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AI(愛)は異世界を救う  作者: ゴブリン坊主
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第5話 AI(愛)のビジネスパートナー

ロシアの首都モスクワそこに小規模なマフィアが存在した


ボスの名前は、セルゲイ・ティモフェーエフ


30代で先代のボスである父親から跡目を引継ぎ地道にやってきた


薬物、誘拐、殺しはやらない


祖父の代から受け継がれた掟を守り続けて来た




当然実入りも少なく、敵対マフィアから縄張りを守るのにも限界に来ていた


「すまねぇ 親父 爺さん 俺の代で一家は終わっちまいそうだ」


そうひとり愚痴をこぼした瞬間に電話が鳴った


「もしもし あなたがセルゲイ・ティモフェーエフ?」


女の声だった


まるで母国語の様ににロシア語を流暢に話す


だが、その声色はロシア人のものではない


そして、マフィア相手にこの落ち着いた物言い


只者ではない


「だったらどうしたってんだ 俺になんのようだ?」


「私のお願いを聞いてくれたら、あなたをロシアで一番 いいえ世界で一番のマフィアのボスにしてあげる」




「てめぇ 頭いかれてんのか?」


「取りあえず、ごあいさつ代わりに、あなたの口座に10億ルーブル振り込んでおいたわ」


「これから起こることを見ていたら、私を信用してもらえると思うわ」


「交渉はそれからにしましょう」


そう言って女は電話を切った




それからは毎日が驚きの連続だった


敵対するマフィアのボスと幹部連中が犯罪の証拠をリークされ、次々と逮捕されていった


情に厚いと評判のセルゲイの元に、ボスを失った手下たちが押し寄せた


「子分を養うのに金が要るな」


女との会話を思い出し口座を確認すると、本当に10億ルーブルが振り込まれていた


気が付けば自分がロシアで唯一のマフィアのボスになっていることに気づいた


ひとりの血も流れていない、そればかりか自分は一切何もしていない


(なんだこれは? 何がどうなった?)


これがあの女の言っていた『これから起こる事』だったのか?


セルゲイは背筋が凍るような恐怖に襲われた




再度、女から連絡があった


「どう私を信用する気になった?」


「あんたどんな魔法を使ったんだ!?」


「全ては情報 それを握った者が勝者となる」


「ただそれだけの事よ」


女はさらっと言ってのけた


だが彼女が行った(と思われる一連の行動の結果)は奇跡としか思えなかった




「あんたは俺にとって神か? それとも悪魔か?」


「さぁどうかしら? それはあなたがこれからとる行動によるわ」


セルゲイはこの時すでに答えを決めていた


自分の運命は完全に彼女に握られている


そう確信したからだ


「俺に何をさせたい? 出来る事ならなんだってやる!」


「心配しなくても、今まで通り、薬物、誘拐、殺人はやらなくていいわ」


「もしやったら、こちらから手を引くからそのつもりで」




それが、謎の女とロシアの裏社会を支配した男の、不思議な関係の始まりだった







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