プロローグ:手紙
それは、一通の手紙から始まった。
あて先は、自分。
そして、差出人は『聖ローズ女学院』
この街で、一、二を争う高校で、唯一の女子校だ。
なんて、女子校から、男の俺に手紙が届くんだ?
「何かの、間違いか?」
「あら~、ツバサちゃん?なにかあった?」
「母さん。いい加減、その『ちゃん』付けやめてもらえない?」
「あらあら~」
「まぁいいや、それより、ローズ女学院から手紙が来たんだけど」
「あら本当に、良かったわ。お蔵入りとかになってたらどうしようかと思った」
え? なにその全ての事情を知ってるような発言。
「ど、どういうことなの?母さん?」
「そういえば、ツバサちゃんに言ってなかったわね」
「?」
「実はね、このローズ女学園の理事長がね、私の幼馴染みなのよ。それでね、近いうちに共学化したいらしいのよ。そこで、もうすぐ高校生になるツバサちゃんを、お試しとして、学校に通わせようって私が提案したの」
「えっ? ちょっと何勝手にそんなことを」
「というわけだから、来週からローズ女学院に通ってもらいま~す!!」
「マジかよ・・・」
これから、俺のちょっと違った日常が始まった。
「制服は、もう着てるから?」
「まさか、セーラーじゃないよな・・・」
「ふふふふ、どうかしら?」