第7話:理由
お待たせしました。
なんとかひねり出しました。
不思議な少女と出会った後、俺達はすぐ学校に登校した。
「それにしても、さっきの本当に悪いことちまったな」
「気にしすぎじゃない? 過ぎたことを悔やんだって仕方がないわ」
「そんなもんか?」
「そうよ。どうせ、また会うわけでもないんだから」
そう言いながら、教室に入っていった。
登校終了時間が近いため、ほとんどのクラスメイトが集まっていた。
俺達も自分達の席に座った。
「ん? あれ?」
「なに? どうかした?」
「いや、あの子?」
サクラは、俺が指を指した方を見た。
「はぅ!」
そこには、朝、俺がぶつかった少女だった。
少女はこっちを見ていたが、俺達と目が会うとすぐに顔を背けてしまった。
「何? あの子、同じクラスだったの?」
「どうやらそうみたいだな」
「世間って狭いわね」
「だが助かった。ちょっと謝ってくる」
俺は自分の席に立って、その子の所に向かった。
「あの? ちょっといいか」
「はははは、はい!?」
「そんなに驚かなくても大丈夫。何もしないから」
「そそそそそそ、そんなこと。いいいいい言われても・・・」
「いやちょっと、朝のことで・・・」
「あああああっ!! 朝は、すすすす、すみませんでした!! わわわわわ、私がぶつかったから怒ってるんですね!! ごごごごご、ごめんなさい!!」
彼女は、あたふたとしていた。
「いや、別に怒ってるわけでは」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!!」
彼女は走り去ってしまった。
「え? ちょ、ちょっと!!」
「ダメだよツバサくん。いきなりカオルちゃんに話しかけたら」
クラスメートの女子が話しかけてきた。
「あの子、カオルさんっていうのか?」
「うん、本城カオルちゃん。 昔から機が弱くて男の子に苛められた事があったみたいで、それで男の子が苦手になっちゃったんだって。だから女子校に入学してきたみたい」
「なるほど、まさかそこに男である俺が入学しちゃってたのか。悪いことしちゃったな」
「まぁカオルちゃんも、たぶん悪気があって避けてるわけじゃないから、そこだけ分かってあげて」
「あぁ、そうする」
俺に一通り、説明した後クラスメートの女子は戻っていった。
(なるほど、彼女。カオルさんにはそんな理由があったのか。でも、なんかこのままじゃいけない気がする。せっかく、同じクラスになったんだし、ちょっとでも仲良くなっとかないと)
俺は何か良い方法は無いかと、考えながら自分の席に戻っていった。