01 転生
気がついたら、暗い路地に立っていた。
俺は死んだはずだ。高層ビルの屋上から確かに落ちた記憶がある。まず、助からないだろう。
ふと、気付いた。
視点が低い。
どうゆうことだ?
………俺は転生したのか。
前世でよくラノベを読んでいたからそう思いいたった。
でも、おかしい。
いまの俺は赤ん坊ではない、俺は今立っているし、ボロボロだが服を着ている。
俺はどうこの世界に生まれたのだろうか?
今の自分がどんな顔をしているのかが気になる。
あたりを見回す。
結構現代的な建物が並んでいる。
どうやら時代的には、自分が生きていた頃とあまり変わらないようだ。
鏡のような自分を写すものは近くには無い。
状況を確認するためとりあえずこの路地から出よう。
………しばらく歩いていると、路地が明るくなっていた。開けた場所があるのだろう。
路地を出た。
結構大きな道にでた。
車道には車のようなものが走っている。
タイヤが無い、浮いている。
そして、まばらだが人が歩いている。
明らかに人じゃ無い者もいるが。
………どうやらここは、地球ではないようだ。
さて、どうするか。
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転生したと分かったとき自分は、また自殺しようと思った。
しかし、出来なかった。
この身体が自分のものか分からなかったからだ。
もし、この身体が小さい頃の自分のものであるのならば迷わず自殺しただろう。
そしてもし、この身体が小さい頃の自分のもので無いのならば、自分が一時的にこの身体を借りている可能性があるので、死ぬわけにはいかない。
近くにカーブミラーがある。
近づき自分の顔を確認してみる。
………この顔は、自分のものではない。
面倒だが、生きるしかないようだ