2話 転生とならず者
「やる訳ねえだろ!そんな事‼」
俺は、高校までは喧嘩ばかりしていた。それでも俺が自分から突っ掛かった事はほんとんどない。
いつも襲って来たのは向こうからだった。俺が喧嘩を売ったことは無かった。
俺は、自分で言うのも何だが<空気が読めない>というわけでも無かった。喧嘩ばかりしてはいたが周りからは怖がられては無かった。
むしろ俺は、何故かとても人気者だった。普通は、喧嘩ばかりする奴は不良と思われて学校では嫌われ者だと思っていた。
俺は、一人でいる事が好きだった。一人行動を常に欲していた。その為に嫌われ者のほうが良かった。
確かに同じクラスの人を助けた事はあった。一回だけだったが。
学校では、借りを作ることは嫌いだった為に誰にも頼ろうとはしなかった。それに大抵の事は、頼らずとも出来た。
だが、流石に理不尽は嫌いだった。理不尽を起こす奴はどんな事をしても覆すのを信念としていた。
それが俺だった。自分の信念を曲げる事がある時は、理不尽を覆す時。
例え、それが先生だろうと自称神だろうと何があっても理不尽は許さない。そして理不尽を行った奴の言うことは絶対に聞くきは無い。
この自称神は、あんな理不尽の飛行機事故を行った。だからこそ俺の答えは。
「お前みたいな奴の言う事は全く聞く気はない。俺はお前みたいな奴の言う事を素直に聞くぐらいなら死んだほうがマシなんだよ。」
「ふむ。やる気はないか。まあ、じゃからこそお主には言ってもらう!」
「それこそ強制的にな。色々準備もやってしまっからのう。お主の意志は関係ないんじゃよ。」
どうやらこの自称神は、俺の意志は関係なく送るらしい本来なら抵抗したいが今こいつは、少し気になることを言った。
「準備とは何の事だ?お前は、今俺と話す前に何をしたんだ?」
「それは言えないの。一応は約束もしたしそれに言わない方が面白そうじゃからの。」
「なら、せめて転生させられる世界の説明はあるよな?何の情報もなくその世界に送る気はないよな?」
「竜剣という物を持っているやつが強い。そんな世界なのが送る世界じゃ。」
「なるほど。他には、どんな事をキオつければいいんだ?」
「ないの。以上じゃ!」
どう考えてもふざけていると思った。今の所こいつが言った事は、情報としては一つじゃどうしようもないことだけ。
あんな事で終わる説明があってたまるか!それが情報になることは無い。見たら分かるようなことはいらん。
「他に説明はないのか?それだけじゃあ情報が少な過ぎるんだが。」
「全く無いの。それで終わりじゃ。」
「ふざけんじゃねえよ。そんなのどう考えても見れば分かるようなものじゃねえか。!もっと世界にある国名やら情勢を教えてくれよ。」
「ふむ。世界については、話し終わったからそろそろ送ろうかの。」
「おっと。そうじゃ向こうに行ったら教会に行くといい。選ばせる事は出来んが竜剣を一つ転生させたお礼としてやろう。」
「話を聞きやがれ!まだこっちは聞きたい事が山程あるんだよ。」
「行くとしてももう少し転生する世界の事について聞いてからだ。」
「それでは送るの。まあ、早めに死なないことを祈っておるぞ。」
どうやら向こうは全く話を聞く気はないようだ。これ程話して苛つくような相手は初めてだ。
「では、頑張っての。ほいよっと。」
「いつか、ここにまた来てその顔ぶん殴ってやるよ。絶対にな!」
そうして俺は、光に包まれてその世界から消えていった。
「やはり、あの男は面白いの。これからあの世界はどうなるかの?」
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「ここが転生された世界か。見渡す限り人が居そうな感じはしないが地図すら無いのは不便だな。」
それから、少し歩いてみた。取り敢えず人が居そうな所まで。
それから五分後
人に会えた。その為に困っていた。何故なら初めてこの世界で出会った奴は。
「よっしゃあ。獲物だぜ。」
「こんな所に居るなんて馬鹿なのか?」
「服自体は売れそうだな。」
「久しぶりの殺しだな。」
「どうしますか?大将よ?」
どう見てもならず者だった。目の前にいる奴らは、殺しを当たり前にしている様な奴等な感じだった。
「男だからあまり高くは売れそうには無いな。だが服は売れるな。」
「男自体は殺してもいい。だが、服には傷つけたくはないな。俺が殺すからお前らは動くんじゃねえぞ。」