己という理性と本能
本能が現れる
理性が弱いという自覚はない
空から見下ろした己の姿見は
あまりにも作り込まれていて
醜く見えてしまうのだ
それが本能というもの
誰かが突き飛ばしたのか
自ら溶け込み滲み出すのか
現れ方なんてそれくらい
衝動的で強硬的な本能的行動は
理性という己が静かに見守る
決して止めず目を背けず
それが己なのだと見定めて
嫌悪を抱くことが常なのだ
羨望の声が何処からか聞こえる
そのまま共に飛び込んでしまえと
閑静な闇夜に響く歓声が
本能の雄叫びと共に揺さぶる
それが己なのだ