1.始まりの手紙
ちょっと気になって調べてみたんですが、どうやら他作品とタイトルが被っているようなので、近々タイトルを変更します。
「こいつは傑作だ!」
私は...?...?
「いつかコイツは_______________だろう」
私はその為に産まれたの...??
「まだ目を覚まさんか...やはり______________...」
「仕方ないですよ、こいつだけ特別____________ですから」
私は...特...別...?
______________________________
『ジャック、急に手紙なんか寄越して申し訳ないんだが、頼みごとがあるんだ。五日前に、最近見つかった遺跡を調査しに向かった調査隊が未だに中間連絡を寄越さない。だからその原因を探ってくれないか?勿論アンタが引退した身ってのは重々承知してる。だが極秘の調査でそこらの冒険者に依頼をする訳にはいかなくてな...アンタの力が必要なんだ!
報酬は弾む!だからもし受けてくれるなら明日の夕刻に何時もの酒場に来てくれないか? ダニエルより』
そんな手紙が私の元に届いたのは自宅で読書に耽っていた時だった。
「あなた〜、なんか市場でお買い物していたら若い男の人が来て貴方宛に手紙ですって」
買い物帰りで紙袋を抱えた、茶色の長髪でおっとりした印象の妻、イルシアが手紙を携えて私の元へ来た。
「ありがとう、手紙なんか珍しいな」
「そうねぇ、誰からかわかるかしら?」
イルシアは紙袋を机の上に置くと私の対面の椅子に座った。
「さあな、読んでみないことにはわからんさ」
手紙の封を破り中を確認すると、どうやら調査隊から連絡が無いから私に確認に行って欲しいという依頼文だった。そして最後には、ついこの間まで私とイルシアが仕事をしていたギルドの同僚、ダニエルの名が書いてあった。妻に手紙を渡したのはギルドの新人か?
そのギルドの名前は『ノヴァンギルド』と言い、そこに属している者達は『探究者』と呼ばれている。ノヴァンギルドは、各地にある未探索地帯へ調査に行き、そこの生体を記録したり、現地にある植物や鉱石を採取、研究し、開拓していく組織だ。
そこで私は現地調査をする隊のひとつを受け持っていて、ダニエルは研究チームのリーダーだった。ダニエルとは専門は違うが、何かとウマが合い、よく酒を飲みに行っていた。それも、私がまだギルドにいた頃までの話であるが。
「あー...こりゃダニエルからだ。仕事の依頼がしたいらしい」
「そうなの?なら受けてあげればいいじゃない」
ニコニコしながらイルシアが促してくる。
「しかしだな、お前を放っておく訳には...」
イルシアがノヴァンギルドでまだ働いていた頃、彼女は書類を纏めたり、資料を作成する等の雑務をしていた。私とイルシアはギルドで出会い、そして恋に落ちた。その詳しい話は省くが、今イルシアの腹の中には新しい生命が宿っている。妊娠がわかった時、私はイルシアと共にギルドを辞め、私はイルシアと、私達の子供の為に生きることを決意した。
今は時給自足の生活をしていて、身重のイルシアに今以上の負担をかける訳にはいかない。
「いいの、私はまだ大丈夫だから。それにこれが最後だって言えばいいじゃない」
そう言うと、イルシアは私の中にある手紙をぶんどった。それから軽く手紙の内容に目を通した。
「しかも報酬も弾むそうじゃない!最後に彼らの手助けしてあげなさいよ、ね?」
私はイルシアのその勢いに気圧され、取り敢えず話だけを聞きに行くことにした。
「わかった、取り敢えず話だけ聞きに行くことにするよ」
そう言うと、イルシアはニコッと笑い「それがいいわ」と言った。
「ただしだ、あまりにも時間が掛かり過ぎたり、危険過ぎると分かったら依頼は断る」
「でも引退した貴方に依頼が来たってことは、相当困ってるんじゃないかしら?もしそうだとしても、少しは手伝ってあげなさいね?」
「ああ...まぁ、そうだな」
イルシアはとてもお人好しだ。そんな所に私は惹かれたのだが。
人間の容姿について描写するのが苦手なんです。
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