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『キリトリセカイ』  作者: くさかはる@五十音


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017 / セルフケア


今日も都会のコンクリートジャングルまっただ中を、ヒールの音を響かせながらミドリがゆく。

今日は午後から本社で全社会議が行われる。

総務部に所属するミドリは、朝からその準備に大忙しだった。

全社会議って言ったって、どうせ地方から出て来た田舎社員たちの報告会でしょ。

内心ではそんなふうに思っているが、30代中堅ともなるとその感情を表に出すことはない。

今日は後輩の田崎が生理休暇をとっており、先輩の大石も有休をとっていた。

なにもこんな日にやすまなくてもいいじゃないかと思うものの、こんな日だから休みたい社員もいることを、ミドリは承知していた。

ミドリは、コピー機に書類をさしこむ自分の手をしばし見つめる。

今日疲れるのは分かっていたから、昨夜は両手両足にネイルを施し、思い切り自分を甘やかしたのだ。

そのおかげもあって、こうして職場でネイルを眺め、いっときの安らぎを得ることができている。


でもそれだけでは今日の労働には見合わない気がしてきた。

よし、今日仕事を終えたら、帰りにマッサージに寄ろう。

奮発して60分コースを選んで、フットケアもしてもらおう。

そうなると、がぜんやる気の湧いてくるミドリである。

そこへ、上司の小森さんがやってきた。

「書類整理が終わったら、次はプロジェクターね、その次にマイクテストで、それが終わったらネームプレート」

矢継ぎ早に出される指示に新入社員の頃は混乱していたが、今ではすんなり頭に入る。

10年も同じ上司の元で仕事をしていれば、言動の癖というのも分かってくるもので、自然とあしらい方も身についてくるというものだ。


きめ細かな準備のかいもあって、会議はとどこおりなく終わった。

打ち上げに行かないかと誘われたものの、ミドリはそれを断り駅近くのサロンに直行した。

全身をもみほぐされ、まるで天にものぼる心地の中、案外、今の働き方は性に合っているなと思うミドリであった。


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