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FlagS  作者: 特明記望
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 ◆◆◆


 不思議に憧れたことはあるか?


そう尋ねられれば、大抵の人間は「ある」と答えるだろう。

 テレビのヒーローや魔法少女にに心馳せたりしただろう。空を飛んだり何もないところから火や水を生み出す魔法に憧れただろう。魔法使いや勇者がドラゴンと戦う異世界に憧れただろう。便利な道具で助けてくれるロボットが未来からやって来ないかなと机の引き出しを眺めたりしたことだろう。

 「ない」と答えた奴だって、昔を思い返して欲しい。七夕の夜、織姫と彦星のカップルに願いの短冊を書いたりしなかったか。クリスマスの聖夜にサンタクロースに欲しい物を願ったりしなかっただろうか。


 だが、それは年を取るにつれて、人生の経験値が積まれるにつれ、大人になるにつれ、ヒーローや魔法少女は架空の存在と知り、魔法も科学の前では無力であると知り、魔法使いやドラゴンもフィクションの存在であり、引き出しはただの引き出しだと思い知らされる。

織姫と彦星は何百光年も離れたただの恒星だと知り、サンタクロースの正体は父親でありクリスマスは『聖夜』ではなくカップル同士の『性夜』だと……現実を突きつけられ、それを享受し、諦める。


 だが、俺は違う。

ヒーローや魔法少女達は人々の知らないところで日夜世界の平和の為に戦っているし、異世界だって行く方法は必ずある。ドラゴンやエルフ猫耳少女だっているはずだ。


そう言えば、人々の反応は様々だ。


ある奴は、理解できず首を傾げる。

 ある奴は、馬鹿なことをと鼻で笑う。

 ある奴は、現実を見ろと注意する。


 皆夢見たことがあるだろう。

 だが大人につれて、その夢が、自分の道の地続きにあるものではないと投げ捨て、これらは架空のお話だと諦める。

 だけど、夢を見続ければ、

 夢を信じて努力し続ければ、

夢は叶うんだ。


これまでそう信じていた。

だけど、それは確信に変わった。

 なにしろその夢が今、腰を抜かし呆然としている俺の目の前に現れたんだから。





 そしてこの物語は今、この瞬間から数日前から始まる。

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