第七話 王都までの帰り道~王女は・・・。
『貿易都市ロジステ』から『王都ブランシュ』までの道のりは長い。行きは護衛もいたし替えの馬も用意されていた為、3日の行程だったが普通に行くと5日はかかる。しかし、ルシフは山越えのルートをクルシュ王女に提案した。クルシュ王女とマーサは
「「それは!無理です。」」
「大丈夫。クルシュにはネックレスを渡しているし、マーサにはこれを渡しておく。マーサも魔力はあるよね?」
「はい。クルシュ様程ではありませんが、持っています。」
そう言って、ルシフはマーサにブローチを渡した。ブローチはバラのような形をしていてきれいだった。マーサは
「ありがとうございます」
と言って少し照れているようだった。
クルシュ王女は
「しかし、山越えは危険です!いくらルシフ様が強くても・・・。」
「まぁ、ネルもいるし大丈夫だよ。」
「ん。お兄さん。頑張るよ。」
そう言って王女とマーサを説得し、山越えをする。
夕方になり山に入った。マーサの横にはルシフが座りネルと王女が馬車にいる。
ルシフがマーサに
「少し止めてくれ!」
そう言うとマーサは馬車を止めた。ルシフはネルを呼び言った。
「少し魔物の気配がする。行ってくるからネル。あとは頼む。なんかあったらネルが守ってくれ」
「ん。わかった。気を付けて!お兄さん。」
「うん。行ってくる」
そう言うとルシフは前方に走り出した。少し行くとオークの集落があった。オークが60匹、オークロード10匹、オークメイジ5匹、オークキング1匹がいた。
オーク オークロード オークメイジ オークキング
Lv5 Lv8 Lv4 Lv10
【棒術:Lv2】 【剣術:Lv2】 【火魔法:Lv1】 【棒術:Lv4】【身体強化:Lv2】
ルシフは何事もなかったようにオークの群れに突っ込んで行ってオーク共を倒していった。
10分位でオークキングのみとなった。オークキングはキングというだけあってタフだった。今持っているルシフの刀がオークキングの腕で折れた。
ルシフはアイテムボックスから《銘刀正宗にゃん》を取り出した。《銘刀正宗にゃん》はゲーム時代作成アイテム以外では最高の刀で柄が猫の顔だ。付加効果は無いが非常に強かった。
《銘刀正宗にゃん》:銘刀正宗を猫人族の鍛冶師が鍛えた剣
《銘刀正宗にゃん》でオークキングに切りかかるとオークキングは真っ二つになった。
「やっぱり、数が多いと普通の刀じゃ無理だな・・・。これからはこの刀にしよう」
と言いながらすべてのオークをアイテムボックスに収納し、王女たちの元へ戻った。
ネルはルシフを見つけると
「お兄さん、遅かったね」
「オークの集落があって倒してる時に刀が折れた。数が多かったからちょっと手間取っちゃった。」
「そっか。お兄さん、その刀かわいいね。」
「売っている武器では最高なんだけど、かっこいいじゃなくてかわいいなんだよね。」
「僕は好きだよ。」
そんな会話をしているとクルシュが
「オークの集落ですって。大変じゃないですか。どうしましょう」
「あ。大丈夫。もう倒したから。今日はその集落の近くに開けた場所があったからそこで休もう」
クルシュたちはそんな場所では休めないって顔をしていたがルシフが言うのでしぶしぶ了承した。
マーサが馬車を開けた場所に止めるとルシフは
「これから二人には魔法を掛けます。これは、これからの事を他人に話せなくする魔法です。これを受け入れるのが条件です。」
「わかりました。マーサもそのつもりで」
「かしこまりました」
「では、《プレッジ/誓約》」
魔法を掛けた後、ルシフは《ディメンションコテージ》を出し、120程魔力を流した。
クルシュたちはボックスを見て首をかしげていた。
ルシフとネルは
「入りましょう。」
と言って扉を開けた。
クルシュとマーサは中に入って驚いた。なんと言ってもあの狭そうなボックスの中が部屋になっている事に。しかも、この世のものとは思えないような家具と調度品の数々、そして、案内された所は見たことも無いようなお風呂と呼ばれるもの、そして、ボタンを押すと出てくる見たことも無い料理の数々。
「ルシフ様は何者ですか?さすがに王家の私でも知らないものが多すぎます。神か何かですか?」
「ははは。まぁ、秘密と言う事で。ただ、貴族とかではないですよ。」
「ルシフ様が魔法で誓約させたのもわかる気がします・・・。」
「クルシュとマーサには悪いけどベットは一つしかないからみんなで寝るけど許してね」
「いえ、大丈夫です」
その後は、ネルにクルシュとマーサにお風呂の入り方を教えるため3人で入らせた。(一緒に入りたかったな・・・。そんなことしたら死刑だな・・・。)
ネルたちが上がった後、ネルに好きなもの食べていいと言って、自分もお風呂に入った。
クルシュ達は疲れたのかすぐに寝てしまった。
ネルとルシフは紅茶を飲みながら明日以降の話をしていた。
「お兄さん。クルシュ様の事好きでしょ」
「ブフォ!ネルさん。な・な・何言ってんですか?」
「だって、助けたいんでしょ?」
「そうだな。そうなんだよな。きっと。ぶっちゃけ、ネルだから言うけど、王女だからじゃないんだよな~。ただ単に美女だから救いたいんだ。この世の中で救える美女は全部救う。自分の周りに美女しかいなかったら幸せだと思わないか?」
「ぷ・ふふふ。あははは。お兄さんらしいね。」
突然、ベットの方から
「クスっ。あ!すいません。」
「クルシュ寝てなかったの・・・。」
「あ・の。聞こえてきてしまいました。」
「そっか。まぁ、隠す事でもないし。クルシュも飲むかい?」
「ありがとうございます。頂けますか?」
「ネル。クルシュの分も頼む」
クルシュはベットから起き上がりネルから紅茶を受け取り
「ネル様、ありがとうございます。」
「クルシュ様、様はいりません。ネルとお呼びください。」
「では、私の事もクルシュとお呼びください。ネルさん」
「あ。はい。クリュ・クルシュさん」
「さて、そう言う訳だから、クルシュは気にしなくていいぞ。」
「は・はい。しかし、ルシフ様。これからどうするのでしょうか?いささか、心配になります。」
「えーと。何が?」
「ルシフ様のような方が居るとわかれば王国も含め周辺国はルシフ様をなんとかして手に入れようとするでしょう。それこそ、悪意あるやり方も含めてです。」
「あぁ、そうだね。よくわかるよ。」
「提案があります。ルシフ様、国を持ちませんか?『ペルン村』が壊滅したのは知ってますよね?」
「えぇ。もちろん知っています。」
「そこを、独立国にするんです。どうでしょうか?」
ルシフとネルはお互いに顔を見合わせ、何か決意を新たに頷き合った。
「では、今回の依頼の報酬はその許可をとると言う事で・・・。」
その後は、王都まで魔物は出てきたが特筆すべきものは無かった。
名前:ネル
レベル:30
種族:人間 年齢:15歳
第一職業:騎士 第二職業:勇者
【体力】400+200【魔力】500+200【筋力】330+200+100
【耐久力】220+200+200【魔力耐性】250+200+200【敏捷】200+200
【エクストラスキル】
表示:なし
非表示:【聖剣エクスカリバー召喚】
【サブスキル】
表示:【家事Lv1】【鑑定Lv1】【投擲術:Lv2】【剣術:Lv5】【体術:Lv2】【身体強化:Lv2】
【魔力制御:Lv2】
非表示:【光魔法:Lv3】【隷属花嫁:ルシフ】
【称号】
表示:【騎士:Lv2】【暗殺者:Lv1】
非表示:【勇者:Lv2】
名前:ルシフ(るしふぁー★)(神代 佑斗)
レベル:28
種族:人間 年齢:16歳
第一職業:なし 第二職業:なし 第三職業:なし
【スキルポイント】27000p 【課金額】271億ルクス
【体力】700(11256)【魔力】846(12566)
【筋力】486(8956)【耐久力】456(6800)
【魔力】692(10025)【敏捷】550(10158)
【エクストラスキル】
表示:なし
非表示:【異世界言語】【創造魔法】【神眼:Lv10】【アイテムボックス(時空):Lv10】
【設置】:
【サブスキル】
表示:【魔力制御:Lv4】
非表示:【全属性魔法:Lv10】【武神の加護:Lv10】【精霊の加護:Lv10】
【称号】
表示:【魔物キラー:Lv1】
非表示:【全職業コンプ】【異世界人】【隷属花嫁:主】
--------------------王宮のとある一室
「申し訳ございません。暗殺は失敗に終わり、副ギルドマスターも捕まりました・・・。」
「どういう事だ!」
「詳細な情報は入ってきてはいないのですが、どうも王女を救った奴がいるようです」
「そうか。わかった。もう、お前とは金輪際関わり合いは無いと思え」
「申し訳ございません。何卒、何卒」
「情報源が生きている以上、お前との関係を疑われる。始末するまで戻ってくるな。出て行きたまえ。おい、お客様がお帰りだ。」
そう言って、男を追い出した。
「やれやれ、こうなった以上ほとぼりが冷めるまでおとなしくしておくか。しかし、その男どういう男だ?おい、その男の事を調べてこい。」
先ほどまで居た男からの報告書を執事に渡した。