神様?!
心にヒビが入ったみたいだった。ただ叫んだだけなのに、体が軽くなって、人形みたいになった。
そして遂に、俺の体が地面に触れて、骨が折れて全身に痛みが回った。鈍い痛みが俺を襲い、下半身からゆっくり感覚が無くなっていく。それは遂に頭まで及び、自分の死を悟り。瞳を閉じる。
「はっ!」目が覚めたとき、俺は巨大なチェス盤の上に立っていた。近くには椅子が二つ置いてあり、片方は壊れかけていた。壊れかけていた椅子に腰掛けるのは癪だったが、もう一つの椅子は神々し過ぎて座る気にすらならなかった。
その神々しい「神の椅子」と形容してもいいくらいの豪華さだ。それより、今俺のいる場所はなんなんだろうか?天国なんかじゃなさそうだが。
「ここはな、審判の間だぜ?下界人?」
「な!いつからそこに?!」ついさっきまでそこにはただ椅子があるばかり、人なんていなかったはずだ。
「そんなもんどーだっていいだろうよ、それよか、お前、なんか願ったんだろ?さっさと言えよ」
俺はよく事情が飲み込めていなかったが、取り敢えず願いを聞いてくれるかもしれない。
「俺の願いは、女の子になりたいんだ!」
「ケッ、気持ち悪り、ハイハイわかったよ。」
「俺を、女の子にしてくれるのか?」
「するかよ、馬鹿が、ただのアンケートだ。」
ちきしょう、舐めやがって。俺は怒りを露わにしたが、相手はメモするばかりで反応はなし、どうしたもんか。
「よし、チェック終わりだ。お前は記憶を持って異世界へ転生な。」
おいおい、なんてラノベチックなシチュエーションだよ。