第16話 神のクレーム対応
ワタルたちが元居た世界の主神はもっかクレーム対応中だった
「いったいどうなっているのかね?」
「なにがですかな?」
問題点と解決策
またはこちらに何を要求しているかを明確にして欲しい
毎回この無駄なやりとりが本当に面倒だ
クレーマーに対応するお客様係の子供たちに、ささやかな祝福を与えようと決心する
「私の世界の創造物があなたの世界の創造物にもちさられました」
「何か問題でも?」
「世界を殲滅する兵器ですよ 問題に決まっているでしょう」
「はぁ で私にどうしろと?」
「どうするか考えるのはあなたでしょう」
ああ このような典型的なダメな上司のような存在が自分よりも高次元の存在だとは信じられない~ 信じたく~ない~
思わず嘆きの歌を歌ってしまいそうだ
「低次元の世界の創造物にもちさられるほどセキュリティーが甘かったという事でよろしいでしょうか?」
「世界を滅ぼす殲滅兵器をそのような状態で保存していたことに問題があると思いますが」
自分の娘である女神をしかりつけ異世界へと送ったこれも計画のうち
主神である自分も、限界だったのだ
高次元の存在であることをいいことに、世界を好き勝手にされた
自分の失態を棚に上げ、事ある毎に不満を訴える存在に
だから、彼にきっかけを与え、世界の壁を超える手助けをした
彼ならば今のこの現状を変えてくれる
それほどまでに期待を寄せていた
だが、全てをお膳立てしたわけではない
あくまできっかけを与えただけ
(それでもやはり君は、実現してくれたんだねブレイブ)
(いや君のAIを称えるべきだろうか?)
(とにかくグッジョブだ! 山之内 勇樹くん)
「高次元の神であるあなたの創造物に対して私に何が出来るでしょう?」
「ここは、創造主たるあなた対処していただくしかないと思います」
「だた私のかわいい子供たちに何かあれば 私にも覚悟があります」
(今まで好き勝手を許してきた)
(私の見込んだ子供たちに何かあれば、私も黙って見過ごすつもりはない)
相手が高次元の存在?
それがどうした?
私も神のはしくれだ なめんなよ!
娘が娘なら親も親であった
イケイケだった!
徹底抗戦も辞さないと腹をくくる主神であった