◎炎の修学旅行編 登場人物紹介および設定(後編)
・不死鳥エンスウ
ヤマトの国の守護神。普段はヤマトの中央に存在する巨大な火山で眠りについており、ヤマトの国に危機が迫った時にのみ覚醒する。外見は燃え盛る巨大な鳥そのもので、炎を使った攻撃だけでなくその巨大な尾や翼を相手に叩きつけて打撃を加えることもできるが、実は攻撃よりも炎の壁などを使った防御の方が得意。
神の名を冠する存在ではあるものの自由奔放かつ短気な性格で、おまけに口が悪く、思ったことはすぐ口にする等、妙に人間臭いところがある。また人の名前をきちんと覚えない(覚えようとしない)悪癖があり、他者のことは基本的に肩書きや思いつきのあだ名で呼ぶ。ただし自らが鍛えた御神刀に『ボーボー丸』と名付けるなど、ネーミングセンス自体は微妙。
好物はリンゴ。数千年も昔に供物として初めて口にして以来、いたく気に入っている。今回の覚醒はちょうどリンゴの旬ではなかったため、若干不満に思っている様子。
・ハクレン
御神刀「天翔光翼」を管理している僧侶。年齢は45歳。元は僧兵で槍の達人としても有名であり、かつては将軍に仕えていた身でもある人物。サクラのことも彼女が幼少期の頃から知っており、また彼女の護衛兼世話係であった神官のコンゴウとも公私共に親しい関係であった。
レクトとはまだ数時間程度しか行動を共にしていないためか、レクトが実は傍若無人で唯我独尊なセクハラ野郎であるということがイマイチよくわかっておらず、純粋に世界を救った誇り高い武人であると勘違いしている節がある。
ちなみに所帯持ちであり、田舎には妻と2人の息子がいる。ハクレン自身はいわゆる単身赴任の状態ではあるが、家族仲は良好の様子。
・グレン
焔神教団の幹部。年齢不詳。グレンというのも本名ではなく、教団に参加した際にリーダーであるソウゲンに与えられた仮の名前にすぎない。教団に属している身ではあるものの信仰心は皆無であり、ただひたすらに戦乱を望む生粋の戦闘狂。ソウゲンもそれを理解しており、シラヌイやカゲロウと比較するとあまり信頼はしていなかった様子。また本人もそれを自覚しているようで、自分の満足いく戦いさえできれば他はどうでもいいといったスタンス。
実はヤマトの出身ではなく、大陸でも希少な獣人に変身する能力を持った種族『リカント』であり、グレン自身は狼の獣人に変身することが可能。変身後は身体能力が著しく上昇し、体格も比較的小柄な人間態の時からふた回りほど大きくなる。普段から体格に見合わない長さの太刀を携えているのは、最初から変身後の体格に合わせて選んでいるためである。
・カゲロウ
焔神教団の最高司祭。年齢は56歳。グレンと同じようにカゲロウという名前は教団内で使っている仮の名前である。魔法の才能に秀でており、結界魔法や空間転移魔法といった上級者にしか扱えないような術ですらも容易に扱うことができる。作戦の遂行にあたって一番の障害となるであろうレクトを非力なネコの姿の変えることで排除しようと試みるが、実際にはレクトが「ネコの姿でも滅茶苦茶に強い」という想定外の事態に陥り、姫巫女サクラともども仕留めることができずにあえなく撤退。
かつては田舎にある神社で神主である夫と共に働いていたのだが、十数年前に一人息子が事故死。更にその数年後には夫までもが流行り病にかかって他界してしまい、心身共に疲弊しきっていたところを焔神教団の長であるソウゲンにつけ込まれ、息子を蘇らせるという彼の口車に乗せられて教団に参加した。