例する。子供たちのデマ


 ・幸運値マイナス1万からプラス1万に気合でなった話があった。

 ラノベ ファンタジー部門大賞にノミネートされる予定の小説作品だった。

 しかし、賞に関係なく大ヒットとなった。小説のクライマックスでの主人公の決め台詞が当時の子供の間で人気になった。それを記述する(実までネタバレ有)


まず丹田に気合を入れ、 「こううーんこううーんこうーんこうーんこうん・・」

と両手を合わせ親指を上に向けながら上下にフリフリ、おしりを横にフリフリしながら息張るものである。

そうするとコウウンチ競技でも上位に入賞する程の一番搾りが出ることからお母さん達の便秘解消にも一役買った。

しかし、学園では禁止となった。お尻がもりもり森君になってしまうからだ。


主なところは、こんな感じだった。


魔導士の話は、なぜなぜ分析を掛けたいところだが、データが少なすぎるのと自身の力量では、方法が見つかっても実行可能性はほぼないし、成功しても魂の器が壊れてしまっては意味がない。


ほんと詰んでるよな。



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