魔法使いの仲間探し
感想頂きましたが、今日は眠気に勝てそうにないので、明日時間のある時にレスします。
今回はタイトルまんま
人外の仲間探しの話です。
ギルドに登録し一カ月が過ぎた。
ボクは朝早く起きたらご飯を食べて、北の森に出かけ、日付けが変わるまで帰らないと言う生活を続けていた。
討伐した魔物の素材や魔石は、収納魔法で持って帰り、翌日中に査定を済ませるとギルドに管理を任せて預けていた。
何故かってそのまま素直に換金し続けたら、色んなものが値崩れを起こし、価値が下がってしまうと、ギルマスに言われたからだ。
それと同時に、森の生態が狂うまで、魔物を狩り尽くさないでくれと注意もされていた。
何故ならボクが使う魔法が、広範囲に渡る最上級魔法ばかりで、被害が甚大だからだ。
勿論研究や熟練度を上げるために、弱い魔物には初級魔法を使い、そこそこ強い魔物には中級魔法をと使い分け、むやみやたらと最上級魔法を連発しないようにしてる。
ただ北の森は強大な魔物が多く、最終的には使わなければならないだけだ。
そして1ヵ月が過ぎボクは途方に暮れていた。
「まさかドラゴンが現れるなんて」
しかも夫婦で二体。
あのときは必死で覚えたての氷魔法で、アイススピアとアイスロックで凌いだ。
後は既に覚えていた数々の魔法も連発した。
そこまでしなければ、今のボクの実力では、ドラゴンを二体も倒せなかったから。
そうしてボクは、ひとり途方に暮れる。
無我夢中だったドラゴンたちとの死闘を終えて、我に返るとそこは一面の焼け野原。
北の森はなにもない死の山に変わり果てていた。
「どうしよう。北の森の生態は崩さないでくれって言われていたし。そういえば光魔法って回復魔法だから、創造魔法みたいな使い方はできないかな? 失われたものを復活させるような」
でも、頭になにも浮かんでこない。
いつもなら該当する魔法が、すぐさま頭に浮かぶのに。
そのとき脳裏にセリアの祈る姿が浮かんだ。
「祈れってこと? そうだよね。この状態を回復させるって、それって一種の奇跡だもんね。奇跡を望むなら祈らないと」
神は信じてないし、祈り方も知らないけれど。
セリアならこうするだろうと思う真似をしてみる。
「魔の山の自然を、魔物たちをすべて元に戻して。ボクが壊した生態系も。そのためならボクの力を使って構わないから」
ボクは知らなかった。
祈っているあいだ目を閉じていたから。
自分が光を放っていることに気付いていなかった。
命も自然もなくなって、不気味に沈まり返るだけだった北の森から、命の伊吹を感じて、目を開けた。
「ふわぁ。光魔法ってこんな真似もできるんだ? 良かったあ。復活してくれて。ギルマスに叱られたらどうしようかと」
ホッとして呟いてから、水しぶきを浴びて、光輝く大きな卵が落ちていることに気付いた。
トコトコ歩いて近づいて行く。
「なんだろ、これ?」
ツンツンと卵の殻をつつく。
ドクンと命の鼓動を感じた。
「そういえば、さっきのドラゴン夫婦だったっけ? ここで卵を孵そうとしてたのかな?」
ここに置いて帰ったら孵ることもできないし、きっと帰ってきた魔物たちの餌にされちゃうよね。
「こんなに綺麗に輝くんだ。きっと凄いドラゴンだよ。男の子かな? 女の子かな? いや。無性って可能性も。とにかくこの子の親を殺したのはボクなんだから、責任とって卵を孵さなきゃ!」
動物の多くは初めて見たものを親だと認識するし、きっと大丈夫だよね?
それにドラゴンなら強いから、パーティー組めるかも!
そんな期待を胸に両手でも持てないほど大きな卵を、なんとか収納ボックスに入れることができた。
それからドラゴンの魔石も両方とも、この子のために収納ボックスに入れると、ボクは意気揚々とギルドに向かうのだった。
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