第2話:再会
意を決して教室のドアを開けると、すでにほとんどの女子生徒が登校を完了していた。
そして、一斉に俺の方に目を向けた。
「お、おはよう・・・」
圧倒されてしまった。やっぱり、目立つよな。
「ちょっとアンタ。何、突っ立てるのよ。どいてくれる?」
「え? あ、あぁごめん」
「ったく!」
「ん? あれ?」
後ろから話しかけて来た女子に見覚えがあった。
「お前・・・・。サクラか?」
間違いない、このサラサラのショートヘアーは、俺の小学校の時の同級生。前川サクラだ。
「そうよ。久しぶりね、ツバサ」
「久しぶりだな。小学校卒業以来だな。こっちに帰って来てたんだな」
「えぇ、パパの仕事が落ちついたから戻ってきたの」
こいつは、小学校を卒業と同時に、親の仕事の影響で引っ越したのだ。
「そうなのか? いやぁ、ビックリしたぜ」
「こっちこそビックリよ。女子校と思ってきたら風の噂で男子が入学するって聞いたのよ。しかもそれがアンタだし」
「それは、俺も同じだって、でも知り合いがいて良かったぜ」
「私は、別に・・・」
「まぁ、これから楽しくよろしくな」
「そ、そうね。折角、久々に会ったんだから、楽しい学校生活にしましょう」
サクラは、少し顔を赤めながら、そう言った。
熱でもあるのだろうか?
「ほーい、席に着け!」
黒板側の扉から先生らしき人が入ってきた。
「せんせー。どういう順番で座ればいいですか?」
「あぁ、そうだな-。まぁ好きな所に座ってくれ」
好きな所か、まぁ無難に窓側でいいかな?
俺は、窓側の一番後ろに座った。するとその隣に、サクラが座った。
「お前が隣か?」
「別にいいじゃない。それにあんた言ったじゃない? 知り合いがいて良かったって」
「まぁそうだけどよ」
「(すごーい。イケメンかも?)」
「(やっぱ、男の子がいると雰囲気が違うわね?)」
「(どうやって堕としてやろうかしら。じゅるり)」
さっきからひそひそ話をしている女子生徒が多数いる。
「・・・・やっぱりライバルが多いわ」
「サクラ、何か言った?」
「なんでもないわよ」
「おい、静かにしろ。えっと、俺がこのクラスの担任になりました。久間田哲吾郎だ。まぁ、適当に頼む」
「「「「「「「はーーい!!!!」」」」」」」
「今後の日程は、これから始業式だ。今日はこれで終わりだ。後は、おのおの、好きに過ごせ」
「「「「「「「はーーい!!!!」」」」」」」
小学生かよ。
「それじゃ、10分の休憩の後、体育館に移動してくれ」