3話 初戦闘と地図
「男自体は殺してもいい。だが、服には傷つけたくはないな。俺が殺すからお前らは動くんじゃないぞ。」
「「「了解です。大将‼」」」
どうやら向こうは殺す気しかないな。一応向かってくるのは一人だけみたいだが。
けど以外と部下みたいな奴等は素直みたいだな。反発する奴は全くいないみたいだな。
だけれど普通は大将から出てこないと思うんだがな。まあ、ならず者の考えなんかは分からないが敵対するなら容赦は考えられねえけどな。
「なあ、一応聞いていいか?話し合いの可能性はゼロなのか?」
「はっ!悪いな。俺らも今この国から亡命しようとしてるんだよ!お前もそうなんだろ?この国はもう呑み込まれるだけだからな!」
「悪いが。全く情勢を知らないから言っていることの意味が分からないな。色々と説明をしてほしい人を探してるぐらいなんだよ。」
「今から殺そうとしている奴に特に話すことはねえよ。」
「まあ、そうだろうな。」
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モブ視点(ならず者A)
戦いは一方的だった。
どう見ても相手は弱そうだった。
だが、あいつは化物だった。
「おい、何だてめえ強すぎだろ!」
「これでも一応、俺はほぼ滅んだとはいえ。国の隊長格の一人として長いこと戦ってたんだぞ。その俺が何も出来ないことがあってたまるか!」
「知るか。俺は情勢は何も知らないが一つだけ知っている事はある。竜剣とか物を持ってるやつが化物だということだけ。」
「お前は、それを持ってない。」
「ふざけんな!あんな物国に持っているやつが一人でもいたら強い国だと思われる所もあるんだよ。持っているやつがそうそういてたまるかよ。」
俺らの大将は弱くはない。
つい、昨日にも化物を見た。
それに比べれば、あいつは弱いかもしれない事は分かる。
けど、思ってしまった。
喧嘩を売る相手を間違えた事を。
俺に分かることは、大将は何をしても流されているという事。速くて見えない時はあるけれどそれでも何かしらの武術を学んでいるということは分かった。
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主人公視点(火竜覇 錬努)
以外と弱いな。と思えた。
確かに向こうの世界で闘っていた不良よりは強い。けど強いか弱いか言われたらとても弱いとしかいえない。
あいつは、自分の事を一つの国の隊長だったと言ってたが、この程度でなれるなら正直自分は、そんな国程度だったら一人でも滅ぼせる。
そう思うくらい弱すぎた。
「くっそ!これは強えな。何をしても無意味なと思わせる戦い方をしやがって。」
「へぇ。意外と分かるんだな。俺のいた所では気付くことも出来ないような奴らばかりだったんだけどな。」
「一応、独学なんだよ。誰かに稽古を付けてもらった訳じゃねえからな。」
「敵が多かったみたいだなぁ。けど殺す気は無いみたいだからここは逃げさせてもらうぜ。お前の相手をしても時間しか立ちそうにないからな。」
逃げずにこのまま戦うしかないと思っていたがどうやら逃げるみたいだな。
「別にいいぞ。大体行動したら良いか分かったからな。ただ、何処か近い街の場所を教えて欲しいんだが頼めるか?」
「それで見逃してもらえるとはお人好しみたいだな。まあ、いいぜ。」
「だが、こんな所からだったら説明が面倒くさいからな。この地図をやるよ。」
そう言ってそいつは投げてきた。ただこれだけを貰っても意味がないな。
「地図だけだったら現在地が分からないんだがな。今、どの辺にいるとか教えてくれないか。」
「安心しな。その地図は魔道具だよ。持ち主の登録をすれば現在地も分かるようになるものだ。」
とても良いものをくれたみたいだった。普通はこんな高そうな物そうそう渡そうとは思わないけどな。
「いいのか?こんな物を渡したらお前らも困るんじゃないか?」
「心配すんなよ。お人好し。それはこの国しか映されてねえから亡命する俺らには不必要なものだよ。」
「じゃあな。もう会えるかは分からないが二度とお前とは敵対はしたくはねえな。」
そう言ってあいつは去って行った。取り巻きのような奴らも反対はしないようで黙ってあいつについて行った。
あいつが言った通りその地図は普通のものでは無かった。適当に触れて見ると簡単に登録もできた。
地図によると街っぽいところまでそうとう歩きそうだった。そこだけは、憂鬱に鳴りそうな気分だった。