第6話:遭遇
すいません。
長引いてしまいました。
楽しみにしていた方々、申し訳ございません。
ブーブーブーっと、携帯のアラームがなった。
「ん、ん~………。朝か…」
携帯の画面を見ると、時刻は朝、7時。
「まだ、少し時間があるけど、起きるか」
学校には、8時半には着いていれば良い。
俺の家から学校までは、歩いて約20分くらいだ。
リビングに行くため、階段を降りていると
「よぉ!! ツバサ、久しぶりだな」
野太い声で、話しかけられた。
「あれ、親父! いつの間に日本に?」
そう、何を隠そうこの人こそが、俺の親父。
名前は、速水タケシ。オールバックの髪型に、やや肩幅がある体が特徴。日本にいないことが多く、いつも、アマゾンやヨーロッパにいるが、なんの仕事をいてるかまるで分からない。
「あぁいま帰ってきた。だがまたすぐに出かける。それより、お前もすみに置けないな」
「えっ?」
「とぼけるなよ! あんな可愛い彼女がいるなんて、知らなかったぞ!!」
「彼女?」
俺は親父を押しのけリビングを見てみる。
「ツバキさん。このお味噌汁おいしいです」
「あら、ありがとね。うちの人たち、あまり褒めてくれないからうれしいわね」
「それはヒドイですね」
そこにいたのは、サクラだった。
「ちょ、サクラ。お前なんでここにいるんだよ」
「あら、昨日約束したじゃない。朝、迎えに来てあげるっていったじゃない」
「そういえば、そうだったな。いや、だからって朝メシの時から来なくても」
「別にいいじゃない。昔はこうして一緒にご飯食べてたじゃない」
「ほらほらツバサちゃん。怒るのは後にして早く食べちゃいなさい」
「いや怒ってるわけじゃ・・・」
「いいから、さっさと飯にしろ! 朝メシは大事だ。しっかり食べておけ」
「お、親父まで・・・」
俺は、しぶしぶ朝メシを食べた。
ちなみに今日のメニューは、白飯、アサリの味噌汁、半熟の目玉焼き、サラダだった。
「それじゃ行ってくる」
「はぁーい。気をつけてね~」
朝飯を食べた俺達は、学校へと向かった。
「そういえば、今日から普通の授業になるんだっけ?」
「そうだったかしら? でも教科書も貰ってないし。最初はそれの配布とかじゃないの?」
「あぁ、そうか」
サクラと話ながら歩いていると
「きゃっ!」
「うぉっ!!」
交差点を曲がろうとしたときに通行人とぶつかってしまった。
「ちょっとアンタ。何してるの」
「ごめん? 君、大丈夫だった?」
「は、はい・・・。すいません、私も前をよく見ていなかったので・・・・って」
「?」
よく見ると、その人は女子校生だった。日本人らしい黒髪のロングヘヤーで、赤いフチのメガネを掛けていた。
彼女は、俺の顔をまじまじと見ていた。
「お、おおおおお、おと!! おとっ!!」
「おと?」
「男の人ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
彼女は叫びながら、走り去ってしまった。
「な、なんだったんだ?」
「あんた? また何かしたんじゃない?」
「し、してねーよ。てかまたってなんだよ」
もしかしたら、今日も何かが起きそうな予感がした。