第八話 王都到着
王都に着くと、ルシフとネルは応接間に通された。クルシュ達は国王に報告に行っている。ルシフとネルの後ろには侍女が二人立っていた。ルシフはネルに
「これはどう考えても監視されてるよね?」
「お兄さん。緊張するね。そんな風に考えたらクルシュさんに悪いよ」
「それもそうだな。そこのお姉さん、何か飲み物もらえますか?」
「畏まりました。いまお持ちいたします。」
--------------------国王陛下の一室
「よく戻ったな。クルシュ」
「お父様、ただいま戻りました。急で申し訳ありませんが、お話があります。」
「一緒に帰ってきた、あの小僧の事か?」
「はい。しかし、ルシフ様は小僧ではありません。あのお方は・・・。」
クルシュは頬を赤くしながら
「あのお方は神です。ルシフ様一人で兵士1万に匹敵するでしょう。そして、色々な魔具を持っていてこの王国に無いものを持っておられます。」
「そこまでの男か?いや、しかし、クルシュが言うんならそうなんであろうな。」
クルシュには特殊な能力があった。
名前:クルシュ・ブランシュ
レベル:5
種族:人間 年齢:21歳
第一職業:王女
【体力】50【魔力】50【筋力】30
【耐久力】20【魔力耐性】25【敏捷】20
【エクストラスキル】
表示:なし
非表示:なし
【サブスキル】
表示:【翠眼:Lv2】【真実の気配:Lv1】【火魔法:Lv1】【水魔法:Lv1】
【風魔法:Lv1】
非表示:なし
【称号】
表示:【王女:Lv3】【魔術師:Lv1】
非表示:なし
--------------------
【翠眼:Lv2】
名前、第一職業、LV、サブスキル、称号が見える。また、Lvが上がるとわかる事が増えてくる。
【真実の気配:Lv1】
自身に対して友好的な人の気配を感じる事が出来る。Lvが上がると悪意もわかるようになる。
--------------------
ルシフはほとんどの情報を隠してはいるが、逆に隠しすぎたため王女は気付いてしまった。魔具を創る為のスキル、魔法スキルがないのに魔法が使えるなど不自然な点が多かった。
国王は再び王女に尋ねた。
「クルシュよ、どうするつもりじゃ」
「お父様、ルシフ様に『ペルン村』の領土をお譲りください。そして、私はルシフ様と婚約し一緒に国を作ります。幸い、『ペルン村』は3国の不干渉地帯であり王国所有の地であります。そして、貴族の方たちもそこであれば、文句は言いません。ただし、王国直轄地ではなく譲渡です。そうしなければ、ルシフ様たちはこの地を去るでしょう。」
「そうか、クルシュが婚約となれば最終的にはこの地もルシフが治める事になるかもしれぬしな。よくぞそこまで考えた。」
「お父様、私はルシフ様しかもう見えません。この国やほかの国がルシフ様に無礼な行いをすれば再びこの地に戻ってくることは無いと思ってください。それぐらい愛しています」
クルシュはルシフが平民の為、結婚出来ないと知っていたがルシフを他国の国王にする事で結婚出来るようにしたのだった。
--------------------
マーサがルシフ達の元に戻ってきた。
ルシフ達は、マーサと共に国王に会うべく謁見の間に向かっていた。
謁見の間に着くとルシフは国王の前で突っ立っていた。ネルは片膝をついていた。
周りにいる貴族は
「「「「無礼であるぞ!」」」」
しかし、ルシフは
「皆様、私はルシフと言います。私はこの国の貴族ではありません。そして、王女を50人からなる盗賊から守り、王女を暗殺しようとした者を捕え、『貿易都市ロジステ』から山越えをして王都まで来ました。こちらとしては礼を尽くされるべきと思っておりますが?何か、間違っておるでしょうか?」
ルシフの言葉にバルト公爵が
「では、おまえはここにいる兵士全員でかかってもやられるのは兵士と言う事を言っているのか?」
「えぇ。謁見終了後であれば、お相手しますよ。私も大人げなかったので身から出た錆と言う奴ですね。クスっ。しかし、この中には王女殺害を計画した人物がいる。そいつは絶対許さないからな。」
先ほどまでとは違いルシフは公爵に向けて殺気を放った。殺気は結構な範囲だった。
バルト公爵はペタンと座り込み周りの貴族数名泡を吹いて倒れた。
ネルが
「お兄さん。これはちょっとキツイ。抑えて」
「悪い。ちょっとわかっちゃったから」
そう言いながら、バルト公爵を睨んだ。
国王はやはりクルシュが見込んだ者だと思った。
そして口を開いた。
「色々あるが、まずはこの謁見をしてしまうぞ。まず、ルシフよ。王女救出、護衛に関して誠に感謝しておる。褒賞として『ペルン村』の譲渡、及びクルシュ王女との婚約、10000000ルクスを授与する。」
「「「「「な!」」」」」
「ありえない」「どういう事だ」
「国王様、失礼ながら申し上げます。このような若造にそのような恩賞はおかしいのでは?」
「控えろ!ここは、謁見の間である。では、聞くが盗賊50人と戦いBランク冒険者と単身で戦って勝てるものがこの王国にどれだけいるのじゃ!ルシフの事は決定事項だ。もし反対ならば、ルシフと戦い勝つことだ。」
周りの貴族は無言を貫いた。先ほどのルシフの殺気に充てられ、恐怖が蘇ったからだ。そしてルシフはルシフで呆然としていた。(どうしてこうなった?)
国王はニタっと笑い
「早く取りに来い」
と言った。ルシフは渋々目録を受け取った。
「これにて謁見を終了する。ルシフ達はクルシュと一緒にテラスに来い。」
と言い謁見は終了した。
謁見終了後、国王執務室のテラスで国王、宰相、女王、王女、王子、文官(2名)がルシフとネルを待っていた。ルシフ達は、戸惑っていたが国王が
「何をしている?そこに座れ」
と言い、ルシフ達は空いている2席に座った。
国王が
「まずは、クルシュを助けてくれてありがとう。」
と言うと全員が頭を下げた。
ルシフ達はびっくりして
「国王様、皆様、頭を上げてください。平民の我々に頭を下げられては困ります」
「ルシフよ。ここは謁見の間ではない。国王としてではなく家族として礼を言ったまでだ。」
「わかりました。しかし、褒賞に関してクルシュとの婚約は困りました。」
「これは、クルシュの申し出だ。」
あわててクルシュが
「ルシフ様、必要はないと思いますが何の後ろ盾もなく国を興すと各国が黙ってないと思われます。そう言う煩わしい事は私にお任せください。その為の婚約とお考えください。」
「クルシュは良いのか?」
「はい。お供します。」
「わかった。では、国王様、全て承ります。ありがとうございました。」
と言って、ルシフは礼をした。
そして、ルシフは言った。
「国王様、失礼を承知で言わせていただきます。先の謁見で拝見したバルト公爵ですが、彼の者が王女殺害の首謀者でありこの王国に仇なす者となる事でしょう。」
「そうか。分かった。しかし、あやつは・・・。いや、忠告として聞いておこう。」
「そうですか。」
クルシュはルシフの変化に気付いた。そして言いたいことも気付いてしまった。
しかし、この王国にも闇がある。クルシュも口を紡ぐしかなかった。
ルシフは不思議に思ったが、何かあると思った。もし、今後何かあれば守れる範囲で守ってやろうとも思っていた。
「あと、お願いがあるのですが良いですか?」
「できる事と出来ない事があるが言ってみろ」
「はい。今後、『ペルン村』へ行き復興させようと思います。その時に住人を連れて行きたいのですが、奴隷を何人か雇いたいと思います。あと、この王国にすぐに戻ってこれるように転移門を設置したいのですがどこかいい場所をお借りしたいと思います。その場合、その部屋には結界を張るので入れなくなります。どこか、ありますかね?」
「それならクルシュの部屋を使うがよい、転移門なんてあるのか?」
「まぁ、これから作るんですがね。まだ、予定です。」
「そうか。今後は家族としてもよろしく頼む。」
「はい。よろしくお願いします。」
その後は宰相や女王様、王子とも話をして少しだけ心が暖かくなった。
この国も捨てたものじゃないとも思った。
この日は、王女の部屋にネルとルシフは泊まることになった。
ルシフはクルシュをネルに任せ、魔具を作成していた。
国王、女王、王子に渡すためだ。
王女たちに渡したものは、まだ未完成で自身の魔力を込めないと動かない為、使い勝手が悪い事、所有者が決まっていない為誰でも使えてしまう事がわかっていたので改良することにしたのだ。
創造の魔法を駆使して作り上げた。
-------------------
《ルシフのお守り指輪》
悪意ある攻撃を受けた場合、自動で《パーフェクトプロテクション/完全防壁》が一時間掛かり続ける。《パーフェクトプロテクション/完全防壁》が発動すると同時にルシフに連絡がいく。転移のポイントにもなる。最初に魔力を込めたものに所有権が刻印される。使った後はルシフが魔力を込めることで再び使用可能となる。指輪は一度ハメると所有権を放棄しない限り外せなくなる。素材はオリハルコンで出来ている。形はルシフ作でちょっとずつ形が違う。
-------------------
ルシフはこれを10個作り、その場に力尽きた。
ネルとクルシュはあわててルシフに駆け寄ったが、ルシフはそのまま寝てしまった。
朝になりネルとクルシュにちょっと怒られたが、ルシフが指輪の事を話すと二人は嬉しそうにしていた。クルシュはルシフが自分の家族まで大切に思ってくれている事がわかりちょっと泣いていた。
朝食は昨日のテラスで国王、女王、王子、クルシュ、ネル、ルシフの6人で食べている。
食べ終わったところでルシフがみんなに昨日作った指輪をテーブルに置いた。そして、使い方を説明した。すると、全員が感謝を言葉にして指輪を嬉しそうに付けていた。女王様なんか指輪を付けてあげたら抱きしめられちゃった。クルシュとネルにジト目で睨まれました。
その後、ルシフはネルとクルシュ、侍女のマーサを連れて『ペルン村』に向かうことにした。
国王様には各国に連絡してもらう事にした。国名は『ヴァルハラ』にした。この世界に他にもプレイヤーが居た場合、目印になるかもと期待も込めて決めた。
もちろん、マーサにも指輪あげたよ。
そしたら”ピコーン”って音が脳内に響いた。
【設置】の条件を満たしました。(※繋がる仲間が5人以上、1000000ルクス以上入手、国を手に入れる)
・城(小)の作成が可能になりました。
・城壁(小)の作成が可能になりました。
・住宅(小)の作成が可能になりました。
・見張り台(櫓)の作成が可能になりました。
・鍛冶場(小)の作成が可能になりました。
・店舗(小)の作成が可能になりました。
・校舎(小)の作成が可能になりました。
「おぉ。待ち望んでいたやつだ。」