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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

退屈な日々に終止符を

作者: 東方ケン

君は死にたいと思ったことがあるだろうか。

僕は普通の高校生だ。

毎日同じ電車に乗り、退屈な授業を受け、友達とダベり、帰る。

この退屈な日々から逃げ出すためにこの電車に飛び込む、そんな簡単なことができない。

そんな毎日。


死ぬのは怖い。

でもそれ以上に生きていくのは辛い。

だから死にたい。

でも何で僕は死にたいのだろうか。

深く考えるとそれすらも分からなくなる。


そんな僕にも友達くらいいる。

その友達は僕が死にたいだなんて思ってることすら想像できないだろう。


そんな退屈な日々を壊す出来事が起きた。

下駄箱にこんな手紙が入っていた。


放課後、屋上に来ていただけませんか。

どうしても伝えたいことがあります。


僕は今から告白でもされるのだろうか。

いや、これはなにかのイタズラだろう。

とは思いながらも、とりあえず屋上に行ってみる。


「待ってたよ、来ないかと思った」


そこで待っていたのは、クラスで一番のモテ女だった。

僕は告白の可能性を捨て切れずにいた。


「なんだよ、伝えたいことって」

「なんだと思う?」


イタズラな顔で聞いてくる。正直かわいい。


「僕には思い当たる節が全くないね」

「えー、告白の可能性があるぞとか思ってないの?」

「思ってねーよ」

「そう食い気味で返されると本当に告白だった場合、超言いづらいんですけど」

「そーじゃないんだろ」

「まあそうだけど」


正直残念だった。でも告白じゃないなら伝えたいことが分からない。思い当たる節全くがない。


「本当になんだよ、伝えたいこと」


彼女は急に真剣な顔になり


「あなた、死にたいって思ってるでしょ」


正直、全く思いもよらないことだった。


「え?なんだよ急に」

「死にたいって思ってるでしょ」

「なんで分かるんだよ」

「分かるのよ、私には」

「なんでだよ」

「私もそうだから」


2人しかいないこの屋上に沈黙が続く。それは実際には3秒くらいだろうか、僕には数十分にも感じられた。

沈黙を破ったのは彼女だった。


「だから一緒に死のう」


僕は返答できないまま帰った。

彼女は何故死にたいのか。

僕が死にたいのは何故なのか。


明日、彼女に聞いてみよう。


いつものように電車で登校する。

しかし彼女の姿はない。

今日は風邪で休んだらしい。

まさかとは思ったが、そのまさかだろう。

翌日もその翌日も彼女は学校に来なかった。


僕はその翌日、電車に飛び込んだ。



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