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魔力絶頂バトル  作者: 崇高なるヒヨコ
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00 前世

俺の人生は平凡で普通だったと思う。


生まれも周囲の環境もいたって普通だったし。

小学校、中学校まで特になんのイベントも無く進み中3の夏に高校受験をした。


受験をした、とは言っても特に勉強をしたわけではない。

受ける高校はそこまで頭が良いわけではないし、特に人気も無いから勉強をしなくても良かった。


高校には、あっさりと受かった。

そして俺は絶望した。


高校に入れば俺は何かが起こると思っていた。

異世界転生やテロリストの衝撃なんていう非現実的なことではなく。

俺自身に変化が起こると思っていた。

夢や希望を見つけて前向きに努力することが俺にもできると、そう思っていた。


思えば俺は何かに熱中したことが無かった。

俺にも好みはある。

ゲームをしたり本を読んだりすることが好きだった。

でも、俺がこの趣味を持った理由は、ひねくれていると思うかもしれないが簡単に時間が潰せるからだろう。

ゲームをしている間は他のことを考えなくてもいいし、本を読んでいる時にはこの世界から逃げ出せる。


そうだ俺は逃げていた。現実から逃げ続けていた。

でも、戦わなかったのには、理由があった。


そもそも俺は現実を精一杯生きることなどできないのだろう。

何故なら俺には夢や目標がないからだ。


俺はこれまでの人生、怒られたくないから宿題をし、死にたくないから生きていきた。

最低限のことだけやって明日を見ようとしなかった。今日が終わればそれでいいと思っていた。


こうして一日を終えていく内に、高校に入ってしまった。


当然、俺に変化はなく時間を無駄にしていく。


いや、元から俺の持つ時間に意味なんて無い。


どうせ、使えない時間だ。


有ってもなくても変わらない。


軽い鬱状態だったのだろう。

ある時、ふと死にたいと思った。いきていてもしかたがないと。


でも、俺には家族がいる。

こんな俺でも死んだら悲しむような家族が、だから死ねない。


そして高3の夏、変化は望まない形でおきた。


高校で補修を受けていつもより遅く陰鬱な気分で帰っていた。家に近づくに連れて何だか騒がしくなっていったのを覚えている。







………家が燃えていた。


………俺以外、皆死んだらしい。


「もう、いいかな」







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