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恋のラスト・オーダー  作者: 篠宮 梢
6/23

◆人をペット扱いしないで下さい。

順調に更新中。

『おい、タマ。リビングにおいてある封筒持ってこい。』


 はい、みなさん。

 いきなり何なんだと思ったら、それは正常です。

 ええ、誰が何と言おうが正常ですよ。ふふふ。


 と、意味不明な現実逃避に暮れている私は、ただ今タクシーの中で、悶々としている最中。


 全く、アイツは何様のつもりなのだろうか。

 聞けばきっとアイツはこう答えるだろう。


 お前は居候で俺は家主。


(か~、ムカつく、ちょ~ムカつく。)


 想像しただけでも腹が立ってくる。それなのにタクシーに乗って言う通りにあの人の勤める会社に向かっているのは、追い出されたらまたホームレスになるから。


 それだけは嫌だ。嫌に決まってる。


「お客さん、着きましたよ。」


「領収書下さい。あ、名前は桐崎 夏琉で。」


 そんな風にあれやこれやと考えている間に、タクシーは目的地に着いたようで、私はしっかりと領収書を切って貰い、タクシーから降り、聳え立つ会社を見上げた。


 ふむ、ここがアイツの会社か。

 何とも、入りがたい・・・。


 いや、ここで怯んでいては・・・。と、思っていた所に携帯が鳴った。それに誰だと思いながらディスプレイを確認すれば、案の定【家主サマ】と表示されていた。


 ここで出なければまた後で何かと言われるに違いないと、覚悟を決め携帯に出る。


「はいよ、なんですか。家主サマ。」


『遅い、今どこにいる。』


「せっかちは女の人にモテないよ?――もう会社の前にいるからロビーに降りてきてよ、ご主人様?」


 私のこの言葉に何かごちゃごちゃと喚いた人を無視し、携帯を切り、ロビーに入ったところで、警備員に呼び止められた。


 まぁ当然だよね。

 こんな子供がこんな時間にふらふらしてるんだからさ。でもさー。


(警備員くらい、言っとけよ。)


 どんだけ俺様なんだ。

 自己中なんだ、アイツは。


 私が警備員そっちのけであれこれ悪態ついていると、ロビーが俄にざわつき始めた。

 なんだろうと、ざわつきの方に目をやれば、見た事のある人がアイツの横にいた。

 その人も私に気付いたのか、軽く目を見開き。


「ちかちゃんっ!!久しぶり」


「ゆうーきさーーん!!」


 例えるなら、感動の再会。


 互いに笑顔で走り寄り、ハグを交わし、それから私は結城さんのお腹に痛烈なパンチを食らわせた。

 結城さんは結城さんで、私の腹をパンチ。(結城さんは女であろうが、ライバルに容赦はしない。)


「真波泣かしてないでしょうね?」


「・・・、ノーコメント」


「殴るよ?」


 にっこり笑いながらお互いにいがみ合う、私と、自分の部下を見ていられなかったのだろうか。

 アイツは手を叩き、私の注意を自分に向け、私を呼んだ。


「タマ、言われた通り、持ってきたか?」


 だから、その名前で呼ぶんじゃない!!


 その後、私は当然ながら、奴に≪脛にローキック≫と言う報復をしてやったのだった。

結城さんは検索除外中の作品の登場人物です。

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