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恋のラスト・オーダー  作者: 篠宮 梢
12/23

◆二人とも、素直じゃないですね

第三者視点。

 社長が拾った女の子は、社長と同じく、とても意地っ張りで、人に甘える事を知らない女の子でした。その証拠に、明かにバレバレな風邪の症状を花粉症だと言い張り、いつも通りに家事をこなしていましたが、流石に身体がきつかったんでしょう。何せ、俺達が家を出る前にはフラフラしていましたからね。


 社長の家はセキュリティーが万全な新築分譲型マンションで、5階に部屋があるんですが、鍵がなければ入れません。ですので、勘違いなさっている女性の方々が来ても、そう簡単には侵入出来ません。


 おっと、そう思っていた端から、見た目ゴージャス、中味激マズな女性が、入口の前にいますね。あの人は確か、耀子さんと仰いましたか。


 どうやら部屋番号の暗証番号を知らない所を見ると、本命ではないようですね。ですので、俺には関係ないので無視させて貰います。もちろん本命であれば、後々の為に色々と動きますとも。


 まぁ今は静観していましょう。



 それより。


 ピ、ピっと、暗証番号を素早く打ち込めば、自動ドアが開きました。それをいい事に、今まで入口の前でウロウロしていたあの女がマンション内に侵入しましたが、流石は設備が万全なマンションです。見事、コンシェルジュの方があの女に職質を掛けていました。俺はもう顔パスなので、勿論そのまま社長の部屋がある5階に直行です。


 

 忘れていました。社長も意地っ張りではありましたが、彼女も相当な意地っ張りで、偏屈者であるという事を。


 どうしてこんな処で(玄関)倒れているのかなど、聞かなくとも考えずとも解ってしまいます。おそらくは自分で買い出しに行こうとしていたのでしょう。そのあまりの意地っ張りようは、もはや脱帽モノですね。


「全く、辛いのなら辛いと言ったらどうですか。素直じゃありませんね、貴女も社長も」


 玄関で倒れていた女の子を抱き上げ、その状態で靴を脱ぎ、俺は抱き上げた子をリビングのソファーの上に横たえ、額に冷却シートを張り、着ていたスーツのジャケットを脱ぎ、それを小さな身体に掛けてやり、起きた時に食べさせるお粥を作るべくしてキッチンに立ちました。


 まぁ、その後の事はどうか聞かないで下さい。


 所詮は、俺も男ですからね・・・。完璧な人間なんかいないんですよ。

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