02 把握
鏡に写された自分は、前世とは似ても似つかない姿をしていた。
オレンジ色に髪で黒い目をした色白の子供が写っていた。
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生きていくのならば身分が必要だろう。
周りの様子を見るに、ここら辺の生活水準は日本とほぼ変わらないようだ。
となると、早いこと警察機関に保護してもらうのがいいだろう。
空を見ると太陽が真上に三つある。
夜は来るのだろうか?
言葉が通じるか分からないが、まずは誰かに話しかけてみよう。
近くにいるのは、全身毛むくじゃらの人と綺麗で耳の尖った女の人と身長3m位ある大男だけだ。
誰に話しかけようか。
威圧感はあるが、まだ話しかけやすい大男にしよう。
「あ、あの、すみませんちょっといいですか」
「◎△$♪×¥●&%#?!」
なんて言ったんだ?
「すごく大きいですね。」
「♪×¥●△$♪×¥●&%」
どうやら言葉は通じないようだ。
「×¥●△$♪×¥●&%」
今からまた、言語習得しないといけないなんて。
「×¥●△$♪×¥●&%」
魔法かなんかでどうにかならないだろうか。
「×¥●△$♪×¥」
男は言葉が分からないと悟ったらしい。
ジェスチャーでなにかを伝えようとしてくる。
多分ここで待っいろというような意味だと思う。
どうしようか?
まあ、待ってみようと思う。
この身長差だ、誘拐なんてかんたんにできるだろう。
それなのに、こんなにたくさん話しかけてきてくれたから、悪い人では無いだろう。
しばらく待つ。
………さっきの大男が人を連れてきた。
いたって普通の見た目をした男だ。前世の警察が着用していた服とはすこし違うが格好や仕草を見るに、多分警察機関の人だろう。
警察の人が話しかけてくる。
「◎△$♪×¥●&%#?!」
すこし期待したが、やっぱり言葉は通じないようだ。
「◎△$♪×¥●&%#?!」
「△$♪×¥●」
「△$♪×¥●&%#?」
大男と警察が話し合っている。
警察が手を繋いできた。
そのまま引っ張ていく。何処かに連れて行くようだ。
俺はこれからどうなるのだろう。